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虹色ライフ  作者: 紫焔
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●始めまして、コンニチハ●

注意!!この小説には同性愛の表現が多少ある為、嫌悪又は苦手な方は閲覧を御遠慮下さい。

●始めまして、コンニチハ●

高校生になった。

そんな男子二人、上総(カズサ)右近(ウコン)を取り巻く学生スクールライフは結構普通だった。

二人は昔から・・・良く言う

「切っても切れない仲」であり、小・中、更には高校まで一緒という気持ち悪い位一緒の人生を過ごして来た。しかも進学した学校がエスカレーター制の結構頭の良い学校だったので大学も一緒になる予定だ。

「・・・クラス一緒は初めてだよな?」

「だよなっ?イイコトありそー!!」

満面の笑みで返す山崎右近は脳天気・若しくは血気盛んな性格で結構問題児扱いをされてきた。一昨日の始業式でも染めてきた茶髪とピアス姿で、生活指導で有名な教師に追い掛け回されていた。

一方の結城上総はトップクラスの頭脳を持つ男子だ。

天は二物を与えたらしく、顔も良い。昨日は下駄箱にラブレターらしきものが数枚入っていたし、女子から逃げるのに四苦八苦していた。新入生は入ってすぐにテストを受けるのだが、その結果でクラス分けが決まった。少し遅い気もしたが、右近が居るなら安心出来た。どうも女子からの攻撃が激し過ぎて仕方ない気がする。

「上総ラブレター貰ったんでしょ?三組の赤木さん。美人だって!!」

「知らない。読まずに食べた」

「勿体ねー!!高校生らしく恋愛とかしよーよ!!上総カッコイイんだからさぁ!!」

「同じ顔に言われたくない。つか、右近のが性格良いからモテんじゃねぇの?」

「え、俺?」

意外そうな顔をする右近に上総は頷いた。

二人は全く違う見た目と性格だが、顔は全く同じだ。ドッペル何とかで言う

「もう一人の自分」のようだと周りは気味悪がったが、上総も右近も気にしなかったのは、お互い性格が合ったからだろう。

「三日間会わないだけで随分変えて来たな」

「でしょ?頑張っちゃった」

「可愛い可愛い。周防姉だろ、染めたの」

周防(スオウ)と言うのは右近の姉で、大学二年生。ミスコンに選ばれる位の美人で、双子の兄・聖徳(セイト)が居る。こちらもモデル勧誘の耐えない男で、右近はそんな美形一家の次男坊だ。

「すお姉酷ぇんだぜ!?俺はアッシュブラウンにしてくれっつったのに、ハニーブラウンにしやがってさぁ!!」

「良く解ってんじゃん、周防姉。聖徳兄は銀メッシュ?」

「んーん。今は黒メッシュに赤。落ち葉みてぇって言ったら4の字固め食らって・・・」

聞くだけで想像出来る山崎一家に上総は堪え切れずに吹き出した。明るい茶髪を摘んで頬を膨らまし、話題を変えんとばかりに別の話を始める。

「つか、部活どうする?また文芸とか化学部?」

「どっちも無かった。文芸は女子ばっかだし、化学部は既にオタクの領域。俺には無理デス」

「あっはっは!!俺みてーに運動部にすれば?」

「面倒。大会とか」

二人の目の前にある

「部活仮登録用紙」は未だ白紙だが、右近は既に決めている部があるらしい。

「何やんの?」

「弓道!!ほら、背の高い先輩が声架けてくれたじゃん!!」

「・・・あー、桜宮先輩、だっけ?サクちゃんとか呼ばれてた」

「そうそれ!その人が今朝声かけてくれてさ、仮入だけでもどうだ?って」

「熱心な事で」

女子に人気のありそうな優男だったのは覚えているが、それ以外覚えていない。

運動するのが好きな右近はこれまでずっと少林寺拳法を習っていたので体力はかなりある。先輩がその力量を見破ったのかどうかは知らないが余程右近が気に入ったのだろうとは察しがついた。

「なぁやろうよ弓道!!週三で大会はあんま無いし!バイト出来るじゃん!」

「え〜?俺別に勧誘されてないし」

「ひねくれるなよー!!別に仮入だけでもさぁ」

実際に仮入部だけで入部はしないと言う生徒は多い。バイトや委員会など色々あるだろうとは思うが、まだ見ていない部もある。

「・・・仮入だけな」

「やった!じゃあ書いて書いて!!」

特に気になる部があった訳でも無かったので、結局右近に言われるまま弓道部に仮入部をする事になった。

●○●○●

クラスに馴染む為に、学校が始まって最初のホームルームは殆んどが自己紹介などに当てられる。上総と右近のクラスも例外では無く、歴史担当の谷教諭は面白い事をしてくれた。

正直に言えば、上総は苦手な分野だ。

「じゃあ、この用紙にメッセージを埋めて貰ってね」

渡されたA4紙には生徒の数だけ四角が囲まれて居て、これを埋めろというものらしい。

人付き合いは苦手では無いが、どちからと言えば苦手な上総は前の席に座る右近を見た。後頭部の視線を感じとったのか違うのか、振り返った右近は予想通り楽しそうな顔をしている。

「やばくね!?扇ちゃんナイスアイディア!!」

「こら右近、先生を扇ちゃんって呼ぶなー」

「扇ちゃん今日もキレイだよー!!」

(オウギ)と呼ばれた谷教諭は満更でも無い顔で

「さっさと動け」と笑った。爽やかな顔に高い身長で入学当時は驚いたが、昔はモデルのバイトをしていたらしい。整った顔をしているし、数学教諭の佐々木教諭を始めとした独身教諭が狙っているのも無理は無い。因みに今年で27になるらしい。

「扇ちゃん、もっと楽なの作ってくれりゃ良いのに」

「女子がチラチラこっち見てるぞ?」

「ヤダ。キキタクナイ。・・・あ、ここに書けよ右近」

「んじゃ上総はココね」

お互い用紙を交換して書いていると、二人の間に紙が割って入った。

「これ、書いてや」

「?誰?」

「わ、バカ!!」

素直に相手に聞き返す右近に上総は慌てたが、聞かれた相手は可笑しいそうに笑っただけだった。小さい背丈だが、気は大きいらしい。

「武田雅景や。よろしゅう」

関西弁で自己紹介する雅景(マサカゲ)なる男子の後ろには、ヒョロリと背の高い男が立っていた。

「僕のもお願い出来る?三河アーサーへ、って」

金色の髪を後ろで邪魔にならない様に縛った男子は、ハーフなのか白い肌に緑がかったブルーアイが綺麗だった。見惚れている右近の頭を軽く叩くと、二人の方に上総は自分の紙を渡した。

「結城上総。・・・ヨロシク」

「俺は右近で良いよ!!俺のも書いて書いて!!」

そっぽを向く上総の紙を受け取り、雅景はプッと吹き出した。

「何やお前、照れ屋さんかい」

「違う。慣れないだけだ」

「それを照れ屋言うんやろ!!ハハッ、オモロイなぁ上総は」

明るく笑う雅景にムッとしたが、優しく呼ばれた名前に少しホッとしたので許す事にした。

「上総は女子にモテモテやん?どんな性悪か気になってんけど、全っ然ちゃうんやなぁ」

「でしょ?寧ろ女子苦手?みたいな所あってさぁ」

「勿体ないわー!!」

「だよねー!?」

意気統合した右近と雅景を尻目に、上総は目の前に居るアーサーに何か話かけるべきか悩んでいた。アーサーは上総の用紙に書き込みながら、クスリと笑った。

「別にいいよ。無理に話さなくても」

「えっ?」

用紙を差し出し、アーサーは上総の目を見て優しく微笑んだ。

「元々話すの苦手でしょ?僕は喋らなくても一緒に居て楽しいなら良いんだ。気を遣うならそれは友達じゃないだろうし」

何か悟りを開いているようなアーサーの台詞に上総は関心しつつ、苦笑した。いかに自分が付き合い下手なのか気付かされた気がしたのだ。

「そんなに分かり易いか?」

「雅景とは逆だろうなって思ってた」

「・・・俺、目立つの苦手なんだよ」

「それも知ってる。入学式の新入生代表、笑い堪えるの必死だったよ僕」

「そりゃ無いだろ。頑張ってたのに」

他愛ない話をしながら、四人はその後もクラスメイトに用紙を交換して貰い課題を達成していった。

「じゃあ雅景は大阪に居たんだ?すげー、生関西人」

「何やそれ!居た言うてもチビの時や。一家皆で関西弁喋りおるから俺にもうつったんや」

「雅景の関東語、想像し難いな」

「あ、そりゃ酷いで上総!!アーサーも笑うなや!!」

授業で親しくなった事もあり、四人は一緒に昼を食べる事になった。やはりどうでも良い事ばかりだが、上総は二人の事を先程の授業よりも知った。

雅景は中学進学前まで大阪に住んでいて、六人兄弟の長男坊。父親の腕で育てられた兄弟は皆元気で、今は祖父母と一緒に八人で過ごしている。

アーサーはイギリス人と日本人のハーフで、高校生になるまではイギリスに居たらしい。アーサー自身日本文化に興味があり、留学して来たらしい。今は祖母と二人暮らしをしていて、谷教諭とは遠い親戚らしい。

「扇は昔から歴史の本ばっか持ってた。あ、因みに扇は僕の従姉妹。父のお姉さんが大分歳離れててね」

たまにアーサーと祖母を気にして遊びに来る辺り、優しい面もあるらしい。

「でも何で右近の方には女子来ないんや?」

「あ、俺も思った!!ねぇ上総、何でこーも違うの?モテる薬とか使ってるの?」

「使ってねぇし」

弁当を食べながら上総は眉間に皺を寄せた。渡せるものなら渡したい、この異様なまでの人気。

「女子はね、少しでも謎めいてる男が好きなの」

「え!?アーサーそれ本当!?」

「うん」

笑顔で頷くアーサーは元々が綺麗な顔立ちなので彫刻や絵画に出て来そうだ。

「それと、あとは・・・」

急に立ち上がり、アーサーは廊下に出た。見ると、廊下で女子がノートを拾っている。落としたのだろうが、量が多い気もする。何をするのかと思えば、女子と一緒にノートを集め始めた。

「はい、これ。大丈夫?」

「あ、ありがとう」

「随分多いけど、大丈夫?」

「うん、職員室までだから」

「気を付けてね」

気付くと別の女子がアーサーと女子の間に入り、半分を持って立ち去った。

「すげー!!アーサーやべぇ惚れる!!」

戻って来たアーサーに開口一番叫んだ。

「でしょ?優しさも大切って事」

「何やアーサー、偉いべっぴんな子やったけど狙っとんのか?」

「え!?そんなに美人だったの!?」

「大人しそうな・・・沖田さんだったかな。仮クラスで隣だった」

上総が名前を言うとすぐに右近は誰なのかすぐに解ったらしい。

「僕は坂本さんの方が気になるな」

「誰やそれ」

「後から来て僕をナンパと勘違いしてた子」

「あぁ!陸上部の子?」

「短距離ルーキー。かなり可愛いよ、タイプなんだ」

包み隠さず言い切るアーサーに右近と雅景はそれこそ女子の様に奇声を上げた。上総からすれば大胆過ぎて呆れる。

「いいなぁ、皆好きな子居てさ。俺達も恋しよーな?」

「俺はまだいい」

冷静過ぎる上総の台詞に右近は

「つまんねーの!」と思ったままを口にしてチョップを食らわした。

こんにちは、紫焔と申します。この度は「虹色ライフ」を読んで頂きありがとうございます。何だか一話目から凄い登場人物数(大小合わせて9人!)で正直驚いていますが、良ければ次回も読んで頂けると嬉しいです。それではまた次回、会える事を願って。

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