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DAY-04 建速須佐之男命

大変遅くなりました・・・。


この十日あまりは散々でした。

土日の休みは潰れるは、ネットにアクセスできないはで(ぐったり)


更新を再開します。


「皇国の興廃此の一戦に在り」なんてね(笑)


 雲一つかかる事の無い成層圏を30機程の戦闘機が集合空域に向かって轟音を撒き散らし飛行していた。

 天を駆ける戦闘機のコクピットではパイロットのヘルメットに映し出された情報が視界を埋め尽くされようとしていた。

「・・・・凄い物だな」

 遥か遠くからでもその威容はヘルメットに内蔵されたヘッドマウントディスプレイ(HMD)に現実と重なれた三次元レーダーに映し出されていた、戦闘機に搭載されている戦術コンピューターは既に機種の識別を放棄しその実数だけをパイロットに提示し続けていた。

『蒼空03如何した? 何かトラブルか?』

 彼らの後方から速度差が有りすぎて一緒に飛行出来ず追随していた航空管制機が彼の独り言を拾い話しかけてくる。

「空鯨リーダー こちら蒼空03、異常なし。 これからあそこに突っ込むと思うとな・・・」

『怖気づいたか?』

「・・・いや。 大暴れできそうだ!」

『接敵予定までまだ時間が有る。 その闘志は敵機にとっておけ』

「蒼空03、了解」



「接敵予定までまだ時間が有る。 その闘志は敵機にとっておけ」

『蒼空03、了解』

 航空管制機のオペレーターは通信を終えマイクのスイッチをオフにする、そしてオペレーターはレーダーディスプレイを見る。

 味方の総数は合計しても100機前後、それに比べて敵機の総数は・・・。

 確認できるだけで既に300機を超えていた。

 そして、まだ増える可能性が高かった。

「幸運を祈っているぞ」

 パイロットには決して言わない祈りを呟くのであった。



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 数時間前 航空自衛隊 ブリーフィングルーム


 正面に据えられた大型モニターの前で司令官が作戦の概要をパイロット達に説明していた。

 視線を外す者は一人としていなかった。

「今から10分前ロシアの極東戦略基地から輸送機と護衛戦闘機の第一陣が離陸した」

 モニターに日本列島を中心とした極東の地図が映し出され、列島の周辺に次々とマーカーが置かれて行く。

「イージス艦を主力とする艦隊は太平洋から接近中の米海軍の艦隊の迎撃の為、太平洋側から動く事が出来ない」

「関東地方の部隊は不明通信量の増大に伴い、警戒態勢を強化している」 

「西日本の部隊は中国の揚陸艦隊に備え動きを封じられている」

「今現在投入できる戦力は北海道・東北配備の諸君らの100機に満たない」

 司令官は此処で一旦言葉を切り、室内のパイロット達を見回す、誰一人として怖気づいている者は居ない。

 彼はその光景に満足し獰猛な笑みを浮かべながら部下達を焚き付ける。

「敵機の数は膨大だが全員がエースを名乗るには数が少し足りないぞ」

 "エースの称号" 5機以上の戦闘機を撃墜した戦闘機パイロットに与えられる栄誉。

「早い者勝ちだ! シベリアの熊共を一機たりとも国土に降ろすな!」

「「「了解!!」」」



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 日本海上空 


 それは空中に飛行機雲で描かれた人工の嵐。


 ミサイルが空中を乱れ飛び。

 機銃弾が雨の様に空域を満たす。


 ドッグファイト。


 戦闘機同士が螺旋を描き、爆炎と轟音、そして黒煙。


 その空中戦は当初の予想と違い一方的な展開を見せていた。


「クソ! 何なんだ! これは!」

 ロシアの戦闘機のパイロットはあまりの展開に思考が付いて行かず思わず悪態をついた。


 最初に航空自衛隊の戦闘機と接敵した時、その数の少なさに誰もが余裕を持っていた。

 そいて遠距離ミサイルの一斉攻撃。

 誰もがこの遠距離からのミサイル攻撃で鎧袖一触で蹴散らせると考えていたのだ。

 敵機からもミサイルが発射されたが、数が違いすぎて笑ってしまうくらいであった。

 輸送機を改装した指揮管制機に同乗していた指揮官に至っては、既に祝杯を開け様としていたくらいである。


 しかし結果は、両陣営の中間で爆炎の帯が花開き自衛隊のミサイルが一切減じる事無く爆炎を突き抜け彼らの編隊に殺到したのである。

 この初戦で指揮管制機は十発のミサイルが直撃し、この空域から消失した。


「フザケルナ!」

 彼の機はドックファイトの末、彼の機は"機銃弾一発"をエンジンブロックに喰らい、ペイルアウト(緊急脱出)する破目になった。


 彼は降下中、初めて辺りを見回す余裕が出来た。

 そこには一方的な展開が繰り広げられていた。

 空挺部隊を満載した輸送機はエンジンから火を噴き、海上にも関わらず兵士達が脱出していた、白い花が次々と空中に咲いていた。

 味方の戦闘機は一方的に追い回され逃げるのに必死である、偶にバックを捕りミサイルを発射しても明後日の方向に飛んで行き当たらず、中には味方に直撃する始末である。

 味方は指揮官機を真っ先に潰された為、本来なら既に撤退をしている損害状況にも関わらず一方的な消耗戦を繰り広げていた。

「何なんだこれは?」

 困惑の中、彼はその敵機を発見した。


 その自衛隊機は他の機体とは一線を外れた動きをしていた。

 音速で直角に曲がるは、

 後ろ向きに飛ぶは、

 その場で回転する。

 空中分解確実の機動を平然としているのである。

 その機体を良く観察すると機体上部に一人の女性が立っているのを確認する事が出来た。


「エルフ?」




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 日本海海上 数十分前


 成層圏のはるか上空で一人の女性が眼下の光景を見下ろしていた。

 流れる様な金髪の間から飛び出ている尖った耳が彼女が人間では無くエルフである事を示していた。

 その肩には翼を持った白猫が同じ様に眼下を見下ろしていた。


 カズマの従者イサベラとタマである。


 眼下ではそれぞれの編隊からミサイルの束が相手に向かって放たれていた。

「さて・・・、そろそろ始めるとしましょう」

〈ハイです〉

 彼女達の任務は"迎撃"、反撃は主達の役目である。


 タマが意識の糸を双方のミサイルに伸ばす、フィールド索敵と情報管制の能力に特化した彼女(注・タマはメスです)にとって高が音速程度しか出ないミサイルなど鈍間な芋虫と変わらないのである。

【宙域管制】

 【構造解析】

  【多重制御】


 刹那の間に眼下を飛んでいる飛翔体全てを管制下に置いた、碌に防御や対抗措置も無いミサイルや航空機など彼女の能力を持ってしたら児戯にも等しい行為である。(注・飛んでいるミサイルのハッキングなんて誰が想像する?)

〈全部、掌握したよ。 落としちゃう?〉

 全部、海に落とせばそれで終わりである。

「あんまり派手な事はしないのですよ」(?)

 イサベラはタマの頭を軽く撫でながら諭す。

「味方が有利に、敵に不利になる様にしましょ」

〈了解。 敵のミサイルは自爆、味方のは誘導制御するね〉

「ええ、双方が接敵したら直接介入しますよ」

〈ハイです!〉

 眼下で爆炎が広がる。




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 日本海海上


「バカ野郎! 戦闘機はサーフボードじゃねぇ! 武器が使えないだろ! 敵機に機首を向けろ! 機首を!」

 蒼空03は突如、機体の制御を持ってかれた。

 行き成り身体に掛かっていた"G"が消失すれば、いくらなんでも変だと感じない方がどうかしている。

 そしてコントロール不能状態。

 彼は空中戦の最中では不可能な後ろを振り返り、機体上部の一人の女性が立っているの確認した。

 周囲の状況を見ていなければ撃墜されて死んだ後も空中戦の夢を見ていると思う所である。

 それから彼の機体は、音速で直角に曲がるは、後ろ向きに飛ぶは、音速超過で回転するはで、コントロールが滅茶苦茶であった。

 慣性制御されているのか急Gで潰される事は無いが、目が回るものは回るのである。

 それ以前に彼が攻撃できない、ロックする前に前後がひっくり返ってしまったら何もできない。

 文句の一つも出ようと言うものである。


 彼の怒鳴り声と共に音速超過で飛行していた機体が機体上部を前に向けたまま、それまでの機動をピタリと止め、数秒間推力方向を無視して飛び続け、今度は少しましな機動をし始めた。

「やれば出来るじゃないか! やれば!」

 もっとも撃ったミサイルは数機の敵機を貫くは、機銃弾は幾何学的な機動をし一発でエンジンブロックを吹き飛ばすなどふざけた威力を見せていた。



 イサベラは100枚の光板を周囲に展開させ周囲を薙ぎ払い、両足で足場(注・戦闘機)を制御していた。

 自衛隊の損害0

 ロシア軍の損害7割

 既に双方のスコアボードは滅茶苦茶である。


 タマは自衛隊の攻撃を制御しミサイルから機銃弾まで誘導していた、正に誘導弾ならぬ変化球のオンパレード状態である。


「おっと」


 サーフボード(戦闘機)を直角に曲げる、波乗り状態である。



 数分後、空挺部隊と護衛戦闘機は一機残らず叩き落とされ、日本海にパラシュートと言う白い花を咲かせた。 




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 どうでもいいコールサイン蒼空03の後日談


「君に是非! 教官をして貰いたい! 先日の一戦のあの素晴らしい空戦の極意を将来の荒鷲達に伝授して貰いたい!」


「いやいやいやいや」(汗)




そろそろDAY-04の終わりです。


次の相手は中国強襲上陸部隊です。

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