13.ドラ〇〇んはどこだ!
今後は月・木・土に更新します。
「では続きと参ろう。太陽光発電の製図と材料についての詳細をお願い候。」
「うーん、ちょっと待ってな…お、けっこう図面もあるか?
一から作るとしたら、全部の設計図が必要なんだよな?」
「そうでござる。拙者の世界には電気エネルギーというものはない故、全て作り上げなければならぬでござる。そのための製図と材料について勉強せねば。材料もないものは代替品が可能かどうかも検討して、それから…」
ブツブツと言いながら、いろいろと書き出し始めた。
「そういえば、大事なことを思い出したでござる。
閣僚や技術者共から、まず最初に希望する技術一覧を書き出して、其れのうち可能な限りの知識を調べるよう言い渡されておったのでござる。」
「おいおい、それ重要じゃないか。じゃあまずはそれからだな。」
乳幼児が何かガリガリと勉強している姿を実際に見るのはシュールだ。漫画ではよくあるけど。
「ん、完成でござる。これが希望する技術一覧で、一番から希望が高い順となってござる。
拙者、読み上げよう。」
「よし、俺書き取るわ。」
「一番、空気と水から食料を生みだす技術。
二番、天候を操作する技術。
三番、任意の遠方地点へ空間を繋げて移動する技術。」
「ちょ、ちょっと待て!そんな技術全部この世界でも無理だから!」
「む?無理でござるか?とりあえず続けよう。何か一つくらいは可能でござろう。」
「俺、嫌な予感がする…」
「では四番、たちまち病人・怪我人を治す技術。
五番、物を複製・製造する技術。
六番、物の大きさを自在に変化させる技術。
七番、地下に巨大空間を作り出す技術。
八番、強固な障壁を作り出す技術。
九番、相手を一瞬で眠らせる技術。
十番、凶暴な生物を屈服させて使役する技術。
十一番…」
「待て待て、待ってくれ!いったい何番まであるんだ?」
「ざっと五十番ほどでござるが?書き取りが追い付かぬのか?」
「いやいやいや、10番まで全部無理だから!
これ全部ドラ〇〇んいないと無理だから!」
「そのドラ〇〇んと言うのは、高明な博士でござるか?!どうしたら拙者、その御仁に会えるでござる?教えて下され!」
クロードは素早く移動すると、俺の膝の上に乗って肩に手を置いて揺らし始めた。遼太なのに結構力あるな。
「ちょ、ちょっと落ち着いて!」
さすがに遼太の身体なので、抱き上げたら簡単に引き剥がせた。
「ドラ〇〇んは架空のロボットだから!
この世に存在するわけじゃないんだ。」
「架空…ではこれらの技術はこの世界には真に実在しない…
承知した。では十一番以降を続けるでござる。」
険しい表情をしているが、切替が早い。すげえな、見た目は俺の息子なのに。
つーか、これ逆に50番から聞いた方がいいんじゃ?
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