表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/18

17.お風呂で考える

不定期に更新します。

 クロードはその後20時過ぎまで粘って勉強を続けたが、妻によってお風呂に連行されていった。が、流石に一緒に入るのはダメだから、俺が一緒に入る。

俺はシャワー派だが、夜は少し冷えることも増えてきたので妻が湯舟にお湯をはった。それを見てクロードが驚く。


「驚嘆でござるな。」

「すごいだろ、自動湯沸かし機能。」

「機能ではござらぬ、水資源の豊富さでござる。我が城では湯殿は使えるが一般庶民にまでは到底無理である故。

 パパ殿、ここではどの家でも毎日湯殿に浸かるのが当たり前でござるか?」

「ああ、俺はシャワー派だから湯舟に入らなくてもいいんだけどな。風呂好きなら毎日入ってるんじゃないか?」

「この国では水はどの様に得ているでござるか?」

「ん-基本的に雨じゃないか?」

「なんと恵まれた国でござるな。」

「お前の国は島国じゃないのか?」

俺とクロードは並んで頭を洗う。イスが一つしかないのでクロードには桶を逆さにして座ってもらう。

頭の泡を落とした後は身体を洗う。シャワーヘッドに驚いている。


「これはまた合理的で便利な…

 水が優しく広範に降り注ぐ如き。全身を洗うのにとても良い塩梅でござる…

 これは是非とも我が城にも所望するで候!」

「まずは泡を流して湯舟に入ろう、クロード。」

機械的な機能には驚かないが、シャワーヘッドやノートやボールペンのような技術的な製品には驚くのがアンバランスだ。


「パパ殿、このシャワーなるもの、後で分解しても宜しいか?」

「ん?ああ、シャワーヘッドならほら、こう回したら外れるぞ。ほい。」

ウチのはホース一体型じゃないからヘッドだけ外れる。渡したら嘗め回すように凝視し始めた。


「形状はすごく単純だろ?ただ穴がたくさん空いてるだけだ。」

「水に勢いが必要というわけでござるか…」

「水圧…じゃなくて水量か?どっちかか両方か、そっちの方が重要かもな。

 お前の国に水道は整備されてるのか?」

「水は其々の家にて(かめ)に貯め置いて使っているでござる。

 その水道というのは水路のようなものでござるか?国中に張り巡らされていると?」

「水が通る管がな、地下に埋設されているんだ。それで貯水池から各家庭に水が送られてきている。ほら、こうして蛇口を開けると水が出てくる。」

「見事でござる!やはり水資源が豊富ならこその設備でござるな…」

何やら考え込んでしまった。

十分温まったし遼太の身体が上せる前に出るとしよう。


「おーい、出るぞー。」

あ、いつもの癖で妻を呼んでしまったがクロードは自分のことは世話出来るんだった。

妻が来てしまったがいいだろう、とクロードを託す。妻は嬉しそうに世話をしているが、大人しいと思ったらクロードは考えに耽っていたようだ。


「よし、決めたでござる。」

ん、どうした?


読んでいただきありがとうございます。

ブクマ&いいね&評価、大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ