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裏切り者

森を堪能したノジコさんはお土産片手に帰っていった。

今回のお土産は饅頭とチュロスです。


「んー」

『どうですか?』

「今頭のなかを検索中です」


来客用ベッドに寝かされた女性を見る。

スヤスヤと安らかに眠っているところを見るや、相当疲れていたらしい。

実際、目の下に結構な隈ができていたからね。


しかし、こんな方知っていただろうか?


ぐるぐると記憶にある顔と称号していき、一人だけ該当した。

だけど、黒髪だったはず。こんな白のメッシュは入ってなかった。


『何処かの奴隷だったんでしょうか?枷の跡がついてました。特に足が酷いですね。傷が危うく骨に到達するところでした。他にも裂傷が背中に、切り傷も結構な数でした』

「…………、奴隷っていうか、拷問に掛けられていたみたいだね。ほら、爪が半分ない」

『本当ですね』


小指と薬指の爪が無くなっていた。

だからマリちゃん顔色悪くしてたのか。

悪いことしたな。


「多分だけど、シャドウだね。何があったのかだいたい想像つくけど、あんまりにも顔つきが変わっていたから分かんなかったよ」


体も痩せてしまっていて骨が浮いている。

首都からあの街まで結構な距離があるはず。

きっと不眠不休で逃げてきたのだろう。


「メナード、点滴してやって。魔力も送るけど、まずは薬と栄養を与えないと。このまま死なれても困るし」

『かしこまりました』


マリちゃんのケアをして、あとはシャドウが目覚めるのを待つだけか。


「ゆっくりとおやすみ」


シャドウの体の少し上を撫でるようにすれば、ポウと淡く光って消える。


体に残った毒やら呪いは消し去った。

魔力と栄養はこれから最高のものを与える。

あとは、本人の気力次第だ。

















冷たい鎖が悲鳴をあげている。

突き刺す氷のような痛みが全身を貫いている。

これは見せしめだ。

期待に沿えなければお前らもこうなるぞ、と。


「…うう、っ…」


くっと、持ち上げられ、引き抜かれる痛み。

指先が燃えるような痛みで眠れない。


「…ぁ、やめ……ろ…」


背中に走る衝撃。

冷たいのと熱いのが襲ってくる。

気が狂いそうになる。








「 …──を─クにあ─ます… 」







ふ、と、温かい掌が頭を撫でた。

ああ、そうか。もう大丈夫なんだ…。

















結構なうなされ方だった。

あんまりにも酷いので、これでは精神的に良くないからと、(バク)を呼び出して夢を食べてもらった。

これでしばらくは安眠になるとは思うけど。


「はぁ、どうしよう」









翌朝。


「…………ここは?」


シャドウらしき人が目を覚ました。


『おはようございます。体の加減はどうですか?』


メナードを見て、そして隣にいる僕に視線が移った。


「ウィル…げほっげほげほっ」


酷く掠れた声だ。


「メナード、先に水だね」

『ですね。口を開けてください』


水を飲ませると落ち着いた。


「シャドウでしたっけ?」


シャドウが頷いた。

良かった合ってた。


「ウィル・ザートソン…。ということは、私は辿り着けたのか…」

「吃驚しましたよ。秘密にしてた家の前で倒れているんですもん。何処で知ったんですか?」

「…さぁ、誰に聞いたんだったか。意識が朦朧としていて覚えていない」

「そうですか…」


残念。

後で探さないといけなくなった。

また仕事が増えるー。


『何か食べられますか?』

「……何か…、スープに浸したパンが食べたい…」

『かしこまりました。少々お待ちください』


メナードが部屋から出ていく。


「…、さて、僕に用があって来たのでしょう?そろそろ出して貰えませんか?」


そう言えばシャドウは弱々しくもニヤリと笑った。


「なんだ。バレていたのか…」


シャドウは布団の影を自分の術に繋げ、とあるものを引きずり出した。


それは一丁のライフルであった。



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