天城の滅界 殲滅
思いのほか早くできたので載せちゃいます。
ラスボスは残念系です。
VRMMO[ワールド]のエネミーは独自のAIによって制御されている。
つまり、エネミーの種類によっては、逃亡することは不可能なのである。
超巨大空中都市、そのラスト・ボスのフィールドに膨大な数のエネミーが接近していた。
アダマスの面々は都市の3分の1を瓦礫に変えてボスの間に突入したが、残り3分の2の都市部とエネミーは手付かずに残されていたのだ。
都市内に配置された中ボスや謎解きを全てすっ飛ばして、ボスの間で最終戦を開始した為、エネミーのAIが独自の判断でダンジョン攻略者の下に向かい始めたのだ。
カズマのSNPC「タマ」から全員に念話での緊急連絡がとんだ!
「突入経路から大量の未確認飛翔体を感知。 行動パターンからエネミーと推測される」
主戦場の後方宙域で、魔法弾や光線を片手に持った石製の大剣で捌きながら白金髪の美女が即座に反応する。
「私ニ! お任せくださイ!」
彼女の名はエレェリア(アリシア・T・サイン)19歳 留学生。
「アダマス」のギルド・メンバー。
身長は180cm、美術品を思わせる抜群のスタイル、ガラス細工の様な透き通った美貌、それでいて決して冷たい印象を与える事のない、人懐っこい猫を思わせる雰囲気を醸し出し美女。
純白のウェディングドレスに真珠の篭手と足鎧、そしてティアラを装備し、2m程の石剣で攻撃を弾く、いや、攻撃自体を掻き消していく。
「全力でいきまス!」
「やまとサン! むさしサン! 防御と周囲の清掃をお願いしまス!」
彼女は全力戦闘の為に、移動を止め、空中に静止、剣舞を始める。
『『リョウカイ。 ミストレス』』
エレェリアの人馬型機獣SNPC 名は「やまと」と「むさし」重盾・砲撃型 & 召喚士
機械で構成された全高5mの人馬が彼女の両脇で背中合わせで立ち止まり、全武装の展開を始める。
-変形解除-
-空間圧縮解除-
-全武装召喚-
-全装備合体完了-
-全装備接続確認-
-全力戦闘形態変身完了-
そこに出現したのは、全長250m、全高100m、全幅500mの巨大な横長の十字状の戦艦。
重積層の装甲と障壁、無数の魔道砲塔と機銃。
その装甲は、中心に留まる彼女を守護する為だけの盾。
その武装は、彼女の願いどおりに周辺を清掃する為だけの武装。
-殲滅範囲指定完了-
-全砲門砲撃開始-
その瞬間、エレェリアを中心にラスト・ボスのフィールドの後ろ半分と周辺が十数km単位で消滅した。
中心では、美しい女性が石剣を手に剣舞を舞う。
戦場の中央、エネミーや光線と光弾が乱れ飛ぶ激戦の只中で、後方で発生した光爆を見ながら、長大な棍棒を振り回す茶髪をツインテールにした少女が嗤う。
「アハッ! エレェ姉も全力だね!」
少女の名はミウ(藤代・美雨)14歳 中学生。
「アダマス」のギルド・メンバー。
身長は143cm程、14歳にしては発育が若干遅れている所為か、平均身長もかなり低い。 年齢より幼く観られるその容姿は、可愛らしい天使の様なと言うより、小悪魔的といった印象を周りに与える。
漆黒のゴスロリ服に紫水晶の魔機翼をはためかせながら、今まで振り回していたマジカル☆スティックVer.3.2(魔改造金棒)を後ろに放り投げ、代わりに飛んで来たマジカル★ハンマーVer.5.0(魔改造シールドマシン)を装備。
「さて! 私も全力だね! アッハッハハハ・・・」
振り回されるハンマーと共に、飛び散り、ひき潰され、砕け散るエネミーと瓦礫、響き渡る少女の哄笑。
ハンマーを投擲! 投擲上のエネミー殲滅!
近接する、小型エネミー。
ミウは無造作に敵を素手で引き裂く。
「アハッ! 脆い!」
「クッル・・・」
追従する様に鳴いたのは、自らを超音速の弾丸とし敵を貫く、小型の竜。
ミウのSNPCの竜 名はクッキー 高機動 & 魔術師。
体長1m弱の、クリーム色の羽毛に包まれた小竜 性別はオス
クッキーは慣性や速度を無視して、直線と鋭角の機動で標的を貫き、あっという間に敵を穴だらけにしていく。
時に大型エネミーの内部で止まり、全周囲魔法攻撃で内部から破壊、破裂させる。
「・・・・・」
ミウの背後で声無き哄笑で、応えたのが。
ミウの自分自身のSNPC 名はミラ(鏡) 重戦士 & 魔道賢者。
少女と違うのは武装だけの、同じ姿、同じ装備、同じ顔と表情の少女。
表情と感情だけを自身とダイレクトでリンクさせ、自身と同じ能力を持つ、自分自身・・・
異なる口が同時に動き、発せられる一つの音。
異なる顔から漏れでる、同じ表情。
同じ身体から生まれる、異なる残骸。
激戦中で、鏡写しの少女が同じ表情で一つの声で嗤う。
喧騒が遠くに聞こえる、一時の静寂の中。
エレェリアの剣舞が静かに終わる・・・
彼女の周囲には、手にしている剣と同じ石剣が百本浮び時を待っている。
ただ、静かに彼女は命じる。
「散」
音も無く、百本の石剣が彼女の指定した座標に散らばり。
「開」
周囲の石剣、その一つ一つから魔方陣が幾重にも展開され。
積層。
立体。
回転。
干渉。
彼女を中心とした広大な球状の召喚陣が形成される。
そして、只、ひと言だけ発せられる言霊。
「招」
閃光の爆発。
閃光が晴れると、そこには百の艦隊が出現していた・・・
戦艦。
航空母艦。
巡洋艦。
駆逐艦。
空間上に球形の陣形を整えた、空中艦隊。
艦隊の周辺を小型の飛翔体(戦闘機や攻撃機)が編隊を組み飛んでいる。
彼女は目の前に浮ぶ球形スクリーンを観ながら、全艦隊をコントロール。
スキル[多重操演]。
接近する膨大な数のエネミーを探知、殲滅範囲指定。
火器管制 Weapons free(兵装使用自由)。
「Open fire!」
殲滅。
誘導光弾が弾き。
魔術光線が貫き。
自突弾が焼き払う。
巧み艦隊と編隊を操作し、死角を作らない。 たとえ、攻撃が艦に命中しても彼女には効かない。
百の大剣の刀身には攻撃を吸収しMPに変換する力がある。
相手の力ですら自身の力に変てしまう能力。
一対一で彼女の継戦能力を上回る存在など存在しない。
当然、百の大剣を核として召喚された艦隊はその能力を継承している。
相手が強大であればあるほど、自身も強化され。
相手が戦闘を望む限り、攻撃は止む事は無い。
無慈悲なる攻撃が、彼女の周囲を焼き尽くす。
エレェリアの艦隊によって周囲から集まっていたエネミーが殲滅されている中、ダンジョンに配置されていた中ボスが全て倒れた時、用意されていたイベントが開始された。
ラスト・ボスのフィールドの丁度中央、最も戦闘の激しい場所で、光が集合して、それは出現した。
全長約500mの六対十二の翼を持ち、八本の腕の内六つには巨大な武器を構え、残りの二本で腕を組み、壮麗で重厚な金と銀の鎧を纏った、龍の様な天使が、用意されていた台詞を告げた。
明後日の方角を見ながら。
『よくぞ! 此処まで辿り着いた! 無能無知な人間よ!』
『だが! 矮小なる者の挑戦も此処までよ!』
『我! 九十九の使徒と! 万の軍勢の前で!』
『己の! 無力さを噛み締め!』
『我が前で! その骸を曝すがよい!』
「「・・・・・・・」」
この時点で残りエネミー数。
大型 9体。
小型103体。
「「「遅いわ! ボケ!」」」
ミウちゃん性格破綻者ではありません、戦闘になると性格が変わるだけです。
次は、登場人物の紹介 その五と六の予定です。
主人公ギルド、これで全員登場となります。
そして、「掃討」では運営の最大のボケが発覚の予定!