DAY-01 帰郷
ようやく、更新です。
本来なら、土曜日に更新する予定でしたが急な予定が入りずれこんでしまいました。
今回はプロローグの裏側の話からスタートです。
[神族]
VRMMO[ワールド]において、ユーザーが選択可能な多くの種族の中でヒューマンだけがエルフやドワーフがハイ・エルフや古ドワーフの様に上級種族にクラスチェンジ出来る中で設定されている上級種族が存在しない、それはヒューマン種だけが直接、神族にクラスチェンジが可能な唯一の種族だからである。
他の種族の場合だと、初期選択種族から上級種族にクラスチェンジしてから神族にならなけれならないが(例エルフ→ハイ・エルフ→神族)、ヒューマンの場合は条件さえ満たせば直接神族になる事が可能である。
神族の特権として、様々なステータスの上限が緩和される[限界突破]スキルを得る事が出来るほかに、[祝福]と[加護]のスキルを使用できる。
祝福は自ら定めた眷族のステータスアップを促し、加護は係累に危害を加えられるとその攻撃を反射するスキルである。
ちなみにVRMMO[ワールド]において確認されていた神族は10人だけである。
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「「? !!」」
次元を超える時は何の衝撃も光も音も無かった、窓の外の光景がテレビのチャンネルを変えるように突然、変化したのだ。
だが、船に乗っていたアダマスの面々は別の意味で衝撃を受ける事となる。
「空間転移、無事に完了しました。 各システムチェック開始します」
自動人形のメイド達は驚きも恐れも無く、淡々と何時も通り作業を開始しようとして、システムの異変に気が付いた。
「? 各システムのブレイカーが遮断されています!」
「どう言う事ですか?」
「空間に満たされた魔素濃度が急上昇した為、過負荷で落ちた模様です」
「直ちにシステムを調整してください!」
「了解しました!」
「? !」
船のメイド達のリーダーであるエレシアが各部に指示を一通り伝達し終わった時、ようやく彼女たちの主の異変に気が付いた。
「カズマ様! サクラ様!」
その声で、ブリッジの視線が一点に注がれる。
そこにはカズマとサクラがソファーでぐったりとしていた。
「如何しましたか!」
メイド達が作業の手を止め、飛ぶ様な速さで二人の所に集合した。
「大丈夫ですか?」
その声にカズマは何とか呼吸を落ち着かせて、弱弱しく片手を上げて心配ないと合図をメイド達に贈る。
「心配するな。 少し魔素に酔っただけだ。 それぞれの作業に戻れ」
その命令でメイド達は後ろ髪をひかれる思いで自らの作業に戻って行ったが、エレシアだけはその場に留まり二人に飲み物を出しながら、気分を害した理由を尋ねていた。
「何があったのですか?」
「一言で言うのは難しいが・・・。 酔った。 それが一番しっくりする表現だな」
カズマのその言葉に、水を飲みようやく一息ついたサクラが。
「そうね・・・。 溺れた様な感覚とも違う。 やっぱり酔ったとしか言いようが無いわね」
「酔うですか?」
「ああ。 行き成り水の中に居るような密度の濃い場所に転移したような・・・」
「高濃度の酸素を吸わされた感覚みたいな・・・」
「自分の感覚が行き成り倍になった様に感じたな・・・」
「ええ、まともに立つ事も出来なかったわね。 望遠鏡で見ていた風景を突然、顕微鏡に替えられた様に感じたわ」
「自分の感覚も掴めないから、立とうとすればそれだけでこの船を沈める可能性もあったな」
「そうね・・・。 力を抜いて感覚を掴み直さなければ辺り構わず破壊尽くしている処だったのよ」
「例えるなら、大型クレーンでコンテナを運んでいる時に、クレーンの先にメスを付けられ、人の大脳の手術しろと言われた様なものだ」
「それは・・・」
二人の主の説明に思わず絶句して固まるエレシアであった。
「ところで他の皆は大丈夫なのか?」
カズマの一言でようやく復帰し。
「はい、概ね確認されています」
「異常はないのね?」
「何をもって異常とするのか判断できませんが。 一番の被害はミウ様とミラ様がロッククライミングの途中で落ちたくらいですか」
普通であれば一大事であるが。
「怪我は・・・、あるわけないな」
「はい。 落下した床が若干凹んだ程度です。 すでに修理済みです」
そこでサクラが素朴な疑問を呟いた。
「でも・・・。 どうして、こんなに魔素の濃度が高いのかしら?」
「おそらく・・、この世界ではまだ魔素の使い方を理解している者が少ないのではないでしょうか」
エレシアが推測を述べる。
「使う者が居ないから、エネルギーに溢れていると?」
「はい、仮定ですが」
「カズマ様!」
ブリッジで復旧作業をしていたメイドの一人が彼らの方に声をかけてきた。
「? 如何した?」
「此方に接近する飛行物体を感知しました」
「数は?」
「先行するのが2機、若干遅れて1機急速に接近中です。 間もなく捕捉されます」
その報告を聞いて、思わず視線を交差させる一同。
「システムダウン中にレーダーに捕捉されたか」
「はい。 ステルス関係のシステムは復旧の優先順位が低いので・・・」
「まあ良いわ。 復旧させて早く移動しましょ」
「ですね」
結論が出た所で、再びメイドから報告があがる。
「視認できました。 それと、あらゆる周波数で呼びかけてきています」
「何処からなの?」
「アメリカ海軍との事です」
「無視して良いわ。 全システム復旧次第、消えるわよ」
一般的には大問題なのだが、サクラが食後の後のデザートを頼むように流れるように決めてします。
「了解しました」
そして、当然のごとく誰も反対しない。
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シーズのブリッジには、外からはジェットの轟音が響き渡り、オープンにされたスピーカーからアメリカ訛りの英語が流れ続けていた。
「本当に五月蠅いですね。 蹴り落としましょうか?」
エレシアが少々不機嫌になりながら、お茶を飲んでいるカズマとサクラに進言する。
「ほっとけ」
カズマがコーヒーを飲みながら、サックと無視。
「弱い者いじめは可哀想じゃない」
サクラが紅茶を飲みながら、地球上最強のアメリカ軍の心配をする。
「そうでね。 復旧状態はどうなっているか?」
二入に相槌を打ちながら、復旧具合を部下のメイドに確認する。
「全システム、チェック完了! GPS受信。 各チャンネル受信。 ネットワークに接続しました」
エレシアがその返事に頷きながら、カズマとサクラに指示を求める。
「準備が整いました。 何処に向かいますか?」
「日本だ。 東京湾を目指せ」
「面倒だから、成層圏まで上昇しちゃって。 そうそう、ちゃんと透明化してね」
「はい」
二人の返事は単純の明解であった、エレシアは一礼してから部下に指示を飛ばす。
「進路を日本列島に、空を行く。 透明化開始!」
「はい! レーダー波ECM開始」
「熱源遮断開始」
「思考誘導開始、周辺を飛んでいる戦闘機、離れていきます」
「可視光線、遮断開始!」
「浮遊機始動! 管制制御開始、成層圏まで上昇します」
シーズのブリッジから見える光景が急速に変化していく、窓から見える空の色があっという間に蒼から黒に変わり、地平線が直線から曲線に変化していく、僅か十数秒で成層圏に到達したのだ。
「このまま、一直線に東京湾を目指します」
「どれ位で着くかしら?」
「減速時間を入れて、三十分弱くらいで到着します」
「そんなもんか?」
「そんなもんです」
「船は何処に泊める予定だ?」
「適当に空中に係留して、現地の船や航空機の邪魔に為らないように微調整をする予定です」
「姿は消したままよね?」
「勿論です」
そんな、ぶっ飛んだ会話を適当に交わしている間に報告があがる。
「東京湾に到着しました。 係留空間に固定完了。 何時でも上陸できます!」
「お! 到着したか」
「久しぶりね・・・。 行きましょうか?」
サクラはソファーから立ち上がりながら、カズマにほほ笑みかける。
「そうだな」
カズマもゆっくりと立ち上がりながら、エレシアに対して以後の事を指示する。
「留守を頼む」
「かしこまりました。 それとミウ様とミラ様が既に飛んで行きました」
カズマとサクラが苦笑を浮かべながら。
「問題を起こさなければいいさ」
「そうね」
問題を起こすに決まっているのだが、二人は軽く流す。
ブリッジから外に出る、扉に向かいながら。
「何処に行く?」
カズマは彼女の方に手を差し出しながら。
「そうね・・、高い所から街を観てみたいわ」
「スカイツリー上でいいか?」
カズマの手を取りながら、サクラは前だけを見ながら。
「ええ。 楽しみだわ、故郷が如何どう変わっているのか」
その瞳は前だけを観ている。
もともと強い彼らが更にパワーアップしてしまいました。




