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Menstruation love

作者: 恋住花乃

今回は読んで頂きありがとうございます。死ぬかも知れないというシリアスな場面×半分冗談な噂、その化学変化をお楽しみ下さい。

「ふざけんなよ!俺が癌だって言うのか?」医者の前でその男、飯田潤は苛立ちを隠せずにいた。今までも何回か調子が悪かったが、寝れば治ると後回しにしていたのだった。そして彼に肝臓がんが見つかったのだった。


「美香、俺死ぬのかな?御免な。俺、お前のこと大切にするって言ったのに。こうなっちゃって。」

彼が癌を発見した時、末期に近い状態だった。『医者なんかに通うなんて、弱い奴のする事だ。俺は大丈夫、医者なんかに通わなくても生きていける。』そう思っていた。


「何よ。潤。もう二人で暮らせないの?冗談じゃない!私、輸血でも何でもするから。潤が居ない世界なんて有り得ない。」

美香はそう言ってくれるけど、死への恐怖が普段心にも無いことを口走らせる。


「そう言ってまた他の男と付き合うんだろ?分かってんだよ。俺がいなくなったら、忘れたように、まるで俺がいなかったかのように他の男と付き合うんだろ?なぁ!」


分かってる。こんな事言っちゃ。美香を傷つけるだけだと。潔く死出の道を歩むことが出来ないのは、日本男児として有るまじき姿だと思うが、やはり死は怖い。


「残された時間、考えたくもねぇ。俺はこの世に何を残すために生まれてきたんだ。時限爆弾が爆発する前に、俺が出来る事は一体…」

お世辞にもみんなの為に何かをしてきたという人生では無かった。近所の友人とバイクを飛ばしたり、バンド結成して音楽を奏でたり、思う存分やりたい事をやった。


日記を記す。癌だと聞いてから食欲が無かったのはそのせいだったんだと理解した。もっと早く医者に行けば、こんなに美香を悲しませることにはならなかったと心から思う。


日記を記して、心を落ち着かせる。分かってんだよ。でも死が恐ろしくて、夜も眠れない。

心にも無いことを口に出してしまう。

段々、体力が無くなってゆく、力が入らなくなった。

ガンの進行を食い止める薬や、癌を小さくさせる薬を飲む。


幻覚を見たり、幻聴が聞こえたりする。たまに医療カウンセラーの元に行って、悩みを聞いてもらったりする。

これ以上、苦しくなったら人間じゃなくなるんじゃないか。そう思う。

そんな時だった。美香はいつも来てくれていたが、甘いチョコレートを持ってくるようになったのは。


多分、甘い物を摂れば、少しは安らぐと思ったのだろう。

彼女はいつも手作りチョコレートを持ってきてくれた。

暇がないのに、よくチョコレートを作ってきたものだ。

でも、それだけじゃなくて美香の作ってくれたチョコレートを食べると、自然と体調が良くなっていた。


手術前のバレンタインデー、いつものように美香はチョコレートをくれた。死ぬかも知れないという恐怖もそのチョコレートで安らいだ。


その翌日、俺は大手術を受けて、無事に良くなった。

無事に退院する事が出来た。美香は退院する日、泣きながら僕に言った。

「潤。ごめん、今まで私、生理の血をチョコレートに入れて食べさせてたの。本当にごめんなさい。」

それを聞いて少し唖然としたけど、調べてみると人間由来の生薬で、生理の血は有ったのだ。女性の疲労を回復させる薬だったようだが、身体に効いた。

野蛮な行為だがそれも治癒の一助となったのだろう。


いかがでしたでしょうか。作者が最近知って驚いたことです。生理の血が生薬だという事は。嘘だと思う事も調べたら意外な側面を持っているかも知れません。そういったものを大切にして進んで行きましょう。

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