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訓練場

今時の生徒はこんなにも好戦的なのかと思いながら講義で使う、訓練場に着いた。


「確認したいんだが、俺は攻撃禁止。おまえらは、俺に自由に攻撃してくると。」

「えぇ、そうよ。あぁ、安心してほしいことが一つ。致命的な攻撃はしないから当たってもあなたの負けが決まるだけだ。みんな構えて。」


少数精鋭とでも言いたいのか。っは、馬鹿らしい。平和に囲まれたやつらがどれほどのものか、見ものだな。


「いや、殺すつもりで来い。そうでなければお前らの本来の力を発揮できないだろ?」

「そこまで私たちを舐めるような発言をしたのは、あなたが初めてですよ。合図はそちらが。」

「んじゃ始め。」


開始とともに俺の周りを囲むように円状に広がった。

ん?なんだか強い殺気を感じるな。後ろの女とその横にいる男。アンジュでもヘイロでもないな。

殺気に気を取られていたら、ここぞとばかりに突っ込んできたやつがいた。

おそらくフェスという女だろう。得意な武器は片手剣とか、自己紹介に似つかない挨拶をしてきたのが印象的だ。


「殺す。」

「あ?」


分かりやすいように濃い目で広範囲の()()殺気を放つ。

明らかな反応を見せ、フェスは俺と距離を取った。フェスだけでなく、その場にいた全員が驚愕していた。


「ちょ、ちょっと。攻撃はしないというルールだったでしょ。」

「あぁ、攻撃ではないな、軽い殺気を飛ばしてみただけだ。挑発したのだが、これで終わりか?」


俺はさらに火に油を注ぐような発言をして、生徒達の苛立ちをより強く感じ取ることができた。

が、先ほどから二人ほどうまくコントロールしている生徒がいる。

名前がまだ覚えられていないので、誰なのかは分からないが、ここまで無表情だと何かこうくすぐられるな。


「もうちょい強くしてみてもいいか...。」


未だ怖気づいて動けていない生徒達に先生なりの愛を送ろ

ほれ、さっきより0.5倍ほど強い殺気だ。


「......っがは!?」

「ぁ...あ....。」


殺気を少しだけ強くしただけでこれか。

やはりこの国の若者たちはダメだな。

呼吸の仕方も忘れてしまったようだ。


「っし!」

「?...おっと。」

「なんで今のが避けれるわけ?」


あぁ思い出した。この女はアンジュと仲良さそうにしていたやつじゃないか。確か名前は、ニェリカ。

んで、こっちの男は、ニェリカと一緒にいた、モア・キール。こいつも貴族様だったかな。


「10人もいて二人だけか?情けないやつらだなおまえらは。アンジュ。さっきまでの威勢はどうした?」


床で這いつくばって呼吸を整えているアンジュは、俺の言葉でさらにメンタルを削られたのか、怖い顔で睨みつけてきた。


「そこの二人が俺に攻撃を当てられれば勝ちだな。...ん?」


次はどうくるかと楽しみにしていたら、廊下の方から教職員やら警備員が走ってきた。


「おい!訓練場で何をしている。使用許可が申請されていないぞ。」

「そんなことより、なんだ今の殺気は?侵入者か?」

「そんなことより私の生徒は?」


やってきたのは、学園長と、警備員、他の先生がきた。


「イヴ先生、これはいったい何事ですか?殺気も抑えてください。」

「学園長、これはこれは、えぇとですね。」

「学園長、私たちが先生に申し込んだ決闘なの。迷惑をかけてしまいごめんなさい。」


立ち上がったアンジュが学園長に説明したことで、俺の仕事は失わずにすんだ。

訓練場の使用許可があるなんて学園長から教えてもらってないぞ。

ひとまず倒れこんだひ弱な生徒を起こしつつ、そのまま解散となったので、誰よりも先に学園を抜け、帰路についた。

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