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夢を買う

「やばいわ、ものっすごいもんでた」

「報告せんでええから」

「クソちゃうわ。アイデアや、アイデア」

「絶対しょうもないやつやん」

「でも聞きたいやろ?聞いちゃうタイプやろ?つつがなく聞いてしまうやろ?」

「早よ言えやカス」

「あんな、ビックリするかもしらんけど………宝くじ当てたら働かんでええんやない」

「はい、でた、しょうもない。当ててからいえ」

「夢ひろがるやん。ビッグドリームやで。宝くじ当たりたいわあ」

「そらなあ、当たるもんなら当てたいわ。でも、当たっても絶対幸せとは限らんやろ。いつのまにかようしらん親戚ふえるとかいうやん」

「は?無意識で結婚したんか?」

「アホか、ちゃうわ。当選金目当てに今まで親しくなかった人も群がってくるってことや」

「ああ、あるなあ。そんなん殺したらええやん」

「気軽に親戚殺すなや。お前はサイコパスか」

「ちゃうわ。ゲームと現実の境界線がわからんくなっとるだけや」

「それはまじでやばいな」

「親戚、近寄ってきたらヘッドショットでワンキルやで。あーでも、銃もってないわ。ドンキに売ってへんの」

「もっとらんでよかった」

「いやいや、そこはドンキなんやから銃器はあらへんやろーってつっこむとこやで」

「くっっっっそめんどいわ」

「代わりに精子とばすしかないよな」

「きったないなあ。何考えとんねん」

「でも銃で撃たれるより、精子かけられたほうがダメージでかそうやん」

「そんなんしよって捕まったらタコ殴りにされるぞ」

「それは勘弁やねえ。それよりもっとお金の使い道とか考えたほうが楽しいやろ。てっちゃんは何言っとんねん」

「あんな、サトシ、耳ついとるか?」

「当たり前やろ。ココとココに耳あるやん」

「そうやった。おかしいんは頭やったわ」

「だいたいいつもそうやろ」

「自覚あったんか」

「宝くじ当たったら、そうやなあ。アレとアレとアレでアレして………アソコでアレしてアレして………あーダメや。エロいアレしか思いつかへん」

「だいたいいつもそうやろ」

「すぐ人のセリフ使いよる」

「家買うとか、車とか、ブランドの時計、靴、スーツとか、いろいろあるやろ」

「モノはどれもちょっとアレやな。ほんまアレやねんけど」

「さっきからアレしか言うてへん」

「てっちゃん、あんな。大切なのは体験なんやで。体験が人を成長させるんや。モノを購入したところでたかがしれとる。高価なモノに固執するのは見栄でしかないねん。それはな、老化の始まりや」

「エロいこと考えとったやつが何いうてるん」

「でも家はええな。プール付きの家とか面白そうやん」

「一瞬で自分の意見ひるがえすなや」

「ちゃうちゃう。家を買うという体験を買うんや」

「めっちゃ都合のええこと言い出した」

「そやけどプールとか一日で飽きてしまいそうやなあ」

「管理もめんどそうや。掃除とかどうすんねやろ」

「ここは潔く諦めて、ギャル飼いたいんやけど」

「最初からそれ目的やろ」

「あ、プールえさにしたらどうやろ。ギャル食いつくんちゃう」

「ナイスアイデアやないからな」

「絶対ええと思うねんけど」

「まあ、そら食いつきはええやろな」

「プールに放し飼いしといたろ」

「どういう扱いやねん」

「しかしな、そんなドリームもな、宝くじが当たらんことにはどうにもならんのや。果てなき道やで」

「心配せんでも当たらんて。どんだけ確率低い思てんねん。サトシが10回生まれ変わっても当たってへんわ」

「飛行機落ちる確率のほうが高いんやっけ」

「あったなあ、そんなん。なんかで聞いたことあるよな」

「え、じゃあ、宝くじ当選したあと、海外旅行しよう思て飛行機墜落したら、めっちゃすごない?」

「すごいけど、ほぼ死んでるやん」

「最高の運と最悪の運を使い果たしたんやね。プラマイゼロや」

「ライフもゼロや」

「そこはあれやん。コンティニューとかで」

「またゲーム混ざっとるし。死んだら終わりやねんぞ」

「そんなもん電光石火のごとく転生したるわ」

「またクズが生まれるがな」

「こらこら。逆に考えてみたらな、クズは生まれ変わってもクズなんかもしらんってことや」

「どこが逆になっとるんじゃ。通常通りやんけ」

「じゃあもう通常通りのクズで生きるしかないなあ」

「そもそも宝くじ当てへんことにはなんも起こらんやろ」

「そやねんなあ。どれが当たりクジなんかわかったらええんにな」

「そんなもんわかっとったらみんな買うわ。なかなか当たらんから夢なんやろ」

「夢とかしょっちゅうみとるはずなんにな。寝ても夢みてて、起きても夢みなあかんとか素敵やん」

「せやから幻レベルみたいなもんやろ」

「夢は信じていれば必ず叶うとか言っとるのは目標と夢ごっちゃにしとるだけやしな。そもそも信じるどうのこうのやなくて、自分で掴みにいけよってことや」

「どっかから苦情きそう」

「せやからワシは夢掴みにいくで。果てなき道をいくドリームキャッチャーや」

「ほんまダサいネーミング」

「おっぱいに夢つまってると思わへん?」

「今の流れ全部台無しやな」

「何をするにしても行動をせなあかんからな。早速、宝くじ買いに行かなあかんわ」

「買ってへんのかい。散々話ししとって」

「さっき思いついたんやもん。しょうがないやん」

「よう、そんなしょうもない思いつきで夢ふくらんだと思うわ」

「期待で胸が膨らむねん」

「なんやそれ」

「おっぱいギャグ」

「ほんま、一回転生したほうがええやろ。少しは浄化されろ」

「少し浄化されたところであんま変わらへんって」

「お前の話やぞ」

「じゃあな、てっちゃん。国産とアメリカ産の牛肉だされて、どっちが国産でしょうって言われてわかるか?」

「難しそうやな。自信もって当てきる気がせんわ」

「というか正直、美味しかったらどっちでもええやろ?」

「そやなあ。うまかったらどっちでもええわ」

「牛丼食べたくなってきたな」

「マジでなんの話やねん」

「牛丼食べいくついでに宝くじ買いに行こか」

「主目的変わってるがな」

「あ、ちょっとまって。また凄いアイデアでたわ」

「お前の脳、死滅せんかな」

「宝くじ買う金あったら、牛丼グレードアップしまくれるやん」

「めっちゃ現実に落とされてきたな。夢どこいったん」

「今、心の大半を占めてるのが牛丼やねん。プリーズテルミー牛丼」

「どんだけ食いたいん」

「危ないとこやったわあ。宝くじ買わんかったらどんだけ牛丼食べれるんよ」

「何回食う気なんや」

「そら、心のままに貪るよ」

「牛丼に心奪われすぎやろ」

「ワンナイトラブを毎晩繰り返したるわ。ワンナイトラブ牛丼や」

「全然ワンナイトちゃう」

「こうやって急激に情熱は失われていくんやね」

「凄いアイデアとか言うとったやつどこいったん」

「あの頃はまだ若かってん」

「5分も経ってへんけど」

「いつまでも過去をほじくり返しとったらあかんで」

「その清々しさはどこからでてくんねん」

「でもな、てっちゃん、よう考えてや。宝くじ当てて働かんで遊びまくるとか、アホやろ」

「当たらんとわからんなあ。実感もなにもないしな」

「ちゃうやん。働いてこそお金のありがたみがわかるもんやん」

「でもお前働いてへんやんけ」

「……は?…え?……マジやん。俺、働いてへん」

「説得力もゼロや」

「宝くじ当ててないんに……俺、働いてへん」

「今気づいたんかハゲ」

「夢かなっとるやん」

「働けや」

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