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国のつくりかた 大浴場逃亡記 その一

エイレリアは、おひとよしです。

「報告します! ミウ様とミラ様の衣服が脱衣邸にありました!」

「「!?」」


 仮設捜索本部の置かれたテントの中は絶対零度の沈黙に包まれていた。

「ねえ、カズマ。 今日、ミウは何をするって言っていたけ?」

 そう彼に尋ねたサクラの目は完全に据わっていた、聞かれた方もサングラスで表情を隠し腕を組んだまま。

「確か・・・。 マイヒメとイサベラの仕事を手伝うと言っていたな」

「手伝う仕事は何だったかしら?」

「倉庫の在庫確認の筈だぞ」

「ふ~ん・・・。 こんな短時間で終ると思う?」

「無理だな」

「と言うことは・・・」

「二人ともミウには甘いからな」

「「・・・・・・」」

「サボりね」

「サボりだ」

「フッフフフフ・・・」

「・・・ハハハハハッハ」

「「アハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ」」


《ブッチ!》

 後に、どこかで何か切れる音を確かに聞いたと、そこに居た全員が証言した。


「全員と全部隊に招集をかけろ!」

「草の根分けても探しだしなさい!」

「「『りっ! 了解しました!!』」」


------------------------------------------------------------


「モグ、モグ」

「失敗した、たぶんサボっているのがばれた。 モグ、モグ」

「それはどう言う事ですの。 モグ、モグ、ゴックン。 あら! 美味しい!」

「ゴックン! これもどうぞ」

「ありがとうございます。 モグ、モグ」

 二人は浴槽の横で非常食で食事を取りながら、今後の事を話し合っていた、ちなみにエイレリアは伯爵令嬢でれっきとした淑女である、ミウとミラにいたっては年頃の娘である。

 つまり、お風呂で、ま~なんだ~、何時もならあのような格好で食事をする様な娘達ではないのである。

 さっきから近くを多くの浮遊機が飛び回っている、ミウは自分が追い詰められている自覚があった、自身の能力やアイテムを使えば、その波動で間違いなく探知される、おそらく探しているのはカズマかサクラのどちらかだろう(両方とは思っていない)。

 二人とも妙に真面目だから見つかったら説教のトルネードだろうが、晩御飯の時刻になれば間違いなくサクラなら離脱するし、カズマでも彼女の料理を食べる為いなくなるはずである(追っ手が一人と仮定している)。

 その時、抜け出してマイヒメとイサベラを味方に付ければまだ勝機はある、二人ともミウには甘いのだ。

 ※ミウはこの時点で他のメンバー全員が追っ手に加わった事に気付いていない。


 エイレリアの立場としては微妙である、さっさと見つかって保護された方が利口な気もするが、ミウとミラに涙目で見つめられて手を握られて、それを振りほどけるほど非情にはなれなかった(ミウに完全に騙されています)。

 しかも、食事まで貰ってしまった、こうなってはとりあえず最後まで付き合う気でいた、なんだかかなりめんどくさい事に巻き込まれた気がする。

 お茶を飲みながら、これからの方針を尋ねた。

「ミウさん、これから如何するんですか?」

 ミウは周囲を警戒しながら。

「とりあえずは、隙を見てこの湯船から脱出する」

「この場所から?」

「うん、此処は見通しが良すぎるから」

 今いる場所は、大きな湯湖の真ん中にある木々が生い茂る小島、その真ん中の小さい湯船である、確かに隠れるには適当ではない。

「隠れる場所に心当たりがあるのですか?」

「ある!」

「なら・・・。 隙を見て移動しましょうか」

「うん!」


 10分後、三人は湯湖を渡り森に逃げ込むのに成功する。

 さらに30分後、その場に現れたメイドが三人の痕跡を確認する。


------------------------------------------------------------


「間違いないのね!」

 サクラは地図の書き込まれた印を見ながら、もう一度メイドに確認をとる。

「はい! 非常食の欠片とパッケージのゴミが見つかりました」

 水着姿のメイドは手元の端末を操作しながら、的確に答える。

「経過時間は分かるか?」

 カズマが時計を見ながら確認をとる。

「おそらく1時間は経過していません」

「一足違いか・・・・」

 招集を受けて水着に着替えたきたイサベラが二人の剣幕に遠慮しながら。

「あの~。 カズマ様、サクラ様・・・」

「うん?」

「どうしたイサベラ?」

「ミウ様が可哀想ですから、あんまり酷いことはしないでくださいね」

 二人は顔を見合わせてから、イサベラを安心させるように満面の笑みで。

「大丈夫よ。 一食、抜くだけだから♪ ねえ~、カズマ♪」

「もちろんだとも。 一晩、正座させるくらいにしとくから」

 イサベラは二人の言葉に安堵して。

「そうですか。 それなら良かったです」

 イサベラ的にはOKらしい・・・・

「ところデ、食事は如何するのですカ?」

 アーリアを連れた水着姿のエレェリアが素朴な疑問を発した。

「大丈夫よ♪ しっかり準備してきたから、ここで食べましょう♪」

「サクラ、今日は何にするんだ?」

「うむ。 腹が減っては戦が出来ぬからな」

「わしは酒が有ればよいぞ」

 丁度、来たチヒロと影丸そしてオヤカタがサクラに今日のメニューを聞いてきた。

「もちろん! バーベキューよ!」

 滅多に風呂に来ない【やまと】と【むさし】が首を傾げる。

『サクラ様ハ、妙ニてんしょんガ高イヨウダガ?』

『コノ頃、娯楽ガ無カッタカラデアロウ』

『ナルホド』


------------------------------------------------------------


 その頃、逃亡中のミウとミラ、そしてエイレリアは・・・

「お風呂はいいね~」

「・・・・・・・~」

「温まります~」

 洞窟風呂でほっこリしていた。



 

おかしい・・・

大浴場は此処まで引っ張る予定では無かったのに・・・

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