表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

おっさんはJKギャルを受け入れる

「ふぁ……おはよ、ニッキー。」


「おう、おはようさん。」


朝、台所で朝食を作っていると、麗華が眠そうに目を擦りながら挨拶してきた。

美しい金髪が朝日に煌めいている。


「何してんの?」


「見りゃわかんだろ、朝飯だよ。」


メニューはバタートースト、スクランブルエッグ、カリカリのベーコン、トマトサラダである。

俺は朝は和食派だが、なんとなく麗華は洋食派のような気がした為、こういうラインナップにしてみた。


「美味しそうな匂い。ニッキー、料理とかするんだ。」


「意外か?」


「うん。」


即答かよ。

正直なこって。


「もうすぐできるから顔洗ってこいよ。時間はまだ大丈夫なんだろ?」


「うん…てか私のもあるの?」


「おう。」


「ん、わかった。」


嬉しそうに笑いながら、麗華は洗面所へ向かった。






「なにこれ、めっちゃ美味しいじゃん!」


カリカリベーコンにスクランブルエッグを乗せて食べた麗華が目を丸くした。


「そりゃ良かったよ。」


まぁ、作り手の技量は大した関係ないものばかりだけどな。


「むむ…ニッキーがこんなに料理できるとは…」


「そんな大したもんじゃねぇだろ。10年以上も一人暮らししてりゃ、誰だってこれくらいできるっての。」


「そうかなぁ…」



「それより、麗華はどこの学校に通ってるんだ?」


「精蘭だよ。」


知らねぇな。


「どこにあるんだ?」


「品川」


「そんな遠くねぇな。」


「ちなみに中高一貫の女子校だよ。」


「ほう、お嬢様学校か?」


「そういう娘もいるけど、普通の娘もいるよ。あと、私みたいなのも。」


ギャルもそこそこいるのか。

どんな学校だよそれ。



「昼飯はどうするんだ?」


「いつも学食か購買で済ましてる。」


「金あるのか?」


一応、家出中なわけだが。


「大丈夫だよ。これでもちょっとは稼いでるし。」


苦笑する麗華。

稼ぐとは?


「バイトでもしてんのか?」


「女性誌のモデルしてる。」


なぬ。


「まじか。」


「これでもちょっと有名なんだからね。男の人は全然知らないだろうけど。」


「まぁ、そんだけ美人なら不思議でもねぇか。」


スタイルも良いしな。


「………」


麗華が呆然としている。


「なんだよ?」


「ニッキー、そんな事言うんだ。」


「……忘れろ。」


特に褒めるつもりもなく自然に出た言葉だったからか、指摘されると恥ずかしいものがあった。


「やーだよっ」


悪戯っぽく笑う麗華の頬がほんのり赤く染まっていたのは、見ない振りした。






「お前、今日はどうするんだ?」


朝食後、制服に着替えた麗華に話しかけた。


「何が?」


「帰るのか?」


「……友達の家、行こうかな。」


「明日は?明後日はどうするんだ。」


「………わかんない。でも、まだ帰りたくない。」


「ずっと友達の家に厄介になるのか?」


「それは……でも、どうしたら良いかわかんないよ。」


悲しげに俯く。

大人びた見た目をしていようと、モデルとして稼いでいようと、やはりこいつは子どもなんだと、改めて思った。

自然とその頭に手を置く。


「ニッキー?」



「暫く、うちにいるか?」


「えっ………良い、の?」


驚きに目を丸くした。


「誰にも言わない事と、親父さんに連絡する事。これを守れるなら、家に帰れるようになるまでいてくれて良い。」


「……なんで、そんなにしてくれるの?」


麗華が瞳を潤ませて首を傾げる。

単純にほっとけないのもあるが、信さんの娘ということで、俺にとって麗華は身内のように感じていた。

だが、それを話す訳にはいかない。


「別に。一晩泊めて麗華の事も少しはわかったし、困ってんならできる範囲で手助けしても良いと思っただけだ。」


「…そっか………うん、ならお願いしよっかな。」


涙を拭い、嬉しそうに笑いながら麗華は頷いた。








その後、麗華は信さんに電話して暫くは友達の家に泊まるという話をした。

宿泊先にあまり迷惑をかけない事と、学業を疎かにしない事、そしてたまには連絡する事を条件に、信さんは承諾したようだ。


「駄目って言われると思ったんだけど…お父さんどうかしたのかな。何かあんまり詮索もされなかったし。」


と麗華が不審な様子で首を傾げていたが、全力で誤魔化した。


「こういう状況だからな。あまり深く探るのも、麗華の為にならないと思ったんじゃないか。信頼されてる証拠だよ。」


「そんなもんかなぁ……」


「とりあえず許可は貰えたんだから、良かったじゃないか。」


「ん、まぁね。」


訝しげにしていたが、すぐに切り替えたように顔を明るくさせる。


「よし、それじゃ今日からお世話になります!」


「おう、まぁ宜しくな。」


頭をポリポリと掻きながら返すと、麗華は面白そうにクスクスと笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ