7 父さんの戦闘
目標を決めたあの四歳の日から二年の歳月が流れた。あの後僕はlvあげの方法を母さんに聞きに行ったんだが「四歳の子供が魔物を倒せるわけないでしょ~」と言われてしまった。そりゃそうだ。
けれど、lvは魔物を倒せば上がるとわかった。
そして六歳になった僕は今 この国の王都へと向かっている。僕の家、ヴァリアント家は名誉貴族なので四年に一度この国の王都へ行かなければいけないらしい。
家から王都まで約四日ほどかかり、今は三日目の夜...。
そこで僕はとうとう魔法を覚えた。
きっかけは初日に尻が痛いからどうにかならないものかとMPを消費してINTを上げていたら使えた。
なんか使えた。
その時はまだスキルに表記されていなかったけれど、日に日に使っていくうちに回復魔法lv1をゲットした。
普段の魔力操作も正直飽きが来ていたので、そっちの意味でも助かった。
そして使い続けた回復魔法は今やlv4だ。
...まだ使いはじめて三日目だが。
ゆっくりしていると急に馬車が止まる。何事だ?
「魔物がでたぞ!ブラックボアとレッドボアが二体ずつだ!」
魔物!、二年前にlv上げに必要となると言われていたやつだ!
あれから結構な時がたったけれど、まだ見たことないな...見てみたい!
「じゃあ俺行ってくるわ」
手をヒラヒラとさせて父さんは馬車を降りる。
そしてブラックボア達に向かって魔法を詠唱する。
「我が体内に宿りし魔力よ、今解き放たれん!第三魔法バーンヒューズ!」
父さんが詠唱を言いきり、手をブラックボアに向けると手におさまるほどの熱線が魔方陣から出現し一体のブラックボアを襲った。
その熱線は止まることなくブラックボアの脳天を貫通し息を途絶えさせた。
しかし魔物は後三体、こちらに全速力で突進してきている。
その光景に父さんはため息をつくと黒虎に変身した。
『縮地』
父さんがそう言うとついさっきまで立っていた場所から消え、ブラックボア達の目の前に現れた。
『威圧...はあぁ!』
今度は威圧で相手を怯えさせ動きを止めた。その隙に父さんは黒虎の爪で残りのボア系種の魔物を引き裂いた。
「やっぱこっちのが性に合ってるな」
引き裂いた瞬間に人に戻る父さん。まあ秒間でMP削れていくし変身中はテキパキとしたいのだろう。
父さんは馬車に戻ると少し苦笑して母さんをみる。
「魔物を倒すのが中々に久しぶりだからな。ちょっとみっともないところを見せてしまったな」
あれでみっともないって本当ですか、一応目標にしてるんですけど。
父さんの戦う姿もみれた事だし出発だ!と思ったがまだ馬車が動かない。どうしたんだろう?
「あぁ...また魔物です!今度はボアの大群です!」
連戦ですか、そうですか。