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プロローグ

先ずは、どういった連中かという内容です。

退屈だった。


 100層を遥かに超え「深淵の迷宮」と呼ばれるダンジョンの最深部。 地上に在る如何なる帝王の玉座より華麗にして、壮麗、あらゆる贅を尽くした。 まさに魔王と称する者に相応し玉座にて、その魔族は、地上に更なる、支配という名の絶望と、破壊という名の蹂躙を振りまくべく思案していた。


暇潰しの為に。


 幾つかの小国が呆気なく滅び。 この地方一の軍事大国の帝国が、抵抗らしい抵抗もせず、地上から消えた。

 魔王にとって、戦争とも呼べないその行為は、暇潰しにする人間の作った盤上遊戯をするより、簡単で退屈なものであった。


「簡単なものだな・・・」


 この前などは、退屈を紛らわせると思っていた、人間達に神託を受け勇者と呼ばれる者が、共の者達と迷宮に挑んだが、10分の一も進まぬ内に骸さらした、期待してただけに魔王は心底、失望していた。


 この分では、あと一年程で地上を支配できるだろう。 次は天上の神々にでも挑んでみるかと考え、少し愉快な気分となり、久しぶりに声を出して笑おうと・・・

「フッ・


 それが魔王と呼ばれていた者の最後の言葉になった。

 魔王グライゾン 死亡 

 死因 圧死


「あら~。隕石召喚に、重力魔法は少しやりすぎだったかな・・・」


「いいんじゃな~い。あんなダンジョンじゃ欲しい素材も無いし、金や宝石は創った方が早いから。」


「結界で囲っていましたから、少し離れたら地震も起きていないはずです。」

「実験としては、手ごろでしたのでよろしいかと。」



氷結の龍王

 この世界に十頭もいない、古のときを生きる古竜の一頭。幾多もいる神々と同格で、最強の一角を占めるその存在は、最果ての列島を氷雪と暴風で支配していた。

 気まぐれに、ひ弱で脆弱な人間の都市を襲い、逃げ回る小さき者を甚振り、愉しんでいた。 眷属のものは海に浮かぶ木で出来た「船」と呼ばれるものを沈め、幾つ沈めるか賭けとの対象として遊んでいた、褒美は龍王の供として赴いた都市の人間エサ・・・


 惰眠を貪りながら龍王は、思考にならない思考をしていた。

 さて・・・ 次はどの都市を襲うか、小さき者の中には、我に歯向かう者も居る。 その必死さが実に面白いと・・・


 そんな退屈な日常も、突如、終わりを告げる。 この地の下を流れる地脈と魔脈が行き成り変化したのだ。 確かに地脈や魔脈はその流れを変える、しかし、それは数万年単位での非常にゆっくりとしたもので、この様に急激に変化する物ではない。 ましてや、これらを動かそうとするのは、龍王はもとより神々にも不可能なことだ。

 龍王は戦慄した・・・ ‘人為的に地脈と魔脈を動かした者?がいる’ 自分でも不可能なことを・・・

 直ちに、眷属を周囲に放ち、情報を集めさせた。 報告は直ぐに届いたが、それは驚愕すべきものであったのだ。 なんと、これを成したのが他の龍王や神ではなく人間だったのだ。 しかも片手の指で間に合うほどの数の。

 同時に届いた報告は、さらにとんでもないものであった


「これだけ流れを変えれば、温泉くらい湧くかな?」


その日、最果ての列島から龍王とその係属が消えた。

氷結の龍王 逃亡

行き先 不明


光輪翼の神

 幾多の神の中に在りて自らを絶対神と称する神。 その称に相応しく、絶大なる神力と数多の天使を率い。 法と秩序、光と慈悲を地上に齎し。 人々を導き、悪を討つ神として地上にて最大勢力の信徒を誇る、教団。

 その教義は、神が定めた終末の刻、腐敗し堕落した生命を救済した後、浄化した大地に選ばれた民による楽園を築くというものであった。


 そして今、神託によって、神が定めた終末の刻がきた・・・ 敬虔な信徒は神殿で祈りを奉げ。 天上において次元の門が開こうとしていた。

 地上を浄化する為に遣わされる天使の総数、約四十万、地上を更地に変えるのに十分な数といえる。

次元の門が開こうとした、まさにその時。


 言葉に言い表せない「ズッガン!」とも「ズドン!」とも、聞こえる音と共に、次元の門が吹き飛び、白や青にも見える光の放流によって、「光輪翼の神」の領域を蹂躪しつくした。


 一方、地上では、その時、紙袋の破ける様な音が空から聞こえてきた。



「う~ん・・・ おかしいな~・・・」


「どうしたんだ?」


「計算が合わない・・・」


「??」


「神術砲の光線が途中で消えちゃったの・・・」


「所定の威力は出ています。」

「観測データの結果から、途中で何かに命中した様です。」


「? 弾いたの? 其れとも吸収されちゃった?」


「いえ、別の次元にシフトした感じです。」


「? 実害なければいいんじゃないのか? 今日はもう遅いから寝ろ。 明日もう一回、打てばいいだろ?」


「うん! そうする。 じゃっ おやすみ。」


「おやすみ。」


「おやすみなさいませ。」


光輪翼の神の信徒は、この日を境に減少の一途を辿り、5年後に教団は消滅する・・・

光輪翼の神と天使達とその領域 消滅



のんびり、更新します。

途中で 説明文やワールドガイドが挟んできます。

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