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DAY-02 黎明へのアンコール

ちょっと短め。


「DAY-02纏め・その一」だからこんなものかな?

 ヴィクトリア調の家具の並ぶ豪華な室内に淡々とした口調の声が流れる。

 室内では一人のメイドが立ち、6人の男女が思い思いの姿勢で寛いでいた。

 ある者はソファーにゆったりと腰かけながら、またある者は床の上でクッションを枕代わりに寝ころびながら、そして中には空中に腰かけ宙に浮きながら一人のメイドからの話に耳を傾けていた。

「・・・以上を持ちまして、シーズの防衛戦報告を終わります」

 エリシアは目の前で思い思いの姿勢で寛ぐ主達に口頭で一通り報告を終える。

 カズマはソファーに腰かけながら、複数の半透明の空中投影ウィンドウを操作しながら彼女に最初に質問をする。

「捕虜の中に帰還を拒否する者が居る様だが。 その兵士は如何するつもりだ?」

「そう言った者は、本人の意思を確認した後、懇切丁寧に異世界の説明と、情報の漏洩をさせない為に船内で収監と監視します」

「・・・なるほど、それはそれで良しとするか。 間違っても強制はするなよ」

「心得ております」


「・・・この"自由の戦士"とか言うのは如何したの?」

 サクラはカズマの隣で彼の膝を枕代わりに寝ころびながら質問する、彼は懸命にも"重い"と言うセリフを呑み込んだ。

「素粒子まで分解しました」

 エリシアは機械の様な音声で答える。

 彼女が自動人形と言うのを差し引いても、感情の全く籠っていない声である、それだけに彼女の怒りが深い事を意味している。

 もし此処に、普通の人が居たらショック死していたかもしれない濃密な怒気が室内を覆う。

 もっとも、この室内にそんな軟な者は一人も居なかったが。

「エリシア。 あんまり怒らないの」

 ミウが空中に漂いながら軽く諌める。

「失礼しました」


「それで、カズマ、報復はするつもりなの?」

 今のやり取りを完全にスルーして、床の上でクッションに仰向けで寝ころびながらマイヒメが彼に今後の方針の尋ねる。

 全員の視線が彼に集中する。

「今回はしない。 今回はある意味"警告と示威行動"だからな。  それに・・・」

「それ二?」

「明日にはG8の緊急会談が始まる、明後日に国連で緊急理事会も行われるはずだ」

「その結果次第では喧嘩になるのか?」

 チヒロは足を組み椅子に腰変えながら物騒な結論を先取りする。

 カズマはその言葉に頷きながら。

「ああ。 俺たちは無抵抗な人道主義者じゃないし、言葉だけの平和主義者でもない」

 彼は此処で一旦言葉を切り、指示を待つエリシアの方に視線を向けながら彼女に指示を出す。

「エリシア、船の臨戦態勢を解くな。 結果次第では首都上空に船を移動させる。 それで連中の知能指数を診る」

「分かりました」

「問答無用で攻撃してきたら如何しますカ?」

 テーブルの上に腰かけながらエレェリア質問する。

「・・・その時は、神様に祈る時間位なら上げても良いわ」

「サクラ姉は慈悲深い」


「さて、それじゃあ。 家族の引っ越し準備の続きしに戻ろうか」

「だな、マイヒメは如何するつもりだ?」

「私は明日、アーリアと買い物と釣り(・・)をする予定よ」

「マイ姉、何を釣るの?」

「バカで大きけど煮ても焼いても食えない魚よ。 ・・・少し赤い(・・)かしらね」

「ふ~ん、私でも無理?」

「サクラでも調理出来ないわ。 むしろ跡形も無くなるかも、手加減が重要なのよ」

「程ほどにな」

「勿論、それじゃあ、またね!」

「ああ、また」

「待て! サクラ引っ張るな!」

「今日は父と母が揃うから挨拶してよ♪」

「カズ兄、先に帰っているよ。 じゃあね」

「カズマ、またな!」

「今日ハ、お疲れ様でしタ」


「ちゃんとしてよ。 あ・な・た♪」

「ちょっと待って!!」



 そして、それぞれの格好で寛いでいた六人は僅かな痕跡を残し虚空に掻き消える。


 ヴィクトリア調の家具の並ぶ豪華な室内にメイド一人だけが残された。

 エリシアは、後片付けの為に共通記憶で部下を呼び出す。

 他のメイドが来る間、彼女は独り室内を見回してから誰にも聞かれず、共通記憶二も残らない独り言を発する。


「この世界に聖典において神様は御一人で世界を六日間で創ったとされていますが・・・。 六人居る我等が主は何をするのでしょうね」


 彼らのこの世界の滞在予定日数は10日。

 G8の会談は明日。

 国連で緊急理事会は明後日。

 明日と明後日を除いた残り日数は、6日間。


 神は六日間で創造を行なったと言う。


 彼らは、期せずして聖書に記されている"天地創造"と同じ日数この世界に居る事になる。


「ふっ、偶然ですね。 必要とあれば明後日には事態は動きます。 日数が合いませんね」

 エリシアは、丁度、到着した部下達と共に後片付けと掃除に専念し、独り言を記憶の奥底に沈め、日々の雑務に追われて、やがて忘却するのであった。


 エリシアは忘れていた、彼女は聖書の全てを知っている訳では無かった、"神は六日間で創造を行ない、七日目に休まれた"と言う事を知らなかった。



次でDAY-02のラストです。


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