DAY-07 草薙剣
投稿が遅れて申し訳ありません(謝)
活動報告にも書き込みましたが、碌でもない事に巻き込まれてしまいました。
[新ロシア連邦共和国]
21世紀初頭に成立した、ロシア連邦と旧ソビエト衛星諸国、及びロシア系移民居住地域を再編成して誕生した連邦国家である。
2000年代前半、ロシア連邦の大統領が始めた、ロシア系住民の保護を名目とした、武力による国境線の強引な変更を推し進めている。
この当時の連邦大統領の引退後の行方は、現在でも判明していない。
無論、この様な政策は国連からの非難決議や欧米からの制裁の対象となってはいるが、自らが常任理事国で、しかも拒否権を行使できる立場を利用し、矛先を上手にかわし、必要とあれば核による恫喝も辞さないのが現状である。
内政では、自由経済と自由選挙を掲げてはいるが、政府が国内の主要メディアと大企業の株の大部分(90%以上)を収め、主要産業を実質的な国営企業と化しており、富を強引に集約している。
選挙では、政敵のスキャンダルや収賄、汚職を理由に逮捕、監禁、時には暗殺(テロ組織の犯行に偽装し、他国への武力進攻の理由としている)をしかけ、対立候補の立候補を妨害し、一党独裁の政治形態を維持している。
しかし、それに比例し、資源の輸出を主とする経済活動は破綻寸前で、国内の経済活動は低迷し続けて、国民の不満は徐々に高まってきている。
現在の主要交易は周辺諸国に対しての武器輸出である、組織の大小、及び、主義主張に関係なく金しだいで武器をばら撒き、周辺諸国で紛争やテロが横行し、地域の不安定化を理由に治安維持と自国民の保護を名目に派兵をしている。
余談だが、中央アフリカの小国の首都が核兵器によって消滅した際の、国連による原因調査の報告書では、使用されたプルトニュウムの組成が、ロシア国内に現存する核施設で生成されたプルトニュウムと一致したが、ロシアは沈黙を守り、査察に対して拒否権を行使、時間稼ぎをしている間に問題の核施設を解体してしまった。
また、この時、解体作業に従事していた作業員の行方は現在でも確認されていない。
[新冷戦]
アメリカ合衆国 大華中人民連合 新ロシア連邦共和国によって形成された三極構造の冷戦である。
大華中人民連合は自らの経済圏の拡大と、資源の集約を遮二無二すすめ。
新ロシア連邦共和国は自国周辺の国家の取り込みに躍起になっている。
アメリカ合衆国は何とか秩序を維持しようとしているが、国内に慎重論が根強く、上手くいっていないのが現状である。
欧州諸国は二枚舌・三枚舌外交に終始している。
そして、日本は独自路線を歩もうともがいている。
アメリカとロシアの間では、かつて外していた核ミサイルの照準が再び相手国に向けられる事となっている。
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新ロシア連邦 クレムリン 大統領執務室
「・・・・・・以上です」
「なるほど・・・・・。 次の報告は?」
室内には、一人の壮年の男が豪華な装飾が施された執務椅子に腰掛け、幾人ものスーツ姿の男達と、華美に装飾され勲章を大量にぶら下げた軍服に身を包んだ男達が士直立不動の姿勢で待機していた。
その場は、重厚で重苦しく、華美な装飾が施され、天井の豪華なシャンデリアが明かりを作り出す室内は、その場に足を踏み入れた者に権力を見せつける為に計算されて造られていたが、設計者の意図とは逆に、余りにもワザとらしく、作り物みえていた、まるで良く出来た映画のセットの様に現実感が無かった。
この場所は、いかにも"超大国の指導者の部屋"といった、雰囲気を作り出しているのである。
「続きまして、我が軍の損害ですが・・・」
一人のスーツ姿の男が続けて資料を片手に説明する。
「うむ」
「想定の範囲内です」
「あれほどの損害でかね?」
室内で唯一椅子に腰かけている男、大統領が身を乗り出し、報告を続ける側近に無言で続きを促す。
「はい。 実質的な損害は航空機とそのパイロット、そして空挺部隊の兵隊に限定されます」
室内に居た軍服の男、空軍の将軍が補足の説明をする。
「航空機と空挺部隊の装備に関しては、金額的に確かに痛い物がありますが、人的資源に対しては十分補充可能な範囲に収まっています」
側近が将軍に少し視線を向けてから、視線を資料に落とし報告を続ける。
「装備面に関しては国内の業者に既に発注済みです」
「ふっ、手回しが良いな」
「恐れ入ります」
大統領は手を軽く振り、側近を下がらせる。
報告の終わった側近は一礼し、一歩さがり、元の位置に戻る。
大統領は椅子を半回転させ、部屋に飾られている地球儀に視線を向け、考えを纏める。
「・・・・・アメリカが艦隊を失い、中国が国家の消滅か」
ここ数日間で引き起こされた、世界の激動について考える。
「両国とも、以前の様な力は無いか・・・」
大地から切り離された中国大陸から、電波が頻繁に発進され、何とか他の浮遊大地の住民と連携を取ろうと躍起になっているが、お国柄の主導権争いを終始し、地上で傍受した電波を解析しても、罵詈雑言だらけで、上手くいっている様には見えないのが現状である。
しかも、他国の領域を通過しした際にはここは我が国の領空だと上空から喚き散らし、ゴミや廃棄物を平気で撒き散らし、鬱陶しい事この上なかった。
中国に至っては、もはや国家そのものが無くなったに等しい。
「世界を主導する唯一の超大国」
「スターリン時代の夢か・・・・・」
世界をロシアの国旗で埋め尽くす。
それは世界の支配者を意味していた。
大統領は再び椅子の向きを正面に向け、側近や軍人に言葉を続ける。
「そして、今、もっとも急がなくてはいけない事が・・・。 中国だ」
「はい」
「周辺国の動きは?」
「相変わらず、日本は動いていません。 国内問題で手一杯と考えられます」
大統領は無言で頷く。
矢吹は優れた政治家だ、おそらく国内を早急に纏め上げるだろう。
だが、それは今すぐでは無い、現在はそれで十分である。
中国大陸跡地の海を実効支配し既得権益を得るまでの間、余計な動きを阻害できればそれでいいのである。
「インドやミャンマーなどの東南アジアの各国は、領海権を主張すると思われますが、実質的な支配の為の船舶の派遣には時間がかかると思われます」
内陸の、しかも世界最高峰の山脈に海軍など必要ないのである。
もし配備していたら、その国の指導者は、愚かで間抜け以外の何ものでもない。
「海軍派遣するにも大回りを強いられるか・・・」
「韓国・北朝鮮は活発で。 国民性なのか、既に両国のメディアは"韓国内海"だとか"首領海"とか騒いでいます」
「極端な一部のメディアは、『中国の発祥は韓国だ! 故にその内海は我が領海だ!』とか支離滅裂な主張をしています」
大統領を始め、室内に居た全員がその言葉を聞いて嘲笑する。
「モンゴル・カザフスタンなどの内陸国家は、もともと海に接していない為、混乱しています」
「領海権を主張しても即座に動く事はあり得ません」
大統領は身を乗り出し、意見を求める。
「諸君らはこの現状をどう観るかね?」
「我が国の拡大のチャンスとするべきだと考えています」
「理由は?」
「即座に艦隊を動かし領海の既成事実化を推し進める事が出来れば・・・」
「大洋に繋がる港の確保と、莫大な海底資源を・・・」
「我が国の物にできると?」
大統領は椅子に身体を預け、天井を見上げ考えを纏めようとする、側近たちは次々と大統領の決断を促す。
「混乱した世界に秩序を齎すのが大国の役割です」
「世界を主導する唯一の超大国の役目と考えます」
彼は再び、正面に視線を向ける。
「なるほど・・・・。 それで、諸君らは我が国に何が必要かね?」
「ウラジオストックの太平洋艦隊は既に動いています」
「侵攻の後始末か」
「はい、一部の艦隊は即座に、救出及び回収作業を中断、現場に急行中です」
彼等にとって、いくらでも補充が可能な兵士で、しかも生きているか死んでいるか分からない行方不明者など、後回しで十分なのである。
彼等の頭には国民の事などは、端から頭に無かった。
頭にあるのは、権力と権利、そして金銭の事だけである。
室内に居る幾人かは、既に戦後に手に入る私財の算盤を弾いていた。
「地上軍は?」
将軍が一歩前に出て発言する。
「国境線に部隊を集結させるために準備中です」
「大義名分は?」
「国内でのテロと、相手国内でのロシア系住民の殺害が妥当と考えています」
「テロリストによる政治家の殺害も既にリスト化しております」
彼等のいつもの手段である、国内テロを理由とした他国への侵攻、手慣れている為に非常に手際が良かった。
「周辺国ではロシア系住民の反政府デモと、それを標的としたテロが数日中に行われる予定です」
大統領は顔を歪ませ、非常に意地の悪い笑みを浮かべた。
「国際法的にも十分な言い訳だな。 時間はどれ程必要かね?」
「24時間以内に」
時間的には侵攻してから、デモとテロが起こる事になるが、そんな事を気にする者はこの場に居なかった。
大統領は椅子から立ち上がり、軽くスーツを整える。
「多少、時間は前後するが、記者会見の用意をしたまえ。 国民を鼓舞する原稿もな」
「はい」
「それと、必要とあれば核の使用も認める。 シベリアの・・・・、2から3の村を焦土にすれば、国民の怒りも沸点に達するだろう」
「・・・・中国製の核を使用した、核テロのシナリオを至急用意します」
彼等にとって、中国など既に存在しない国の事である、良心の呵責など、一グラムも感じなかった。
部屋の隅に置かれている地球儀の傍から、この場に存在しない筈の若い女性の声が響く。
「事実は小説より奇なり・・・・・。 先人も良く言ったものね」
「?? !!!」
「誰だ!!」
「何時の間に?」
部屋のドアが乱暴に開け放たれ、隣室より密かに監視していた大統領を護衛するSP達が、防弾チョッキとPDWとアサルトライフルを手に室内になだれ込んで来た。
「何者だ!」
「何処から侵入した!」
アサルトライフルを構えた兵士達が、室内の隅にいつの間にか現れた一人の女性を取り囲み、SP達が大統領を背中に保護しその身を盾とする。
翠玉の重甲を身に着けた眼鏡をかけ、壁際で読書をしていた一人の女性が、読んでいた本を閉じ、傍に置いてある地球儀に手をあて、静かに回す。
手からほんの少し光が洩れ、地球が静かに回る。
室内に地球儀が回る擦れた音だけが鳴り、女性が肩を竦め溜息をつく。
「今時、三流の冒険小説でも、こんな陳腐で分かり易い陰謀なんかしないわ」
一人のSPが、彼女の死角と思われる場所から、もっとも実際には彼女に死角など存在しないが。
彼女の腕を取り捻りあげ床に叩きつけ拘束しようと、脇から音も無く接近し、電光石火の早業で彼女の手に触れた、次の瞬間、彼は漆黒の闇に突き落とされ、全身に激痛が走り、心に恐怖が生まれる。
誰もが、これで終わったと思った時、彼女、マイヒメの手を触れたSPの絶叫が室内に響き渡った。
「ぎゃっああああああああっ!!!!!!」
彼は地面に倒れ込み叫びながら、のたうち回る。
彼が彼女を拘束した時に、援護しようとしていたSPの同僚たちが、構えたをとったまま固まる。
室内で動けた者は誰も居なかった。
恐ろしい程の静寂の中、SPの絶叫と、マイヒメの呑気な声だけが室内に満たす。
「あら~? わたしに不用意に触ろうとすると不幸になるわよ。 ・・・・・・でも、運が良いわね」
「がっああああ!!!」
「この様子だと・・・・、幻痛と・・・・」
「ああああああっ!!!」
「暗黒」
「いぎっぎぎぎgⅰ!!!!」
「恐怖と言ったところかしら・・・」
「gyrtkwOAtD!!!」
「回避不可の即死や、効果永続の石化なんかもあったのに・・」
「wdY|,-m/pNvV!!」
「効果が一時的な状態異常ばかり引き当てるなんて・・・・・」
「gl)M!ℋ♯,TNC5!!!」
「・・・・・・・本当に運が良いわ」
「4j&!RxE~t-%q!!!!」
「・・・・・・」
「ZpqcdjLF|4tG!!!!!!!!!!」
「喧しい!」
マイヒメは怒鳴り声と共に、既に人の可聴域を超えて、意味のある悲鳴を吐かなくなったSPのわき腹を蹴り飛ばした。
SPはサッカーボールの様に飛び、反対側も壁に激突して気絶、強制的に黙らせられた。
「男なら! ギャンギャン!騒がないで! 少しは我慢しろ!」
「「「「・・・・・・・・」」」」
この瞬間、室内にいた育ちも、年齢も、立場も違う者達の心は一つとなり、同じ結論に至り。
((((お前だ! お前がやったんだろ!!))))
心の中で同時にツッコんだ。
この理不尽な行為が、状態異常を喰らったSPに幸いした、あのまま意識が有ったら間違いなく発狂していた所である。
その代わり、連日の悪夢に悩まされる事は許容しなければならないが。
「男なら! ギャンギャン!騒がないで! 少しは我慢しろ!」
((((無茶言うな!!))))
賢明にも声に出して、指摘出来た勇者は皆無であったが。
「偶然に感謝するとしよう。 こうして会えたのも何かの縁かな?」
いち早く復帰したのは、さすがは大統領であった。
「・・・・・偶然ではないわ」
マイヒメ振り返り、大統領と向き合う。
「なぜだね?」
「必然だからよ」
大統領は再び椅子に腰を降ろし、彼女と向き合う。
「先ずは、部下の非礼を詫びよう」
「・・・・良い心がけね。 今更遅いけど」
彼の眉が若干、跳ね上がるが、直ぐにポーカーフェースに戻る。
「それでは、君はどの様な目的を持ってこの場に姿を現したのかね?」
大統領の問いに、マイヒメはたった一言だけ告げた。
「報復」
室内にいた大統領と気絶したおSPを除く全員が、室温が氷点下まで下がった様に感じた。
「まあ、待ちたまえ。 些細な行き違いで、君達に不快な思いをさせてしまったのは私の不徳とするところだ」
彼にかかれば二十そこそこの若者を、口先だけで丸め込む事など簡単な事だった。
国際社会の荒波を口先の恫喝と、美酒と言う名の毒で、渡り歩いてきた自身の能力に、彼は絶対の自信を持っていた。
「君達が我が国に協力してくれれば、世界はより良い方向に導けるのだよ。 無論、それを良しとしない者達も多いのも確かだ」
大統領は自らの刑の執行を許可するサインを。
「我が国なら、君達や家族の安全に万全の態勢で臨める。 我々としては、君達や親しい者達が不幸になるのは、決して見たくないし、あってはならない事だと考えている」
自筆で書こうとしている事に。
「恒久的な平和・名声・富、君達が必要とするあらゆる物が、君達の協力と、我が国の努力次第で手に入るのだ」
気付かずに喋り続けていた。
「君達が必要とする全てを、我が国なら用意する事が出来るのだよ」
優しげで、よき理解者の笑みを浮かべながら、回答を促す。
「どうだろうか?」
マイヒメは満面の笑みを浮かべ言葉を紡ぐ。
「・・・・・・・・・わたし達の答えは既に決まっているわ」
「(勝った! ふっん! 若造が!) おおっ! 決断してくれたか! 我が国は君達を歓迎する」
大統領は、芝居がかった台詞と共に、椅子から勢い良く立ち上がり、笑みを浮かべ両手を広げ彼女を迎え入れる姿勢を取る。
室内にいる者、全員が万雷の拍手をする。
マイヒメは親しみやすい笑みを消し、絶対零度の嘲笑を浮かべ最後通牒を突き付け、【威圧】を解き放つ。
「情状酌量の余地なし。 纏めてこの世に生を受けた事を呪え」
「ひぎっ!」
「? ぐえ!」
「がっ・・」
室内に居た全員が気絶し、泡を吹いて床に崩れ落ちる、中には汚いシミを床に描きその中に突っ伏した者もいた。
十分、手加減した【威圧】でなければ、良くて心臓麻痺、悪くすれば存在そのものが素粒子まで分解されこの世から消し飛んだところである。
それでも効果の範囲は、執務室内に留まらず半径約100m以内の全ての人の意識を、問答無用で刈り取っていた。
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僅かな擦れる音をだけが室内で音を発し続けていた。
彼女以外、動く者が無くなり静かになった室内で、地球儀だけが僅かな燐光を発しながら、静かに回り続けていた。
「さて、無駄な時間を取られましたね」
マイヒメは床に崩れ落ち泡を吹いて気絶している大統領を一瞥し。
「あなた、権力が欲しかったのよね? だから、至高の玉座をプレゼントしてあげるわ」
彼女の姿が徐々に淡い光に包まれ始める。
「最高の座よ。 人類至上初の・・・・・・」
エメラルド色の光に彼女の輪郭が埋もれ崩れて行く。
「目覚めたら、最高の気分でしょうね」
光の中で彼女は足を軽く持ち上げ。
「・・・・・・・もっとも次の瞬間に残るのは絶望だけでしょうが」
床を一度だけ踏み鳴らす。
《コーン!!》
音と共に緑の光が、ビルの外壁や自動車、地面、電線など、ありとあらゆる物体を透過し爆発的に広がりクレムリンを超え、モスクワの行政区画の大部分を呑み込み、半径約20kmの半球状のドームを形成された。
半球状のドームの中でありとあらゆる人工物が、まるでレゴブロックの様に適当な大きさに分解され、ドーム内を無秩序に漂い出す。
この地に暮らしていた人々は公園の樹木や犬猫などの動物と共に、悲鳴を上げながら漂う事しか出来なかった。
そして、次の瞬間、ドームが徐々に縮小し、代わりに中心から緑色の光の柱が天に起立し、分解された人工物は光に導かれるままに一か所に集結し、子供が出鱈目に組み上げたブロックの様に無秩序に、大人が組み上げたブロックの様にしっかりと組み上がり一つの塔を形成し始めた。
光の中にいた人は全てを目撃する事は敵わなかった、彼等もまた光に吸い込まれ意識を失ったのである。
この日、モスクワで行政区画と呼ばれていた地域は不毛の大地に変わり。
かつてクレムリンと呼ばれていた場所に、行政区画にあったありとあらゆる建物や人工物がレゴブロックの様に分解され、組み立てられた一つの塔が出現し、塔内部には人の暮して行ける環境が整えられ、樹木が生い茂り、迷宮の様に入り組んだコロニーを形成していた。
塔は最底辺が直径約5kmの円形で徐々に細くなり、先端は成層圏まで届いており、塔内には電気などの都市インフラが何処とからか供給され、約1000万人超の人々を養える事が出来た。
入り組んで複雑怪奇で良く迷子が発生するが、その割りに非常に住みやすい一体型の都市などである。
人々はやがて生活の基盤を塔内に整え、何時もと変わらない日常を営むようになっていき、人々は自らの生活を支える塔を誇りと皮肉を込め『愚者の塔』と呼ぶようになっていた。
そして、塔の出現以降、塔を昇り切る者はおらず。
又、当時の新ロシア連邦大統領と側近たちを見た者や行方は、誰も最後まで分からなかった。
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モスクワ上空で一人の女性が、塔の頂を横から眺めていた。
「約束通り、最高の玉座よ」
塔の頂、かつての大統領執務室内で大統領と側近たちは、まだ気絶中である。
「塔内部の気圧は調整してある、通路も設置してやった。 根気があれば降りられるでしょ」
SP達は下層に転移済みである。
「さて、さっさと帰りましょうか。 花火は特等席で見ないとね♪」
彼女はそう言い残して、モスクワ上空から転移する。
大統領執務室内では、地球儀が燐光を撒き散らしながら、静かに回り続けていた。
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新ロシア連邦 地下核ミサイルサイロ ポイント・アルファ ミサイル管制室
「電源ケーブルを叩き切れ!」
「大佐! 止まりません! システムは内部電源で動いております!」
「斧で打ち壊せ!」
「ダメです!!」
「クソ! どうしてこうなった!?」
「モスクワからのデータリンク途絶! コンピューターがこれに反応! 各ミサイル基地のコンピューターは、自動報復のプログラムを作動させたんです!」
「クレムリンの穴熊ども! 碌な事をしないな! 全てオートなら何故、我々が必要なのだ!!」
「誤動作時の生贄の為でしょう!」
「クソッ!」
「カッ カウント20秒です!」
「壊せる物は全て壊せ」
「10秒! ・・・6・・・3 2 1 0・・・・・」
「Son of a bitch!!」
砂漠と言ったら・・・(笑)
2世 ザ・リターナーは意外と面白いです(笑)
次回「DAY-07 レーヴァテイン」
DAY-07の題名は聖剣・魔剣から考えています。




