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国のつくりかた 開戦 終戦

始まる前に終っている。

 『王都イザイアの消失』 この現象に居合わせた王都の人間で、正確に事態を把握している住民は居ないだろう。

 近隣の村々からは、王都の方角から音も無く光柱が天に向けて立つのが、見られた程度である。


「何だと! 王都が! 王都イザイアが!」

 魔人討伐の軍の将軍は野営地でその報告を受けて、我が耳を疑った。

 イザイアからエルタスに向けて進軍を開始して丁度半日、王都からの魔道具を使用した連絡が突如途絶えた為、様子を見に行かせた伝令から齎された報告は信じられないものであった。

「消えた・・・・」


 討伐軍はその報告を受けた翌日、直ちに王都に軍を返す事となる、彼らが王都のあった場所で出迎えたのは、完全に更地となった場所で屯する王都の民だけであった。

 立ち並ぶ住居も、町を囲む城壁も、立派な王城も、そして国王と一部の重臣が完全に消失していたのだ、唯一の救いは食料や家畜などが消えなかった事だけであろう。


------------------------------------------------------------


 その日、王都イザイアは昼時になっても興奮に包まれていた、人々は街角で顔を付け合せ噂話に花を咲かせ、真昼間から酒場で大声で騒いでいた、話題は勿論、午前中に出陣した討伐軍のことである。

 整然と行進する騎士団、一糸乱れぬ行進をする歩兵の軍勢、その上を飛空船が空を駆ける、それは娯楽に飢えていた王都の臣民にこの上ない刺激を与えた。


 その現象を一番最初に気が付いた者は誰だったかは解らないが、おそらくほぼ同時に全ての人々が気が付いたであろう。

 淡く青い光、視界を徐々に埋め尽くす青い光、王都の民は異変を感じ騒ぎだし、その騒ぎは徐々に騒乱へと発展したいった。

 家の外に避難する住民、剣を手に周囲を警戒する冒険者、右往左往する兵士達、そして誰もが同時に意識を失った。

 そして気が付いた時には、誰もがだだっ広い荒野に呆然と突っ立っていた。

 王都の民は最初その場所が王都と同じ場所だとは気が付かなかったが、王都に来た商人や冒険者、そして用事が在って来た村人などから、自分達がいる場所が王都のあった場所であることを徐々に認識し始めたのであった。


『王都イザイアの消失』をもってイースオーリ王国の滅亡とはならなかった、国王と一部の重臣は行方不明であったが、討伐軍の帰還と幼き王子や王妃そして僅かに高官も残っていた為、短い期間は政治は機能していたが、王城にあった政治に必要な書類や資料が残らず消失したままであったので、やがて瓦解していく事となる。

 この混乱の中で各地の領主は独自の行政を始める、王国に見切りをつけ周辺の国に領地ごと身売りする者や、独自に統治する者が現れだし、やがて王都の在った場所から商人が去り、冒険者が各地に散っていっき、少しずつ人々が去りそして二度と戻っては来なかった。


 やがて王都イザイアは王子と王妃を慕う僅かな人々が細々と畑を耕して暮らす一地方の農村となり、新しき国エルタスに飲み込まれていく事となる。


------------------------------------------------------------


「・・・・・・・・」

 エルタスの村長ギルダーは混乱の中にあった、つい先日は王国の特使に三行半を叩きつけられ孤立無援であったのに、今回はその王国が既に存在しない状態になってしまったのだ、もはや言葉も無く開いた口が塞がらなかった。


 エルタス村のギルダーは、この混乱の中で周辺五つの村を代表して周辺の独立領主や異種族と交渉していく事となる。


 一方、村長の全ての疑問に答えられる者達は、そのころ・・・・


「ああ~。 癒されます・・・」

「ぬっくい、ぬっくい・・・」

 お風呂に入っていたのである。

 地下都市もとい地下世界に造られた、一辺20kmで湯船の数200余りの大浴場。

 何時作ったんだと言った突っ込みはこの連中には無駄である。


「サクラさんハ? 何処ですカ?」

「野暮ですよ・・・・」

「全くです・・・・」

 遠くで悲鳴が聞こえた気がしたが、気のせいであろう。

「温かいです~」


------------------------------------------------------------


 同時刻、この世界の丁度裏側にある大湿原の畔にある、リザードマンの王国。


<聴け! 勇者達よ! 我らの神は我らに石の街をくださったのだ!>


<進め! 部族の戦士達よ!>


<不当に占領する者に死を!>


≪≪おおおおおおおっ!≫≫ 


 王都イザイアの王宮は今、築城以来の危機にあった。

「ええぃ! 何をしているか! さっさとあのトカゲを追い払え!」

 王城の拝見の間では国王が喚いていた。

 青い光に包まれたと思ったら、何時の間にか人々が消えて、混乱している内にリザードマンの大群が攻めて来たのである。

 今も外からは扉を破ろうとする音が響いている、そして。

「王よ! 正面が破られました!」

 拝見の間に武装したリザードマンの戦士達が現れた。

「無礼者! 余を誰だと思っているか!」

 王はヒステリックに精一杯に声を張り上げるが、リザードマンの戦士達はお構い無しに突っ込んでくる。

「誰か! 何とかしろ!」


------------------------------------------------------------


「そういえば、何処にぶっ飛ばしたの?」

「適当~」

「反対側でしょうか~」

「まっ、いいか~ ふやける~」



国王無残


次回はツンデレ令嬢と田舎者が登場します。


訂正

一辺2km → 一辺20km

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