6 今後の目標
「元々は弱かった...?それはどういう事なの?」
自分も強くなれるのか、そんな期待に自然と声色も高くなる。
「俺たち変身士の変身先の生物は成長する。それこそ人間と同じ理屈で成長する。そして生物には人が持ち合わせていない力を持っている...それは―――」
「進化よ」
父さんの言葉に続くように急に現れた母さんがそう言う。『進化』...今の僕にはとても魅力的な言葉であった。
「フィール...そこは俺の言葉だっただろう、」
「ふふ、私抜きで面白そうな話をしていたからつい、ね」
父さんは呆れ混じりの顔で母さんを見つめる。しかし今はイチャイチャさせてる時間はない。
「進化...それってどうやってするの?」
僕は二人の話を切るように質問をする。
「なに、進化する方法事態は簡単だ。変身先の生物のlvをMAXにしてもう一度球体を飲み込めばいい。ただ...どれくらいでlvがMAXになるのかが全くわからない。そこら辺はもう勘でやるしかないんだ。飲むときは本当に神経を磨り減らす。そしてlvがMAXじゃなかったら...人では無くなる」
僕は父さんの言葉に唾をのむ。人では無くなる...そこだけ何故かとても深い言葉に聞こえた。
「でも僕は...二人の息子なんだ。適当にlv上げたら飲むよ、その球体。僕は本気なんだ」
僕の考えは反対されると思い目をぎゅっと瞑るも、僕の思いとは裏腹に父さんは頭をわしわしとなで回した。
「ははっ!その活きだ!俺だって、フィールだって生き残ってる!その二人から産まれたお前なら絶対にできる!」
「うふふ、そうよ~父さんなんて最初は弱々しい虎だったんだから」
二人は僕の考えを否定せず応援してくれる。ほんと、いい両親だよ。
「弱々しい虎か...ふっ」
父さんは何を思ったのかリビングを出ていった。
その姿をフィールは「あちゃー」といった感じで見つめていた。
気にしない方がいいのだろう。
「ところでその球体って名前無いの?」
「んー?ちゃんとあるわよー。正式名称は変化球兼進化の宝玉1だったかしら...長い名前でみんな球体って略してるわねー」
1...?2もあるのかな。
その事も聞こうとすると母さんも父さんを追うようにリビングを出ていった。父さんと話すことでもあるのかな?
「まあいいや...当面の目標は決まった。僕は、父さんと同じくらいには強くなるんだ!まずは火トカゲのlv上げの為に...!!」
そこで僕は気づく。
「lv上げの方法がわからない」