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LIVE.31 行きはよいよいアドベンチャー

 

「ティルナノーグ、ですか。

 本当にあるんだな。

 地球人を守っている反連邦軍が」


 戒人は、異人の襲撃があれば、何処からともなく現れる、謎の軍隊がいると聞いた事があった。

 地球人の唯一の光だと。


「光栄だ。話には聞いていたんだ」


「十年戦争の頃は、ただの反連邦派のゴロツキの集まりだったがな。

 好き放題できて楽しかったぞ」


「藍統はすごいのよ!戒人!」

 戒人の後ろから魅子がふんぞり返って言う。

「若気の至りという奴だ。

 あまり父親との思い出はないのか?」

「むむ、あまり時間を一緒に過ごせていかなったからな。人並み以下だろう、」

「そうか」

 戒人が顔を不意に上げた時、複雑そうに微笑む藍統と目が合う。

 藍統は色素の薄い銀に近い瞳の色をしている。その瞳は、今日も穏やかだ。


 何故か安心する空気を感じるので、戒人は藍統と、一緒にいるのが好ましいものだなと思う。


 戒人は、「あなたは、霊人に似た雰囲気がある」と言った。


 ぴちゃん、ぴちゃん、たぱん



 足場がだんだんと不安定になってきた。

 ぴちゃりと藍統の革靴が鳴る。


「早い話が、『次元の扉』の封鎖の効力が、そろそろ切れちまいそうでな。

 十年以上は保つだろうと言われていたが、異界からの攻撃も受けていて、時空のモリビトの力では支え切れなくなっている。


 このままでは、負荷が過多になり、『次元の扉』が崩壊する危険が出て来た。

 それより前に、異人をこの地球から殲滅させ、もう一度『次元の扉』を開放し、この世界の均衡を正す必要がある。ーーよって」


「僕が今回、『神剣 神楽』を継承する事になったと」


「そうだ」

 よくできた、と言う調子で、藍統はパンパンと手を叩いた。革手袋はいい音を出す。


「加えて、抑えておくべきは、『次元の扉』は異次元への扉だという事だな」


 藍統は人差し指をおったてる。


「む?」

 戒人はピンと来ていないようだ。


「異次元、というのは、この世界以外全ての世界をさす」

「むむ?」

 戒人は、意味をはかりかねて首を傾げた。


「異次元の異人たちが住む世界も異次元だが、死後の世界もまた異次元の中にある」


「あ︎」


 今までずっと黙っていた魅子が声をあげた。手にビーフジャーキーを持っている。戒人は、彼女がやけに静かだった理由に合点がいく。

 口が肉臭い。美人が台無しだ。

 ことごとく残念だ。だが、戒人は特に気にしなかった。


「はい、肉食女子」


 そんな魅子の様子を、藍統も普通に受け流す。自由過ぎる。


「死んだ人間はどこにいくの?」

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