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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕は主人公になれなかった。

作者: 5歳女児

高校をさぼり始めて3か月がたった。

僕は決して恵まれていないわけではない。

親は僕のやりたいことをすきにやらせてくれるし、家も裕福な方だ。

先生や親は私がいじめられているのではと心配してくれもする。

でも違う。私は何か特別な理由で休んでいるわけじゃない。

僕は勉強も運動も才能がない。

かといって努力できるタイプでもない。

友だちはいない。

中学生くらいからだろうか、私は他人に劣っていることをだんだん感じ始めた。

学校に行っても、内容がろくにわからない授業を受け、帰るだけ。

それにどうしようもないめんどくささを感じ学校を休み始めた。

学校をさぼると、そのたびに罪悪感にさいなまれる。

親は苦労をして私を学校に入れてくれているのに、私がさぼることに文句ひとつ言わない。

それがどうしようもなくつらかった。

家にいても、寝ながらユーチューブをみてだらだら生きるだけ。

一日が終わるころには、今日も何もしなかったという無力感だけが残った。

4か月前、そのころから学校を休みがちだった僕は、担任に呼び出された。

普段学校になぜ来ないのかについて聞かれた。

僕は、「特に理由はない」と伝えた。


「君の人生は君が主人公なんだ。やりたいことをすきにやればいい。それを先生は止めないよ。応援する。」


そう言われた。

みんなは自分の人生を、目的を持ち、主人公になって生きている。

でも僕は、モブキャラですらない。

誰かの記憶に残ることもない。

ああ、神様。僕が普通の人生を歩む方法を教えてください。

私には目標も、役割も、自分が何者かもわかりません。

僕は僕を愛せない。

主人公でなくても、脇役にはなりたい。

このねがいは届かない。


みんな僕のことを分かった風な口を利く。

なぜわかると思ったんだろう。

自分ですら自分が何なのかわかっていないのに。

私がこの世界を普通に生きて幸せになる方法を教えてください。

だれもこの質問の正解を出してくれない。

僕は何もしらない。

何もわからない。

僕は弱い。

貴方たちは僕のことを何もわからないし知らない。

ああ、どうか親不孝な僕を許してください。


私はどうにもダメ人間で生きることが嫌になりました。


今までありがとう。ごめんなさい。


僕は主人公にはなれませんでした。





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