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DAY-02 朝焼けのオーヴァーチュア

一日二回連続投稿!


サブタイトルをチョット変更

日本に朝日が昇ろうとしている時、世界に激震が走った。

 複数の天空の目が、日本近海の公海上に浮かんでいる、所属不明の巨大な客船を発見したのである。

 何者が、あるいは組織が、この情報を無制限に電子の世界にばら撒いたのである、まるで誇示するように。

『異世界から来た船が公海上に出現した』と言う情報が音よりも早く、電子の世界を駆け巡り各国の首脳を慌てさせた。

 今まで散々、ありとあらゆる手段を使い秘蔵していた情報が何の制限も無く、世界中に解き放たれたのである。

 皮肉にも、当事国の一つである日本政府は時間帯の関係で、世界中で一番最後にこの事実を知る事になるが、官僚機構の事なかれ主義の影響、あるいは卓越した政治感覚の賜物なのか、一番混乱が少なかった。


 この事実に一番早く反応したのは在日米軍であった、先日の太平洋上での空母戦闘団との接触以来、臨戦態勢を整えていたのと、ある作戦の為に複数の特殊部隊が横須賀基地に待機していた為、即座に部隊を展開する為に現場海域に急行するのであった。


 この特殊部隊の緊急展開が後に日本国内でのアメリカ軍の行動を阻害する事になり、歯止めが効かなくなった他国の非合法部隊が日本国内での活動を活発化する事になり、その事態を沈静化する為に、アメリカ政府はなし崩し的に大規模な艦隊を展開する伏線になるのである。



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 日本 在日米軍 横須賀海軍施設 ブリーフィングルーム


「現場海域の天候は?!」


「装備は第三格納庫に運んでおけ!」


「そうじゃない! あっ! 待って! それはこっちだ!」


「現場の空母戦闘団は?」


「空中給油機が出る! 帰りの燃料は積むな!」


 空には未だ日の昇らず、薄暗い基地内にあって主要の施設の全ての室内の明かりは煌々と点灯し、昼間の街中の様に騒がしかった。

 それに合わせる様に様々な軍服を身に着けた者達が廊下を早歩きで、もしくは全力疾走で動き回り、所構わず話、書類と格闘していた。

 ある者は端末を片手にデータを纏め、又ある者は廊下を占領し他の者と怒鳴りあっていた。

 そんな喧騒の中、唯一静かな緊張に包まれ部屋があった、薄暗いその部屋では基地内の主な者達とオンラインで繋がった他の場所にいる者達が最後の打ち合わせを行っていった。


「 HALOヘイロウでデルタが。 ゾディアックでシールが。 ヘリボーンでベレーが、それぞれこの様に突入する。 又、極秘部隊が弾道ジェットで突入する予定だ」

 ブリーフィングルームの大画面にそれぞれの突入位置が表示される。

「・・・・この様に公海上にある目標を複数のチームが同時に突入。 制圧を行う。 人員の確保は制圧率50%以上でなければ考慮する必要は無い」

「又、制圧率80%になった段階で海兵隊が突入し全船内を制圧する予定だ」

 如何にもインテリといった感じの鋭利な男が端末を片手に、大画面に映し出された様々な映像や画像を基に室内とモニター越しの軍人たちに向かって説明を続けていた。


「船内の様子は不明であるが、おそらく外見同様に内部もそう変化は無いと思われる、その為、既存のオアシスクラスの船内図を基に船内を推測」


「後は本作戦は24時間以内に終了させる必要がある」


 薄暗かった室内に明かりが灯り、その場に居た者達は若干目を傷める事になる。

「以上が、本作戦のアウトラインです。 何か質問は?」


「何故、24時間以内に目標を制圧する必要があるのですか?」


 説明をしていた男の眼鏡のレンズが照明を受けて鈍く光り、脳筋どもに分かり易く説明してやるといった考えが透けて見える様な感じで言葉を紡ぐ。

「説明の必要は感じないが、あえて言うなれば”政治dだ”」


「政治ですか・・・」


「そうだ、政府アンクル・サムは早急な成果を欲している、理由は予想では24時間以内にG8の緊急会談が開催されると思われる。 さらに、48時間後に国連で緊急の理事会が開かれる見通しだ」

此処で一旦言葉を切り、周囲を見回して、自身に全員の視線が集中しているのを確認してから、芝居がかった口調で。

「異世界の技術の拡散は、世界の均衡を乱す恐れがある。 全ては世界の秩序を守る立場に在る、我がアメリカ軍が管理し、運用する必要があるのだ」

「又、本作戦が万が一不首尾に終わった場合、大統領は近海に待機している艦隊を出動を命じ、東京を再占領、そして日本を再び管理下に置くことも視野に入れている」

 会議室は一瞬で騒然となる、男はそれに構わず先を続ける。

「他に何かあるか?」


「確保する人員は存在しないのですか?」


「確認されている主要の人物は東京都内においてCIAの監視チームの監視下にある、船内にどの様な者が居るのか不明な現在は確保の割合が50%超えるまで余計なリスクを負うべきでは無い。 又、異界の者がどの様な能力を持っているか不明な為、リスクを回避する為に確実に排除・・する事を念頭に置いて行動をするように。 他には?」

 諒承の返事の代わりに、緊張の高まりと沈黙が辺りを支配する。

 男は視線を隣に座る壮年の男に向ける。壮年の男=在日米軍司令は立ち上がり始めて言葉を発した。

「よし! 直ちに行動を起こせ!」

「「「Yes! sir!」」」



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日本近海公海上 米軍ジェット垂直離着陸輸送機 機内


「デビット・・、この作戦どう思う・・・」

 銃器の点検をしながら一人の特殊部隊員が隣で装備の点検をする男に声をかける。

「如何したロバート? 柄にもないぞ?」

「いやな・・。 ”確保する人員無し”というのがな・・・」

「確かにな・・・」

 ”確保する人員無し”つまり”皆殺しにしろ”と命じられたと同じである、勿論、彼らは現場では躊躇するつもりは無いが、何とも後味の悪い思いが残るのは否定できない。

「現場に置いては臨機応変だぞ」

 二人の会話にもう一人の男が割り込む。

「エリック・・・」

「降伏勧告くらいは許されるだろうよ」

「そう言う事だ、余り深く考えるな」

「「隊長!」」

「そのままでいい! もっとも言葉が通じればの話だがな?」

 四人の間に砕けた笑いが起こる、若干緊張もほぐれた様だ。

 そんな中、機内放送が流れる。

『現場海域まで残り10分! 突入まで20分! 突入予定に変更無し!』


「・・・・・・・行くぞ!」

「「「Yes! sir!」」」


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日本近海公海上、アダマス・オブ・ザ・シーズ船内


「さて、均衡は崩しました。 何が起こりますか?」


『こっちを監視している連中も何やら動き出した。 ここ数日以内に動くだろう』


『エレシア、シーズの事は任せたわよ』


「お任せ下さい。 盛大に歓迎する予定です」


『後で首尾を聞かせてネ』


「録画した映像を編集して配信いたします」


『効果音も』


「それも準備万端です。 ナレーションもお付けいたします」


『うん』


「それでは、一旦通話を切ります」


『ああ』


「・・・さて、歓迎しますよデルタにシールズ、ベレーそして”自由に戦士”の皆様。 海兵隊の皆様は次の機会に歓迎すると致しましょう」



 船上の戦い開幕!

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