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計画最終段階

泡立て器をガチャガチャと高速で回す。


『なんだか久しぶりですね。こうして一緒にお菓子を作りまくるの』


メナードが生地を捏ねている。


「そうだね。最近予定会わなくて別々に作ってたからね」


マリちゃんがチョコレートやナッツ類を微塵切りにしている。


「私もお師匠と修行以外でこうして作業するの久しぶりです。というか、もっと時間が欲しいです。忙しいのは理解してますけどちょっと寂しいです」


メレンゲができた。

次の作業に移る。


「それは本当にごめん。何とかして時間を空けたいとは思っているんだけど、何せわりと危険なことばっかで」

『一緒に連れていけばよろしいじゃないですか?最近お手合わせしましたが恐ろしく強くなってますよ』


型で生地をくり貫く。


「そうです!!結界術だけならクーよりも凄いです!!」


チョコレートを湯煎で溶かす。


「えええ、でもたしかに言われてみたら反射速度も上がっている気がするけど…」


この前テストとして、森のなかでランダムに魔法を放ってどのくらい防げるかをやったとき満点で。ついでに剣術も教えてみたら飲み込みが早くて軽い打ち合いも出来るくらいだった。


オーブンスタート。


「………そういえば意識したこと無かったけどマリちゃんを正式なテスト受けさせると何級になるんだろう」


素朴な疑問。

上級には入れそうではあるけど。

贔屓目なしで。


『これらを持って土地の主に挨拶に行かれるのでしょう?テストがわりにされるのは?辿り着くまでに何かしらの罠があるはずですし』

「うん、確かに…。でもなぁ…」


あんまり女の子を危険な目に遭わせるのは…。


「私も連れていってください!!このままでは弟子とは?という哲学に突入しそうです!!」

「??? まぁ、うん…? よくわかんないけどわかったよ。無理はしないようにね?」


ニヘラと嬉しそうにしているマリちゃん。

よくわかんない理論で押し切られたけど。

仕方ない。


「はい!!」















では、行って行ってまいります。と、荷物一杯にお菓子を詰め込んだバックを背負う。

見た目は軽そうだし、実際軽いんだけど、影収納の中はパツパツだ。


「ねえ、お師匠。私も荷物を持った方が良いんじゃないかしら?」


不安そうに声を上げるマリちゃん。

手には僕が杖から取り出して貸し出した剣のデュランバル。


「いーのいーの」

「でもお師匠ばっかりなのは…」


しょぼくれた顔をされてしまった。

僕なら喜んでるところなのに。


「…うーん。でもマリちゃん剣重いんじゃない?」


1.5㎏とはいえ、これからずっと持って飛ぶのに。


「これくらいへっちゃらです!アヴァちゃんの羽の加護の箒も使いますし!」


傍らには僕が作った空飛ぶ箒(超距離の移動用)に飛べる使い魔達の羽を使った加護の飾りがしてある。

本来なら身一つで飛べるんだけど、今回は結構遠い。

僕にはそんなでもないけど、マリちゃんにとっては初めての距離になる。


「いいかい、マリちゃん。過小評価は良くないけど、過大評価も良くない。しかも今回は初めて尽くしになるんだよ。こういう初めての事には一杯一杯の状態でやってしまったら、何かしらのミスがあったときに大失敗をしてしまうんだ。だから、余裕を持って始めるのが一番なんだよ」


僕の体験談ね。

何回も何回も失敗した。


が、更にシュンとさせてしまった。


「わかった。向こうに辿り着いて帰りの時に全然いけそうならお願いするよ。それじゃダメかな?」

「……わがまま言ってごめんなさい…」

「違う違う。僕も色々やらかしたから、提案は嬉しいけど僕が勝手にハラハラしちゃうから。次の時は遠慮なく持たせるからね」


表情に明るさが少し戻った。


「…はい、お師匠」


よし、出発だ。

踵を打ち付けて浮遊。遅れてマリちゃんも箒に跨がって飛び上がった。

荒々しいけど、初めはこんなもんだね。


メナードと起動させっぱなしの1号に手を振り、目的地である土地の主の眠る場所へと向かった。
















「わぁ、結構首都の方は慌ただしいですね。というか、煙が臭いです」

「あの下で武器がどんどん作られているんだよ。っと、偵察送らなきゃ」


透明化の魔法を掛けたまま首都の上空を通過する。

その際に、ヒョイとネズミ型の偵察使い魔を放り投げた。


耳をぱたつかせながらゆっくり下降していく。

これでよし。


「…猫に食べられませんか?」

「大丈夫だよ。その辺の対策はしている」


猫におそわれそうになったら、体から柑橘類とメンソールの臭いをばら蒔くからね。




首都を通過してしばらく飛ぶ。

案の定マリちゃんに疲れが見え始めた。


僕も速度落としているけど、マリちゃんにとってはずっと坂道を自転車立ち漕ぎしているようなもんだからね。


でも頑張ってもらわなきゃ。

あと少しだし。


「マリちゃん!あの山越えたら降下するよ!」

「は、はいっ」




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