3/6
夕食
「この空間には生きた猫は相応しくなかったと」
「そのようだ。」
「だからってウサギのぬいぐるみにならなくったって」
「この空間が決めたことだ 。それより周りを見てみろ」
振り返るとガヤガヤと人で溢れていた。ドリンクを注文する人。ピザを食べるカップル。その他大勢の人々。
「 いつのまに……」
「ここの外を見てみろ」
閑散とした雰囲気だった。家が2件ほどしか見えず空と砂が空間の大半を占めていた。
「何もないな」
「さっきの人間達はこの反対方向へと向かっていったようだ」
「何故わかるんだ?」
「以前と景色が変わっていない」
「景色も込みで変わるものなのか」
「そりゃそうだ」
「これからどうする?」
ウサギが聞いてきた。
「とりあえず外に出てみようと思う。あ、でもここで夕食を食べてからにするかな」
カウンターの列に並んでピザを注文した。
2人がけの椅子に座りテーブルを挟んでウサギを前にしてピザを食べた。