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Star Gate Online ~妹は姉の作ったVRゲームで『裏の世界』の仲間達と一緒に遊ぶようです~  作者: 如月ひのき
第二章 友人が言うので普通に遊びますが、姉に対する警戒は怠るつもりはありません。
15/36

妹、初めての依頼報告をする。

寒くなってきましたね。自分は少し体調を崩してしまいました。

皆様も体調の管理には気を付けてくださいませ。



日間VRゲームランキング(18/12/17 11時~12時更新)にて38位になりました。

週間VRゲームランキング(18/12/17朝更新)にて44位になりました。

皆様のおかげです。閲覧、ブックマーク、評価、感想、ありがとうございます。

 私とシオリは冒険者ギルドの扉を潜り、中に入ります。

 中に居た冒険者達が一斉にこちらを向き、場違いな美少女二人に絡もうと近づいて――くることもなく、彼らは依頼が張り出される壁に集中していました。


「まあ、時間帯的にそうですよね」


 今は明け方。いるのは明け方に貼られる依頼の中から、我先にと、いい依頼を剥がそうとする冒険者ガチ勢でしょう。

 テンプレのごとく絡んでくるのは、依頼を取れず、昼間から飲んでいるような、落伍冒険者だけ。

 そういう人達はこの時間帯にはいません。

 シオリへの冒険者ギルドの『洗礼』はまた今度ですね。


「どうかしたの?」


「なんでもありません。それより依頼の報告に行きましょう」


 朝の鐘と同時に依頼が張り出され、押し合いへし合いの依頼争奪戦が始まるのですが、今日は参加する予定も、見学するつもりもないので、このまま受付に向かいましょう。

 マリアさんは……ああ、いました。

 シオリを連れてマリアさんのいる受付に足を運びます。


「マリアさん。ただいま戻りました」


「ああ、おかえりなさい。初めての依頼はどうだった?」


「ちゃんと集めてきましたよ。ルオナ草10個、採取完了です」


「お疲れ様。依頼の品はこのケースに、後はギルドカードを出して頂戴。

 Fランクへの更新作業をするから――っと、そのメイド娘は?」


 マリアさんはシオリのことが気になるようです。

 私は簡潔に説明することにしました。


「私の友人で、新人冒険者志望のシオリです」


「シオリです。よろしくお願いします!」


「マリアベルよ。マリアと呼んで頂戴。冒険者ギルドで受付嬢をしているわ」


 紹介が済んだので、先程から気になっていたことを聞いてみましょう。

 それは微妙な違和感。別にスルーしてもいいのですが、気になってしまったので仕方ありません。


「互いの紹介が終わった所でマリアさん、少しいいですか?」


「何かしら?」


「口調、仕事モードになっていませんよ?」


 気になったのはマリアさんの口調。

 真面目な出来る女のような口調から、さばさばした感じの口調に、プライベートの口調になっていました。


「あー。ほら、シャーリィとは一緒に飲んだりしたじゃない。

 真面目にやるのは今更かなーって、ちゃんと仕事はするから気にしないで」


 これは気に入られている、ということでいいのでしょうか?

 まあ、悪い気分ではないので、言われた通り気にしないことにしましょう。


「わかりました。気にしないことにします」


「ありがと。それで依頼なんだけど、根っこがついたままね。

 ルオナ草は根っこを抜かずに、必要な部分だけを持ってこないと報酬が下がるわよ。

 今回は根っこごと抜いてきているから、C判定になるわ」


 冒険者ギルドの規定では、依頼のやり方によって、報酬に変化があるそうです。


 まず、依頼失敗はE判定。何も貰えません。下手をすれば逆に賠償を払う必要があります。


 次にD判定。依頼は成功ですが、内容があまりにも酷かったモノ。報酬が半額にされます。


 次にC判定。依頼は成功ですが、小さなミスをしてしまっていたモノ。報酬が僅かに減額されます。


 次にB判定。可もなく不可もなく依頼を成功させた場合。報酬はそのまま。


 最後にA判定。依頼大成功。ギルドからの追加報酬に加え、依頼主によっては報酬が増額されるそうです。


 私はC判定になってしまったようです。

 クランディルス草原のルオナ草の群生地の場所と、そこにいる敵の詳細を調べるのに夢中で、肝心のルオナ草の採取方法に関して調べることを忘れていました。

 完全に事前調査不足ですね。これは反省するべきしょう。


「まあ、はじめての依頼ということでオマケしてあげる。

 C+評価で、報酬は通常の500Gから、C評価で400Gに、+評価をつけて、450Gになるわ。

 報酬はギルドカードに直接入れておくわね」


「ありがとうございます。また今度奢りますね」


「今度はもう少し、いいお酒をお願いするわ」


「わかりました。ビールを奢ります」


「エールよりは高いけど……まぁ、いいわ」


 ということで、冒険者ランクがFランクになりました。

 Fランクになったことにより、ギルドカードの新しい機能が解放されるようです。


「まず、追加されるのはスキルの項目分け機能よ。

 カードを所持した状態で、自分のステータスを表示してみて」


「わかりました。『ステータス閲覧』」


 言われた通り、ステータスを表示させます。



 ◎基礎情報

 名称 シャーリィ

 総合レベル4/ベースレベル2/種族レベル2

 種族 <吸血種族>

 性別 女

 職業 <冒険者>

 称号 <狼達の恐怖>

 活性スキル(2/2) 【黄金神眼Lv2】【鑑定Lv1】

 【黄金神眼】追加スキル枠(2/2)【暗視Lv2】【透視Lv2】

 常時スキル 【吸血】【夜行性】【苦痛耐性】【光属性耐性(小)】【種族共通語】


 ◎スキル情報

 種族スキル

【吸血】【夜行性】


 個人スキル

 固有:【黄金神眼Lv2】

 戦闘:【挑発Lv1】

 耐性:【苦痛耐性】【光属性耐性(小)】

 解析:【透視Lv2】【鑑定Lv1】【暗視Lv2】

 言語:【種族共通語】


 一般スキル

 なし


 ◎装備情報

 右手武器 ≪古びた白い日傘≫

 左手武器 なし

 頭 なし

 上半身 ≪古びた白いワンピース≫

 下半身 ≪古びた白いワンピース≫

 腕 ≪古びた白いサテングローブ≫

 足 ≪古びた白いサンダル≫

 アクセサリ なし

 アクセサリ なし

 その他 ≪初心者用アイテム鞄≫


 ◎アイテム情報

 初心者用アイテム鞄 72/100

≪シャーリィの棺桶≫ 重量50

≪星の鍵≫ 重量1

≪職業カード(冒険者)≫ 重量1

≪ブラッディムーン≫ 重量5

≪血液パック≫×5 重量15


 所持金 950G



「おお。スキルが種類ごとに区分けされています」


「さらに、ページごとの表示も出来るようになったわ。

 一旦閉じてから『ステータス閲覧。基礎』でもう一度、開いてみて」


「わかりました……えっと、『ステータス閲覧。基礎』」



 ◎基礎情報

 名称 シャーリィ

 総合レベル4/ベースレベル2/種族レベル2

 種族 <吸血種族>

 性別 女

 職業 <冒険者>

 称号 <狼達の恐怖>

 活性スキル(2/2) 【黄金神眼Lv2】【鑑定Lv1】

 【黄金神眼】追加スキル枠(2/2)【暗視Lv2】【透視Lv2】

 常時スキル 【吸血】【夜行性】【苦痛耐性】【光属性耐性(小)】【種族共通語】



 これは便利ですね。

 いつもステータスを開くと、必要のない部分まで表示されていたので、正直鬱陶しかったのです。

 これなら、必要な部分だけを確認することができますね。


「『ステータス閲覧。基礎』で基礎情報を、『ステータス閲覧。スキル』でスキル情報を、『ステータス閲覧。装備』で装備情報を、『ステータス閲覧。アイテム』でアイテム情報を確認できるわ。

 『ステータス閲覧。基礎。スキル』みたいに組み合わせて開くことも可能よ」


「いいですね。これ。でもどうしてFランクからなのですか?」


「登録すればGランクになれるのは知っていると思うけど、登録するだけで依頼に行かないとか、そういう人達に機能を使わせたくないから、らしいわ。

 一応、冒険者ギルドの独自の技術だからね。上の方針よ」


「なるほど。他の職業ギルドにもそういうのがあるのですか?」


 私が尋ねるとマリアさんは私の腰に下げられている『初心者用アイテム鞄』を視線で示し、


「例えば、<商人ギルド>だと、一定以上の金額を稼いだ商人は、その『初心者用アイテム鞄』の最高峰。『商人用アイテム鞄』を貰えるわ。重量3000まで入れられる特注品よ」


「普通は?」


「普通に購入可能なのが、『下級アイテム鞄』が重量250まで、『中級アイテム鞄』が重量500まで、『上級アイテム鞄』が重量750まで入れられるようになっているわ。

 重量1500まで入れることの出来る『特級アイテム鞄』というものもあるらしいけど、残念ながら入手方法はわからないわね」


 どうやら『特級アイテム鞄』はレアアイテムのようですね。

 『下級アイテム鞄』は1500G、『中級アイテム鞄』は3000G、『上級アイテム鞄』は4500Gで、各ギルドで注文販売しているそうです。

 作成するのに<服飾ギルド>と<魔法ギルド>の協力が必要な為、どうしても値段が割高になって、完成するまでに時間がかかるとのことです。

 予算が足りないので注文はまた次の機会ですね。


「シャーリィ―、終わった―?」


 おっと、シオリが暇そうにしていますね。

 今日はシオリの冒険者登録も予定にあります。いつまでも雑談しているわけにも行きません。

 依頼の報告やランク更新もひと段落した所で、私はマリアさんに『アイテム鞄』の情報のお礼を言って、シオリに場所を譲ることにしたのでした。

戦闘が出来ても、それだけでは冒険者は務まらないという、そんなお話。


ランキングに参加しています。

面白い、続きが読みたいと感じましたら、下の方のタグを押してくださると幸いです。

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