表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心のヒストリー【現在推敲中】  作者: 西影
第5章 寂しがり屋な小石
52/96

051 頼れる人間

《佐々木 華視点》


 流石にこれ以上課題をしたくなかったあたしはゆづの家から出る。


 お昼ご飯の後は遊びという可能性もあったが、ワンチャン英語の課題もやってたかもだしね。ここは逃げるのが妥当だろう。


 勉強から逃れられたことが嬉しくなり思わずスキップをして帰路を辿る。するとポケットに入れているスマホがブルブルと震えた。


 画面を見るとまさかの人物だったので足を止めてしまう。


 あたしは慎重に応答ボタンを押すと耳元にスマホを当てた。


「もしもし? どうしたの? …………そんなの覚えてるに決まってるじゃん。……えぇ! それは急だなぁ。別にいいけど。……うん、それじゃあマンションで待ってるね。住所はすぐ送るから。それじゃあまたね」


 あたしは住所を打ち込むとマンションまで走り出す。取り敢えず散らかっている部屋を片付けないと。




 マンションに帰るとすぐにリビング、自分の部屋を片付け始めた。それが終わると色々なところを雑巾で拭いておく。


 するとピンポーンとインターホンの音が聞こえてきた。モニターを見てみると電話をしたあの人だ。


「はーい。今開けるよ」


 入り口のロックを解除してあたしはまた整理を始める。インターホンがもう一度鳴ったのでドアを開けに向かった。


「いやぁ、いきなり『泊まりたい』っていうものだからびっくりしたよ。ほら、上がって上がって」

「お、お邪魔します」


 あたしの目の前にいるキャリーケースとカバン持っている人は同じクラスの宮野(みやの)さんだ。


 学校ではよく話している。でも最近はゆづと一緒にいたので話していなかったかも。


 宮野さんはリビングに荷物を置くとあたしに向かって頭を下げた。


「本当にいきなりすみませんでした!」

「うぉ! びっくりしたぁ。いいよ、あたしひとり暮らしだし。それに……」

「それに?」

「なんかさ、宮野さんってあまり人を頼らない感じだったからさ。それであたしに頼ってきてくれたのが嬉しかったんだ」

「……そう、ですか。それが原因なのでしょうかね……」

「原因?」

「あのですね、実はわたし……」


 宮野さんは言いかけるが黙って下を向く。それだけ言いたくないことなのだろうか? それでも宮野さんは首を左右に振って言った。


「――わたし、人から忘れ去られているらしいんです!」

「えええぇーーー‼」


 その言葉にあたしは近所迷惑並の大声を出してしまうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ