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DAY-04 ティターニア

ラッキースケベの話かな?

 日本国 東京上空


 幾つものビルが立ち並ぶ東京の摩天楼の間をステルス垂直離着陸輸送機のガンシップタイプが縫うように飛んでいた。

 操縦しているパイロットは冷や汗をかきながら懸命に機体を制御してる。

 ビルの谷間をジェットの音を響かせながら黒い機体が駆け抜けて行く。

 時おり、機体の端で火花が起こり、ビルの外壁が砕け、ガラスが割れ、地上に人工の危険な雨を降らせていた。

 無理な飛行をしている為、時おり機体の端をビルに引っ掛けているのである。


 その様子はまるで映画やゲームのワンシーンの様でまるで現実感が無かった。

 パイロットは何も好き好んでこの様な曲芸飛行をしている訳では無い、彼らとてこの様な難易度の高い飛行などはしたくは無いのである。

 しかし、今の状況ではそれを無理にでもしなければならない理由があった。

 一つは、地上を行く味方の援護の為。

 無論、機体に乗せる事が出来ればそれに越した事は無いが、今、地上に着陸するのは非常に危険であった。

 兵士達を降ろすのに着陸の必要は無く、ホバーリング状態からラペリングロープを使い短時間で終わらせ直ぐ移動できたが。

 収容するにはまず着陸場所を地上の兵士達が確保し、着陸、収容、そして離陸と短いとは言えない時間を有してします、今現在ではその一か所に留まる時間が最も危険な瞬間であった。

 それ以前に彼らの機体には余剰の人員を乗せるスペースが非常に限られていた。

 そして、もう一つの理由は・・・。


  機体に操縦室ではオペレーターが悪態をついていた。

「クソ! また一機、落されたぞ!」

「今度は何番だ?」

 パイロットを支援する、コ・パイロットが視線を正面から外さずに言葉を返す。

「UCAV-01026だ!」

「制空権! 失ったか!」

 パイロットが言葉少なめに返事をする、悠長に喋っている暇が無いのである。

 また、少し機体が不自然に揺れ、コクピットに金属を引っ掻く嫌な音が響く。

「もう少し! 丁寧に飛べないか?」

 思わず舌を噛みそうになったオペレーターが難しい注文をする。

「無茶言うな! これ以上! 高度は上げられん!」

 高度を上げすぎるとレーダーに見つかり自衛隊の戦闘機と勝率ゼロのドッグファイトをする羽目になるし。

 ゆっくり飛べば、地上から対空火器のの連打を浴び、地面とキスする確率が跳ね上がる。

 しかも、地上の道路を爆走する味方の援護の為、先に行く事も出来ない。

 そして、地上との速度差が有りすぎる為、常に車列の上空に張り付く事も出来ないので、一直線に進む車列の上を蛇の様に蛇行しながら、時には後ろに下がる飛行をし続けなければならず、その結果がこの曲芸飛行であった。

 唯一の救いは、日本政府の手によって戒厳令が発令されている為、道路に車がほとんど無く、東京の道としては非常にすいていて、車は時速100kmで走る事が可能な点であろう。(注・それでも飛行機よりは遥かに遅い)


「少し! 振り回す!」

 パイロットのその言葉の意味を理解しているコ・パイロットとオペレーターは急激なGに備える、今日は何度もあった機動である。


 ジェット轟音と機体は空中でドリフト、機体正面に味方の車列の後方から追跡してきた自衛隊の車両を捉える。

 牽制攻撃、道路を穴だらけにする。

 自衛隊の車両は急制動をかけるが、道路の穴にタイヤをとられ横転する。

「・・・あの様子なら、よっぽど運が無い限り死んでは無いだろ」

 オペレーターがそう結論付ける。

「・・・だと! 良いがな」

 パイロットが簡単な返事をする。

 別に彼らは優しさからそんな事を言っているのではない、"戦死者より負傷者を量産しろ"と言う戦争の鉄則を彼らは実践しているのである。

 戦死者は収容してそれで終わりだが、負傷者は搬送する人員に治療をする人に、医療品に安静にする場所など多くの事を必要とする。

 長い目で見れば相手に対して多くの負担を強いる事が出来るのである。


「ん? !! UAVからの通信途絶!」

「なに!」

「完全に! 盲目になったか!」

 はるか上空から地上を監視するUAVは彼らにとって非常に役に立つ情報をリアルタイムで送ってくれる存在である。(注・衛星からの情報は色々な制約の為、リアルタイムの情報収集には向いていない)


《トッン!》


 彼らが対策と方針を考えているとき、軽い衝撃と共に機体が若干揺れ、キャノピーに影が差した。


「何だ?」

 その驚きの言葉と共に、反射的に正面のキャノピーに視線を向け。

 そして、全員の視線がキャノピーの直ぐ外の光景に釘付けとなった。

 そこには・・・。


 漆黒のゴスロリ服を身に纏い紫水晶の翼を羽ばたかせたブラウンヘアーをツインテールにした少女が嗤っていた。


「・・・堕天使」

 オペレーターが率直な感想を呟き。

「・・・・・・」

 コ・パイロットは言葉も無くその姿を見詰めて。

 そして唯一の既婚者であるパイロットが、少女のスカートの中をガン見して。(注・不可抗力である。 彼にそんな趣味は無い! たぶん?) 

 ぼそりと言ってはならない事を言ってしまった。



「オジサン・・・、紫の下着はまだ早いと思うんだけど?」

 少女の嗤いが凍り付き。

 操縦室に、えも言われぬ沈黙が支配した。


 そして・・・・。


《ドッカン!》


 衝撃と共に、機体が急加速。

 軽く、音速を突破し、ビルの壁面に激突した。

 少女、ミウがマジカル☆スティックVer.4.5で機体後部をちょっとド突いたのである。(注・ミラは母親の"独りにしないで"と泣いてお願いされた為、お留守番である)


 想像してみよう、200kmで飛行中に行き成り、音速で飛行して急制動を掛けられたら・・・。


 200km → 1200km+ → 0km この間、約1秒弱。


 彼らはミンチになってもおかしくなかったのだが・・・。

 それはアメリカ軍需メーカーが大真面目に仕事をしていた証拠である、墜落時の衝撃を緩和する装備が役に立ったのと。

 激突したのが階層だったのが幸いしたのである。

 もっとも、いずれも重傷で、捕虜、治療、病院、入院の一直線を描く事になってしまったが。


 そしてパイロットは入院中、娘の下着には干渉しない事を神様に誓ったのであった。


 


-------------------------------------------------------


《ドッカン!》


 彼らの直上を飛んでいたガンシップが轟音と共に突如消失し、近くのビルの壁面から派手に煙が噴き出した。

「なっ! 何だ?」

 高速道路の高架で車列の先頭を猛スピードで走るRVの助手席で軍曹が呆気にとられていた。

 その為、前方に一人の人間が自然体で立っているのを見逃してしまったのである。

 もっとも、気が付いていても彼らのやる事と、運命は変わらなかったであろうが。

「軍曹! 前方に人が!」

 運転する兵士が彼に指示を求める為、大声を張り上げる。 

「・・・ん? チッ!」

 上空に気を取られていた為、咄嗟の判断が圧倒的に遅れる、ハンドルを切るには遅すぎるし、ブレーキ踏むなど状況から論外である。

「構わん! 跳ね飛ばせ!」

「?! しかし!」

「いいから! 飛ばせ!」

 道路の真ん中に立つ人、女性との距離が急速に近づく。

 既に女性の顔から服装の細かい所まで観る事が出来た。

「メイド?」

 軍曹の呟きが妙にハッキリと車内に響く。

 車は更に速度を増し、もはや避けようの無い速度に達していた、もしここでハンドルを僅かにでも切れば車はコントロールを失い、後ろの車列を巻き込む大事故が確実であった。

 自分が跳ね飛ばされる危機に対していてもメイド、エリザベス・ブラッドストーンは冷静であった、流れる動作で片足を持ち上げ、道路に振り下ろす。

 地面に対しての踵落とし。

 傍から見ても全く意味の無い動作である、彼女が"アダマスのメイド"で無ければ。


《ズッ! ドーン!》


 轟音と共に、高速道路の高架橋の柱が砕ける。

 首都直下型の地震にも耐えられる様に設計され造られた柱が彼女の蹴りの衝撃に耐えられず、呆気なく砕け散ったのである。


「なっ! 何だとー!!」

 車内に軍曹の叫び声が響き渡る。

 行き成りの地面の消失、そして車は一直線に緩いV字型に変化した道路の底で待つ彼女の方に飛翔する。

「わあああああああ!」

 運転していた兵士は混乱のあまり空中では全く意味の無い、ハンドルを切り、ブレーキを踏んでいた。


 彼女は慌てる事無く、その場で前転、再び踵落としを車のボンネットに振り降ろし、RVを地面に叩きつけた。

 軍曹はその光景をスローモーションの様にゆっくりと知覚していた、そして彼は気を失う。


 全身に痛みが走り、彼は覚醒する。

「クソ!」

 我を失う事は無いが、身体が思うように動かない、エアバックは何故か作動していなかった。

 何とか首を動かし周囲を確認する。

 RVはスクラップ状態で運転していた兵士は当然の如く気絶中、後部座席の二人も気を失っていた。

 そこまで確認した時、急に影が彼を覆う。

 彼は慌てる事無く、溜息を付きながらゆっくりと影の方を見る。


 そこには車を、もとい高速道路の高架橋を叩き割った張本人が立っていた。

 エリザベス・ブラッドストーン アダマスの自動人形メイド。

 金髪縦ロールの髪型に、美人だがきつめの顔立ちに濃い緑色の眼、よく観ると目の中心は血の様に赤い。

「あら? 良く意識が有ったわね?」

 その容姿に相応しい、容赦のない素っ気ない言葉。

 軍曹は苦笑いを浮かべる、既に抵抗する気は失せていた、とっとともう一度眠りたかった。


 だが! 眼に有りっ丈の力を込めて彼女を睨み付ける。


(これだけは! これだけは! 言わなくては!)

 その思いだけが彼を突き動かす!


「なっ! 何ですの?」

 その眼力に押され、彼女は思わず身構える。


 まだよく動かない左手を力の限り持ち上げ、握り拳を造り親指を持ち上げる。


 渾身の"サムズアップ"!


 そして会心の笑みを浮かべ・・・。


「白! グッジョブ!」


 一瞬、キョトンとするエリザベス。


 そして、視線を自分の下半身に移す。


 両手でスカートを握りながら、次第に顔が上気し羞恥のあまり真っ赤に染まって行く。

 外見や言動と違い、意外と初心な性格の様である。


 目を閉じプルプルと震えている。


 何も言わずゆっくりと右足を後ろにスイング。


 そして・・・。


「こっ こっ この・・・・、変態が!!!」

 泣き叫びながらの豪快なミドルシュート!


 火花と煙をたてながら坂道となった高架を打ち出されるRV。

 高架の上の方では急制動の為、玉突き衝突を引き起こし、自衛隊に追いつかれ捕虜、もとい一緒に救助活動をしていた同僚が自衛隊員と共に空を飛ぶスクラップ自動車を見ていた。

 そして、余りの非現実的な光景を連続して体験し、少々麻痺した頭で彼らは同時に同じ結論に達した。


((・・・そうか! 自動車って飛べたんだ・・・))


 因みに彼女、エリザベス・ブラッドストーンは泣きながらシーズに帰還、ケーキを大量にやけ食い、同僚に慰められ復帰したのは2時間後であった。

(注・彼女たちは体型が変化する事はありません。 羨ましい事である)



 自動車で空中を飛ぶと言う偉業を成し遂げた彼らは、偶然にも近くを飛んでいたミウの直撃コースをとっていた為・・・・。


「邪魔」


 この一言で、叩き落とされスカイツリーの第一展望に弾かれ、今度は作動したエアバックのお蔭で一命を取りとめる。

 この時、スカイツリーは自衛隊によって摂取された状態で地上監視に使われており、軍曹たちは捕虜(中略)入院のコンボを喰らうのである。


 因みにどうでもいい話だが、軍曹は収容中「白は・・・。 やはり、白は良いものだ」と呟き、救命処置をしていた自衛隊員達を困惑させていたとかいないとか・・・。



-------------------------------------------------------


 日本国 東京某所


 暗い空間内でローブに身を包んだ6人の男女が六芒星の魔法陣頂点に立ち一心不乱に低い呪文を唱えていた。

 どれ程時間が過ぎたであろうか、突如6人の男女が燃え上がり悲鳴一つ上げる事無く燃え尽きてしまった。

 何人かの息を呑む気配が周囲に伝わる。

 それと同時に、魔法陣の中心が歪み、4m近い黒い球体が出現した。


 そして、黒い球体から壮年の男を先頭に多くの人が歩み出てきた。


 暗い空間内にいた人物たちの代表が進み出て男の前で臣下の礼をする。


「ようこそおいでくださいました。 ・・・・・宗主」


 


 

最後のシーンを入れるかどうか最後まで悩みました。


消したり、書き込んだりと・・・。

本来はDAY-05辺りに持ってくる予定でした。


次回は「DAY-04 スサノオ(仮)」

 ロシア空挺部隊&護衛戦闘機 VS 航空自衛隊 大空中戦!


 介入するアダマスは誰かな?


 

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