DAY+ 枝編 黙示録の四騎士 白き馬
アダマスが去った後の世界の話です。
時たま外伝として投稿します。
北アフリカ
礫と砂で覆われた乾いた大地、そこに僅かに造られた粗末なでか細い道、その道から自然現象では無い砂煙が道に沿って巻き上げられていた。
いつ砂の津波に呑まれるか分からないその道を複数の車両で構成されたキャラバンが進んでいた。
遠くから観れば日常の当たり前の光景だが、近くて観た者は遭遇した事を後悔して隠れ見つからない事を神に祈るであろう。
そのキャラバンは、重機関銃を備えたハンヴィーを先頭に無反動戦車砲を装備した装輪戦車にミサイルを備えた装甲車 そして兵士を満載したトラックと続く。
男達が率いるその車列は凶悪な武器の見本市の様な様相を呈していた。
彼等は近くの街を支配する宗教の原理主義者達である。
21世紀初頭、彼等の前身となる組織が国家を名乗り創られたが国際社会はこれを認めず、結局は世界から孤立し四分五裂の末、瓦解してしまったが。
各地にその思想が伝わり、命脈を保っていた。
そして今、かつて彼等を弾圧していた大国は力を失い、代わりに顧客を選ばない大国が供給してくれる大量の武器を手に勢力を急拡大していた。
最近、彼等を締め付けていた圧力が急に減じたのを感じ、彼等の州を統治する州都を支配下に置くため進撃を開始したのである。
かつて無い高揚感に、彼等の戦意は最高潮に達しようとしていた。
そして彼等の目の前に、彼等の知識や地図に無い丘が現れたのである。
エンシェント・ドラゴン 地竜 フェブオニール
現在、昼寝中。
原理主義者達が信じる宗教観によれば竜は悪魔と同列で倒すべき神の敵である、そして彼等の手には彼等の基準で強力な武器が握られていた。
そして当然の帰結として、止せばいいのにその武器が本来の目的から外れるが存分に振るわれたのである。
唸る機関銃に火を噴く戦車砲。ミサイルの爆炎が竜を包み、勝利の歓声があがる。
フェブオニール、彼は決して気性の荒い竜では無いが、人間だってハエが纏わり付けば手で掃うし、癇に障れば叩き潰すものである。
それは竜とて例外では無い、それが実害がゼロだとしても。
そして、尻尾の一振り。
全長約150mの巨体から放たれる古竜のティールスイング、しかも不機嫌全開の一撃。
それを喰らった者達は、その大半が彼等の天国と異教徒の地獄に昇るか堕ちるかしたのである。
僅かに生き残った者達は、ほうほうのていで逃げ出し彼等が拠点にしている街に逃げ込むのである。
それから数日、彼等の街の頭上にフェブオニールが飛来する、彼にして見たら散歩の途中でチョッと寄り道をしただけだが。
再び、止せばいいのに彼等基準の強力な武器が猛威を振るったのである。
秘蔵していた戦闘機も撃墜できる対空ミサイルが火を噴き、対空機関銃が唸る、ロケットが雨あられと光のシャワーの様に打ち上げられたのである。
大国でも手を焼く彼等の厄介な処は、追い詰められたら非戦闘員を巻き込んでの市街戦を厭わないところである。
もし、大国が市民を巻き込んで犠牲者を出したら、それを盾に世界各国の人道主義者にその非人道的な振る舞いを宣伝するのである。
彼等にしてみたら市街地に籠っての徹底抗戦は何時もの戦術である、しかも地下道を使用してのゲリラ戦に地下室からの兵站と完璧であった。
人間を相手にするのであれば・・・・。
その日、近隣の街から彼等が拠点とする街の方角から、図太い光の柱が天に立ち上がるのが目撃された。
その日より三日三晩、豪雨と暴風がその地方に吹き荒れ気象状態をかき回し一変させた。
嵐の後、近隣の住民が恐る恐る連絡の途絶えたその街の様子を見に行ったところ。
街の場所には町が無く、半径10kmにも及ぶ円形の湖が形成されていた。
湖底は高熱によって完全にガラス化しており、後の専門家による調査でそのガラス化のあまりの分厚さに専門家達は驚愕を隠せなかったと言う。
この時期、北アフリカの砂漠地帯で似た様な事例が多数報告されている。
後の影響で調査は遅々として進まなかったが、確認されているモノでは半径100kmにも及ぶ巨大な湖も存在していた。
これら古竜達によって形成された水たまりの影響で砂漠地帯の気象は一変し、数十年後、豊かな実りを民にもたらす事となった。
竜に人道は・・・・、無意味ですね。
短いですがDAY-05プロローグを連続で投稿します。




