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心のヒストリー【現在推敲中】  作者: 西影
第5章 寂しがり屋な小石
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061 実験

 今日、私は実験をするために家に帰っていた。何の実験かと言えば左目の実験だ。


 その結果、分かったことは鏡やビデオに映っている人の心は読めない。しかし眼鏡や窓など何かを挟んだ先に見える人の心は読めるということ。


 そんな実験をしていると夜になっていた。お母さんは夜に帰ってくるので私が先に夜ご飯を作っておく。これ以上お母さんに負担をかけたくないしね。


 私がご飯を作っているとガチャリという音が玄関から聞こえてきた。お母さんが帰ってきたのだろう。


「おかえりー! お仕事お疲れ様。後数分で夕食ができるよ」

「ありがと。結月がいて本当に助かるわ」


 私は夜ご飯を作り終わると皿に盛り、机に置いていく。お母さんはその間に服を着替えてくれた。


 家ではカラコンを外して眼帯を着けている。カラコンを長時間付けるのは目に悪いしね。


 眼帯を着け始めた時は何をするにも心配されたが、お母さんもこの光景に慣れたようだ。


 それから一緒に夕食を食べて、私は食べ終わるとお風呂に入った。先に体を洗い、湯船に浸かると今日の出来事を思い返す。


 今日は神崎くんに能力について聞いたんだよね。私もたまに異世界系や現代の能力バトル系の本を読んだりするけど初めて聞いたなぁ。


 本当に望んでいること……か。あの時の私は何を望んでいたんだろ?


 もう一度考える。私がこの能力を貰ったのは多分夢の中だ。起きたら既に有ったんだから間違いないはず。


 でも私の場合夢の内容を覚えていない。それにあの時は()()()()()()()()()()()()()()()だし。


 でも、私が望んでいるのって色々とあるしなぁ。例えば学校では翔のの印象が変わってほしいとか、奏に起こっている現象の解決とか。


 他にも翔と中学生の時みたいにお泊り会したいし、翔とずっと一緒にいたいし、翔と付き合いた……って何考えてるの⁉


 途中から翔のことで頭がいっぱいになっていた。思わず口まで湯船に浸かってしまい、ブクブクと湯船から泡が出てくる。


 本当に翔のことになるとすぐに色々と考えてしまう。中学のあの時からそうだ。あの時からずっと翔のことが好きで好きで仕方なくなってしまっている。


 ダメダメ! 一旦翔のことは頭から出さないと。それより宮野さんが今は大変なんだから。


 宮野さん……あの後どうしたんだろ? カバンもない状態だったから家に帰れないはず。


 だけど五時限目と六時限目、そして放課後に十数分だけ教室に残ったけど現れなかった。私があの時望んでいることを聞かなかったら……あの時華を振り切ってでも追いかけていれば……。


「うぅーーー……」


 自然と湯船から出していた口から弱弱しい声が零れる。どうしてあの時……と何度も思ってしまい、授業も集中することができなかった。


「はぁ……もう上がろ」


 湯船から上がるとバスタオルで体を拭いてから脱衣所に入る。そこで下着、寝間着を着てからリビングに向かった。


 リビングで充電してあるスマホを手に取るとチャットアプリから通知があることに気付く。


 こういうのを溜める人もいるらしいが、私はゼロにしないと落ち着かない人なので一応見てみる。


 内容は宮野さんと華からのチャットだった。その事実に少し驚きつつ先に華のチャット画面を開く。


『家に帰ったらちゃんと奏いたから安心して‼』

『明日はちゃんと学校に行くって』


 よかった……ちゃんと宮野さんは華の家にいるんだ。最悪の場合、徒歩で自分の家に帰るかもと思っていたが、杞憂だったようだ。


「わざわざ知らせてくれてありがと』


 それだけ送ると次に宮野さんのチャット画面を開いた。


『今日は大変申し訳ございませんでした。せっかくわたしなんかの為に情報を聞いて下さったのに逃げてしまいました。あの時はちゃんと答えなければならなかったと思いますが、わたし自身あまり思い付かなかったのでそのことを聞かないで下さると幸いです。望月さんは何も悪くありません。本当に今日はすみませんでした』


 わざわざこんなことを書かなくても……。悪いのは無神経に聞いた私なんだし……。


『わざわざ謝らなくてもいいんだよ。私が無神経に聞いたせいなんだし』


 私がチャットを送るとすぐに既読が付いて返信が来た。


『いえいえ、逃げるのはダメだと思いましたので』

『そう? ならいいけど……』


 送信してからスマホを充電コードから外すと二階の自分の部屋に向かう。


 部屋に戻った私がすることは……勉強だ。今日書いたノートをカバンから出して机の上に置く。そして机に並べてあったノートも何冊か取り出した。


 勉強と言ってもただノートを見返すだけじゃない。違うノートへ綺麗に書き写すのだ。


 私の左目が紫色になってから眠気が全然来なくなった。その理由は分からない。


 でも三時頃になると少し眠くなる。なのでいつもその時間に寝ていた。


 しかし不思議なことに、そんな深夜まで起きていてもなぜか起きたいと思っていた時間に起きてしまう。本当に便利な体になったものだ。


 私は眠れないこの時間を今はノートを書き写す時間にしている。これなら前に書いたのとプラスして最近の分もあるので結構な暇つぶしになるだろう。


 それに成績も上がって一石二鳥だ。


 だから今日もノートを書き写す。少し眠くなった頃に時計を見るとちょうど三時になっていた。


 私は布団に潜りこんでいつものように心の中で呟く。


 いつも通り七時に起きよう。

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