15.すでに近未来はやってきていた
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「パパ殿、ママ殿、空気と水と電気で作れる未来の食事とはどんな食料でござるか?その工程は如何様なものでござる?」
「えーと、“50%のタンパク質と10%程度の脂肪、25%程度の炭水化物を含有していて、見た目は小麦粉に似ており、きちんと味もする”...
作れるのはたんぱく質の粉みたい。それを加工したらいろんな物が作れるってことね。
作り方の原理は載ってるけど、工程までは載っていないわ。」
「すげえな。科学はそこまで進歩してたんだなぁ。」
「まずは原理を教えて欲しい故、読んで下され。」
クロードは必死に書きとる。俺にはよく理解できないけどわかるのか?
「詳しいことはこの会社のホームページ読んだらいいと思うんだけど、これフィンランドの会社なのよ…」
「フィンランド語?」
「英語みたい。だけどわたしも彰人も英語得意じゃない…」
「クロードは字は読めないけど、言葉はわかるんだっけ?」
「自動翻訳されるはずでござる。」
「音声読み上げ機能使ったらどう?」
「そうね!それでやってみましょう!」
E-Padの機能を使ってクロードはホームページの内容を勉強している。ちゃんと翻訳されているようだ。
すごいな、それこそドラ○○んの翻訳こん○ゃくじゃないか。
「この技術は理想的でござるが、やはり必要な設備や詳細な工程が分からぬ。やはり直接対話が必要でござるか…」
「うーん、困ったな。どうやって問合せするんだっていう前に、そもそも教えてくれないだろ。」
「何故ゆえ?」
「ビジネスだからな、そうそう知財は明かさないさ。」
「むむむ…」
「クロードの世界に魔法陣や魔法道具はあるんでしょう?
それで設計して作れないの?」
「おー!そうでござるな。そういった魔法陣か魔法道具を開発すれば良いやも知れぬ!よし、ではもっと学ばねばならぬ。正直なところ、さっぱりわからぬ。」
やっぱり難しいよな!俺たち研究者じゃないし。
「もう一つアメリカの会社もあるみたい。こっちも空気と水と電気から人工肉を作るんだって。」
「本当にすげえな!人工肉がスーパーに並ぶ日もそう遠くないぜ?」
「本当ね〜。クロードがウチに来なかったら知らないままだったね。」
「とりあえず知らない言葉が沢山ござるので、理解する為にも勉強するでござる。」
「頑張るのはいいけど、ご飯はしっかり食べて、風呂も入って夜はちゃんと寝てね。今日夜は何にしようか?」
「肉!」
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