DAY-04 クラ―ケン
連続投稿!
今日は此処まで・・・。
日本国 九州 吹上浜
「流石に・・・、障害物の設置までは間に合わなかったな・・・」
砲兵部隊の部隊長は簡易陣地から、沖合に展開する艦隊を双眼鏡で眺めながら誰に聞かせるつもりも無い独り言を呟いた。
「対戦車地雷と対人障害システムを設置できただけ運が良いかと」
直ぐ傍から返事があった、古参の曹長である。
隊長はほんの少し沖合から視線を外し、相手が誰か確認してから再び沖合を観る。
曹長も手空きの双眼鏡を手に持ち、同じ様に沖を観る。
「障害より陣地構成の方が重要です。 直撃を受けてはシャレではすみませんから」
「事前砲撃は有ると思うか?」
「セオリー通りなら・・・。 艦砲射撃は無理でもロケット弾の連打は有り得るでしょう。 物量の中国ですからね」
「航空攻撃の方は?」
「大半は北に行っています、ECM下で状勢はハッキリしませんがこちらが有利に展開している様です。 残った機体と攻撃ヘリで制空権は取れます航空支援の期待はできますが・・・、艦隊への攻撃は無理でしょう、戦力差が有りすぎます」
「そうか・・・、部隊配置が間に合っただけでも良しとするべきだな」
「ですね・・・」
南九州に駐留していた陸上自衛隊は既に集結を終えていた。
「それより気になる報告が一つ・・・」
そう言えば曹長は別な作業の為、通信基地に行っていた事を思い出した。
「気になる?」
「はい、沖合に沈められたハイドロフォンが奇妙な音を多数拾いました」
「奇妙な音? 敵潜か?」
隊長の表情に緊張が走る、今もっとも警戒すべきは敵潜水艦による核攻撃である。
上陸前の事前核攻撃など前代未聞だが、放射能汚染の事を除けば最も効果的な破壊をする事が出来る。
何より、敵軍の一般兵には放射能汚染の事を過小説明しかしていない可能性が高かった。
核汚染を恐れない兵士、これ程厄介なモノはない。
「関係は有ると思います」
「と言うと?」
「圧壊音と意味の無い中国語らしき言葉、それとイルカ又は鯨の様な音です」
「? 海自の成果か?」
「いえ、周辺海域に我が軍の潜水艦はいませんし。 鯨にしては大きすぎるとの事です、担当者の説明は良く理解出来ませんでしたが反響音から推測するに100mは超えているそうです」
「・・・わけがわからんな」
その時、沖合から多数の水柱があがり、ほぼ同時に轟音と発射煙が上空に吹き上がる。
『敵艦隊! ロケット攻撃を開始! 繰り返す・・・・
スピーカーから観測員の怒鳴り声が辺りに響く。
辺りが一斉に騒がしくなり、兵士達が走り出す。
沖合から複数の水煙が急速に接近してきた。
エア・クッション型揚陸艇、戦車を乗せた強襲揚陸を目的としたホーバークラフトである。
「全員! 配置に着け! 直ぐに来るぞ!」
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浮上浜の緊張感とは逆に沖合の艦隊は大混乱であった。
海中から同伴していた潜水艦隊からの通信がほぼ同時に行き成り途絶えソナーは複数の圧壊音を拾った、駆逐艦が危険も顧みずアクティブソナーを乱射して走査した結果。
海中に200m超クラスの二〇〇を超える反応を感知したのだ。
駆逐艦は反射的に水中攻撃、それを攻撃合図と勘違いした士官が照準を碌に付けずにロケット弾を発射、それを見た担当官が次々とロケット弾を発射し、エア・クッション型揚陸艇がその光景を見て浜に向けて急発進したのである。
そして、海中から彼らが姿を現した。
エンシェント・ドラゴン・ロードの水系種、彼らは海の中を主な縄張りとしているだけである為、水系とは付いてはいるが彼らも平気で空も飛ぶし、陸上を歩き回る。
水中と言う環境の為、重力が軽減されドラゴン種の中では比較的大柄の身体を持つにいたる。
それはさておき
艦隊のど真ん中で突如、激戦が開始された。
上陸用舟艇に乗っていた兵士はパニック状態となり、アサルトライフルを連射するだけでは無く、戦車砲を真横に向けて発射し舟艇がひっくり返り勝手に沈没する艦が続出した。
駆逐艦からは速射砲とCIWSにミサイルとありとあらゆる攻撃が狂った様に打ちまくられるが、彼等には傷一つ付けられないでいる。
逆に流れ弾が味方の艦艇に当たり勝手に爆発炎上する始末である、そして駆逐艦は尻尾の一撃で真っ二つに圧し折られ沈んでいく。
攻撃ヘリが対戦車ミサイルや機銃弾を上空から打ち込むが彼等は避け様ともしない、小五月蠅げに短いブレスの狙い撃ち落としていく。
「ええい! 何をやっている! さっさとあのトカゲどもを始末しろ!」
艦隊の後方に位置する強襲揚陸艦のブリッジで指揮官席にふんぞり返る提督は、目の前で無様に右往左往する味方の艦艇を観て怒鳴り散らしていた。
「とっとと! トカゲを始末し! 艦隊を整えろ! 航空部隊に援護を要請しろ! トカゲは空を飛ぶ事は出来ん! さっさと動けこの無能共が!」
(航空部隊め! 小日本の戦闘機と何時まで遊んでいるつもりだ!)
先ほどまで彼は幸運の絶頂にあった。
日本への侵攻と占領、これ程の武勲は近年では例が無く軍のトップに立つ事すら難しくは無かった。
あわよくば国のトップ、総書記の椅子でさえ夢では無かったのだ。
それを、無能な部下共のせいで全てが台無しになる可能性があった。
(クソ! このままでは・・・、下手すると降格。 最悪、政治犯として収容所に送られることになりかねない!)
提督は、その汚れっ来た目を忙しく左右にやる。
(誰か、他に・・・・)
責任を逃れるために他の生贄を早急に定めなければならなかった。
その時、突き上げるような衝撃が艦を襲った。
提督は味方の艦艇が操艦を誤り接触した思った。
「何事だ! 碌に操船も満足に出来んのか!」
(全ての責任は! こいつ等、碌に使えない無能の部下のせいだ!)
血走った目で周囲を見回し、彼の中で既にこの場に居る全ての部下の処分は決まっていた。
「ちっ! 違います!」
「何?! 報告は確りしろ!」
「・・・・・龍」
ブリッジに暗い影が落ちているのに彼は気が付いていなかった。
「トカゲが如何したと言うのだ!」
彼はここで初めて彼を除くブリッジの要員全員が外の一点を観ている事に気が付いた。
「?」
ブリッジの外には、翼を広げ、全身から水を滴らせた巨大なドラゴンの姿であった。
その咢は既に開かれ光が収束されていた。
(何故? このトカゲは空を飛んでいるんだ?)
提督の思考は最後の時まで正常な判断を下す事は無かった。
《ヴォッーーン!!!!》
収束された超高熱のブレスが強襲揚陸艦の上部構造を正面から斜めに薙ぎ払い、後方の海水面を瞬時に沸騰させ大規模な水蒸気爆発を引き起こした。
周囲の海域は瞬間的に人工の霧が立ちこめたが、即座に強烈な烈風が吹き荒れ霧を吹き飛ばした。
そして強襲揚陸艦の僚艦が見たのは。
かつて船であったと思われる上部構造が消失した、焼け爛れた鉄の塊と同じ場所に滞空する巨大なドラゴンの姿であった。
やがてドラゴンは翼を折り畳み、盛大な水飛沫をあげ海中に姿を消した。
実際には十数秒にも満たない時間であったが、その光景を見ていた全ての人々にとっては、短くそして永遠にも思える時間が過ぎていった。
ドラゴンが海中に潜った際の余波で、かつて船だった鉄屑が海に沈んでいった。
生存者は"0"。
そして派遣艦隊中枢の直営艦隊は指揮権の移譲や再編をする事無く、約10分後にその姿を消す事になる。
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「なんだ? ありゃ? ゾンビの集団か?」
砲兵部隊の部隊長が浜に上がって来た集団を見るなり率直な感想を述べた。
「いえ、取り敢えず敵軍?で間違いない・・・と思いますが?」
答えを返した副隊長も、自分の発言に自信が無い様で、所々疑問形であった。
吹上浜に上陸した敵軍は少数だが戦車を有し、統制が取れている様に観えるが、本当に少数で大半は半死半生で何とか上陸する事ができ疲れ切り、ただ歩くだけのゾンビの様な集団であった。
それでも、一部の統制の取れた兵士に怒鳴られ隊列を整えだしていた、もっとも役に立つとは到底思えなかったが。
「本隊は何と?」
「砲兵の攻撃と共に総攻撃を開始するそうだ」
「・・やっちゃいますか?」
「やってしまおう!」
「しかし、良心が痛みます」
「そう言った敵もある意味、珍しいな」
本土に上陸して攻めて来る敵軍を攻撃しないのは人道的とは言わない、単なるマヌケである。
そして自衛隊は人道的でもマヌケでも無かった。
一部分とはいえ攻撃を仕掛けてくる部隊が存在するのである。
上空からは榴弾砲の洗礼を皮切りに、正面から銃弾の雨が降り注ぎ、対戦車ミサイルの束が数少ない戦車をスクラップに変えていく。
最初の一撃で即座に勝負は決した。
敵軍は瓦解、後は戦車と歩兵、そして戦闘ヘリによる掃討戦である。
もっとも日暮れまで次々と浜に上がって来るゾンビの様な集団は途切れる事無く続き、大量の捕虜に頭を抱える事になるのである。
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日本国 九州 福岡市沖
強襲を目的とした分遣艦隊の後方に位置している四隻の航空母艦、その最後尾に位置する空母[鄭和]が、突如、中心線で縦に真っ二つに切り裂かれ轟沈した。
身長3m弱の和服に身を包んだ熊の獣人が、2m程の日本刀を肩に担ぎながら、海面をゆっくりと歩き、次の獲物を物色していた。
「さてさて。 主が言っていた、呂布とか言う強者を生んだ国との事だが・・・。 強者は居るので有ろうか?」
チヒロのSNPCの獣人"影丸"参戦!
前門の陸竜、後門の熊に。
どっちに進んでも地獄です(笑)




