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夕景  作者: うぃる
2/3

思い


「あーあー、やっぱカラオケ行こーかなー」

「もーさっきからそればっかじゃん」


沙織はカラオケだのケーキでも食べに行こうだのさっきからうるさい。


「結衣はいいよね、頭いっからさー」

「私だって必死に勉強してるんだよ」

私は沙織に一喝いれた。


沙織は「じゃーさ、今日は勉強会にしない?喫茶店で。数学教えてよ。」

「あーそれならいいかもねー」

私は勉強するなら一緒にいてもいいかと思った。


私はそれならと思い「ごめん一旦学校戻って数学の自分用のノート持ってくるね。それあればわかりやすく教えてあげられると思う。悪いけど先行ってて」


「オーケーオーケー、了解です。じゃーいつもの喫茶店で」


そして私は学校に戻った。

学校を出たばっかりなのでそんなに時間はかからないだろう。


教室に戻りノートを取り出し、そして窓の外を見た。

気づいていたら見ていた。近くにある高校を。


あの高校には彼がいる。


その思いがこみ上げてくる。


しかし、だからなんだと言わんばかりに目をそらし教室を出ていった。


あの夏の日、私は彼を久しぶりに見た。


すれ違っただけで何も会話はしなかった。


しとけばよかったと後悔しているし、しなくてよかったとも思っている。


中学時代を思い出したくないからだ。


でも彼に話さなきゃ。


そんな思いが心の中で渦巻いている。


今は秋だから、あれから数か月会ってないことになるのか。

また、会えればいいのかな?

わからないや。

また、心がざわつく。


それよりも早く沙織の所に行かなきゃ。

足早に私は学校を出た。


夕日が眩しい。

でもこの時間は好きだし、夕日はなんだか心が落ち着く。


そして唐突にその時はやってきた。


夕日か急いでいたせいなのか誰かとすれ違った瞬間に心が張り裂けそうになった。


彼と今すれ違ったのだ。


すれ違いそうになったとき一瞬で彼だとわかった。


そんなに私は彼のことを意識していたのかと改めてわかった。


その瞬間私の体は勝手に振り向き彼の名を呼んだ。


そして、彼も名を呼んでくれた。


「はい。犬塚結衣さんですか?」


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