国のつくりかた エルタス村の日常
魔改造された街並み登場
その前にちょっと追加。
前話【国のつくりかた 会談】でカットされたシーン
「エイレリア様、改めてご挨拶を申し上げます。 アダマスのサブ・リーダーでカズマの婚約者のサクラと申します」
「? !!!!」
サクラは公式の場でとんでもない自己紹介をした、カズマは思わず声を荒げそうになったが、客人の前なので、なんとか寸前で飲み込むのに成功した。
そんな事には気が付かず、エイレリアは満面の笑みで、お祝いの言葉をサクラに送る。
「まぁ! それは、おめでとうございます! 結婚式は何時ごろになるのでしょうか?」
「今は、少々、立て込んでいますので落ち着いたら式を挙げる予定です」
「是非! 参加したいですわ!」
「もちろん、招待状を送らせてもらいます。 是非、来てくださいね」
カット理由
ここからどうやって真面目な場面に繋げるか適切なタイミングがつかめなかった為です。
上手く話を繋げられるアイデアが浮んだら挿入しようかな・・・
伯爵令嬢エイレリアの朝は早い、たぶん・・・。
窓のカーテンが自動的に開き朝日を室内に入れる。
彼女はベットの上で半身を起こし少しの間ボ~としていた、瞼はまだ重く眠気は容易には退散しなかった。
寝起きは悪くは無い、むしろ実家の自分のベットより快適である、半日あまりの時間で屋敷と建具を用意してこの快適さである、とても片手間で用意された物とは思えなかった。
ようやく眠気が退散し快適なベットから抜け出す。
室内には、何時の間にか自動人形のメイドが居て、着替えの準備をしていた。
「おはようございます」
突っ立ているだけで、手際よく着替えが済まされていく、連れて来た侍女ですらこれほどの能力は無い。
彼女は目立たない様に横目でメイドを観察する、髪型や顔立ちは皆、微妙に違うが優美な顔立ち、よく気が付き人と変わらない思考、呼吸をし、その皮膚を触れば体温や脈拍そして発汗まで感じられる、これが人ではなく人形だとはどうしても思えなかった。
着替えが終わりダイニングに移動、朝食後は、伯爵領から派遣されてきた秘書官に今日の予定を確認する、重要ではない陳情や面会が続くが、白亜の邸宅で会食が入っていた。
「は~~」
思わず溜息が出る、秘書官が心底、不思議そうに首を傾げる。
「? エイレリア様、いかがなさいましたか?」
「気が重いわ~。 あなたは大丈夫そうね」
「はい、もう慣れましたから」
秘書官は既に悟りを開いた表情である、結構、神経が図太いみたいである。
「午前中の面会が終ったら『りむじん?』を用意して少し速めに行きましょう」
「承りました」
秘書官は恭しく一礼をして自分の仕事に戻っていく、その後ろ姿を見送ってから窓の外に視線を向ける。
窓の外には様々なサイズの飛空船が上空を行き交っていた。
思わず独り言が漏れる。
「自重なんて言葉、彼らの辞書には無いんでしょうね・・・」
《コンッ! コンッ!》
くだらない交渉の始まりである・・・・・
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黒塗りの大型リムジンが総三階建ての屋敷から街中に走り出す、快適で広々とした車内でエイレリアは日々に変化する街並みを窓から眺めていた。
「また、新しい建物が建ったのね」
同乗していた秘書官が淡々と返事を返す。
「はい、帝国からの商会がこの地に支店を出店しました、これから暫くは建設が続くと思われます」
「帝国から?、大丈夫なの?」
「何れも、新市街の方ですので問題無いと思われます」
「そう・・・」
新市街、本来のエルタス村から南の地に大規模に区画整備された土地、エイレリアの屋敷は新市街よりに建っている。
道路の脇を「蒸気機関車」線路の上を大量の貨物車を引き南下していく、その巨体を眺めながら。
「確か『びっぐぼーい』と言ったかしら?」
「はい、既に領都アルトニースまで繋がっています、後三日ほどで王都跡イザイアまで繋がると報告を受けております」
ビッグボーイ、正式名称「ユニオン・パシフィック鉄道4000形蒸気機関車」よく「世界最大の蒸気機関車」とか「世界最強の蒸気機関車」と呼ばれる巨大な蒸気機関車である。
この世界のビッグボーイは動力に魔道機関を使用し熱源と水源を自給自足する半永久機関を搭載し無補給で運行し、しかも二酸化炭素を出さない非常にエコな機関車である。
ついでに普通の列車としてオリエント急行並みの豪華寝台列車を運行したりしている。
話題休閑
「・・・・、二日も外に出ないと時代に取り残されるわね」
二日どころか、一時間も眼を離すと何が製造されるか分からなかったりする。
彼女のそんな呟きに秘書官は苦笑を浮かべながら。
「私など、毎日、刺激に満ちて充実していますよ」
「は~。 それで今日は何を話し合うのかしら」
今されながら、会談の要件を聞いていないことを思い出した。
「はい、奥様の事で少々・・」
エイレリアは表情を強張らせて、最近まで臥せていた母親に何か起こったのかと思わず声を荒げる。
「? お母様が? どうかしたの? まさか!」
「いえ。 奥様は健康そのものです、ただ、その・・・」
「? 如何したの?」
「・・・・、エルタスに移り住みたいと申しておりまして」
「えっ・・・・・」
彼女の絶句をよそにリムジンは片側四車線の道路を行く、その上空を超大型の飛空船団がゆっくりと南下して行く。
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「疲れた~」
用意された地下世界の豪華なコテージのソファーに倒れこみながら盛大な愚痴が思わず漏れた。
外賓用の淡いピンクのドレスが皺だらけになるのもお構いなく倒れこむ。
実家の侍女や家令が、この様な姿を見れば伯爵家の品格だとか、淑女はどうとかと延々とお小言が続くがここには自動人形のメイドしかいない、彼女らはそんな余計な事は言わないのは正直、助かる。
最初は穏やかに会談や会食が進んだのだが、伯爵夫人つまり彼女の母親が村に移り住む事に話題が及ぶと経済、流通、政治などにも話が飛び結局、夜遅くまで会談が続いてしまった。
さすがに遅くなったので彼らの好意に甘えて泊まっていく事にしたのである、彼女は窓から見える風景をぼんやりと眺めながら正直な感想が漏れる。
「それにしても、とても地下に在る光景には観えないわね」
遠くに山が観え、川が流れる、森林が何処までも続き、ちゃんと天候や時刻の変化で空模様が変化するのである、もちろん何かしら仕掛けが有るのだろうが彼女にはその違いが分からなかった。
暫くひっくり返って脱力していると、遠慮がちにメイドの一人が話しかけてきた。
「エイレリア様、そろそろ湯浴みをなさったらいかがでしょうか?」
「?! お風呂ね・・・」
彼女は思わず眉を顰める、ここの大浴場にあまり良い思いでは無い。
指折り数えるだけでも遭難して、流され、飛ばされ、隠れて、再び流され、溺れかけ、打ち出され気絶したのである。
「大丈夫ですよ、今回は私達が常に傍にいますので」
「本当に?」
「はい! お任せください!」
「それじゃ~」
結果から言えば、大丈夫ではなかった。
たまたま大浴場に来ていた、ロックウッド・マーカス・アルフレッド三世に見つかり、メイド達が止める暇も無く抱きつかれてペロペロされてしまうのであった。
エイレリアはロック以下略に妙に懐かれてしまい、彼女の屋敷に連れ帰る破目になる。
ついでに、本当にどうでも良い話だが、ロック以下略は彼女の言う事は余り聞かず、彼女の母親の伯爵夫人の言う事は良く聞くのである。
「ビッグボーイ」は調べれば意外とカッコいいです。
次話は外伝の予定、ある意味正統派主人公(笑)が登場します。
外伝の後で新シリーズ開始します。
戦闘シーン多めに成る予定です、アホの殲滅がメインです(笑)
サブタイトルだけ先行公開します
『古代の英知はカビだらけ』




