目的地 1件目の家
とりあえず手前側に立っている一軒家を目指すことにした。
10分ほど歩き目的地に到着した。
「ごめんください」
返事はなく誰もいないようだ。
「模様替え前の場所は基本的に人がいない」
「そういうのがここでは常識なのか?」
「まあそうだな。 お前が食堂にいたのは異例だ」
「あのさ、前から思ってたんだけどこの世界って何を目的としてこんなことやってるんだ?」
そういうとウサギは少し沈黙したあと
「明確な目的はよくわかっていない。 ただ一つ言えるのは模様替えをすることでこの世界の人々を循環させてるんだ」
主人公がさらに困惑した表情をみせるのでウサギは言った。
「まあ 人間達を追っていけばそのうちわかる」
「なんだか釈然としないな」
そう言いながら民家に入っていく
家の中は四角い木製のテーブルの上にキャンバスが置かれており横顔の中年ぐらいの女性の絵の油画があった。まだ描き途中のようだ。
「ふむ 特に寂れてないし改装必要なくないか?」
壁側には装飾品であふれていた。使われていない豪華な食器棚やイルカのオブジェがこの家の大半の空間を占めている。この家に住んでた方は一風変わった趣向をしているように感じた。