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Module1.エンカウント

俺の名前は、吉田卓郎よしだたくろう

オタクでダサメン、彼女イナイ歴=年齢の27歳。

男子だけの高専から編入で国立の工学部情報系学科へ進学、青春時代をコンピュータプログラミングに明け暮れたナード(コンピュータオタク)である。

デート?ナニソレ食べられるの?というくらい女性には縁がなかった。


いいの、俺には二次元があるから。


とまでは言わないが、正直どう扱っていいかわからない女性という生き物と会話するよりは、わかりやすい結果が出るコンピュータをいじっている方が楽しい、というタイプであった。


健康維持のためのウォーキングはしているが、特に体を鍛えるという趣味もないため、筋肉は申し訳程度のガリ。

オタクの象徴のような眼鏡に、最近床屋にも行ってない感じのぼさぼさ黒髪。

ファッションセンスはまあ推して知るべし。

休日はその辺のイベントでもらったTシャツにジーンズというラフな格好が定番である。

出社時には申し訳程度にジャケットを羽織るが、その下は似たようなものだった。


お堅い企業なら怒られる格好かも知れないが、うちの会社はベンチャー系の若い会社のせいか、結果さえ出せば何も言われない。

がたがた文句をつけて才能ある若者に逃げられると困るのだ。

まあ、自分で言うのもなんだが、青春をコンピュータに捧げただけの技術は持っていた。

院生時代にコンテストに出したプログラムが入賞。

それを見たこの会社の社長にうちに来ないかと誘われて入社。

以来、ある程度自由に開発させてもらってきた。


天才とまでは言わないが、優秀なプログラマ、それが俺。

そんな俺がなぜか今、全速力で走っている。

足の下には緑、丈の低い草が目の前一面に広がっている。

日本じゃちょっとお目にかかれない光景。何しろ地平線が見える。


そして、背後には、虎。


いや、正確には虎に似たモンスター、ホワイトサーベルタイガー。

俺がこれまで開発してきたVRMMORPGに出てくるそいつが、俺を餌にしようと追いかけてきていた。


なんでこんなことに…なんて考える余裕もない。

俺はその爪と牙に本能的な恐怖を感じて全速力で逃げているのだった。

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