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12.解せぬ…

「クロード、そういえばトイレ行った?」

「ああ、俺がさっき連れて行った。便座に届かないから座らせたよ。あれだろ、子供用の便座。」

「そうそう。遼太はまだトイレトレーニング始める前だったから使ったことなかったの。」

「幼子の身体は小用の間隔が早いでござる。もう一度行っておかねば。」

「じゃあ俺が連れてくわ。」

「うん、ありがとう。わたし片づけちゃうね。」

「おお、ありがとう。」

夫婦間とはいえ感謝は大事だ。あとでぐちぐち言われないためにも俺はこまめに言う派だ。


「わたし、この後少しお昼寝してもいい?」

「ああ、お前昨日ちゃんと寝てないもんな。クロードはさっきの続きからやるか?」

「あ、待って。遼太今朝歯磨きしてないから、クロード歯磨きしてくれる?」

「あい、承知。」

「本当に楽ね。ご飯もトイレも歯磨きも、全部自分でやってくれて。

 寝不足や疲れてるときは助かるわ。ふあ~、じゃあまた後でね。」

妻は昼寝をしに寝室に行ってしまった。

俺はクロードの知識チートで技術革命!を手伝うべく、ソファに座ってクロードが写し取ったノートを見ていた。

ん?文字は読めないけど、あいつ絵が上手いな。


「待たせたでござる。ん、何か?」

「いやー、お前、絵上手いな。」

「それはもちろん。拙者の記憶のみが異世界から持ち帰れるもの故、模写は非常に重要でござる。何年も勉強と練習に励んできたのでござる。」

「へえー、じゃあクロード。自画像は描けるか?お前はどんな顔してるか描いて見せてくれよ。」

「お安い御用でござる。」


俺はクロードが自画像を描いてる間、あることをネットで調べていた。

クロードの名前だ。クロウドで調べたら“蔵人”でヒットした。

エンジュというのも調べたら“槐”でヒットした。日本で実在する苗字らしい。


「なークロード。お前の国なんて言うんだっけ?」

「ヤポーニア国で候。」

調べたらロシア語とかポーランド語で“日本”って出てきた。

なんだ、あいつやっぱり日本の江戸時代みたいな世界から来たんじゃないか、そう思い始めた矢先…


「完成でござる。これが拙者の姿見で候。」

「なんでだよ!お前盛ってないよな?」

「盛っている?の意味が分からないでござるが、正真正銘拙者の姿見でござる。」

「なんで見た目は欧米人なんだよ!」

「何か?」

クロードは喋り方も名前も古風だったが、見た目は西洋のイケメンだった。

なぜだ。解せぬ…

読んでいただきありがとうございます。

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