猫と転生されました
はじめまして。
仕事を退職し無職になった作者です。
家の猫と転生出来たらどんなに幸せだろうなと思い執筆してみました。
誤字脱字などあるかもしれませんが読んでいただけると幸いです。
「滝沢、今日残れるか?」
この言葉・・・。
昨日も聞いたんだけど。
「はい・・。大丈夫です」
とりあえず良い返事だけはしておく。
表情は、、少し引き攣っているが。
「何かありましたか?」
仕事内容だけ確認してさっさと帰りたい。
心の声はしまっておく。
「この患者のカルテと検査お願いしたいんだわ。」
「えっと先生は・・?」
「俺今日この後会議があってそのまま会食になると思うからさ。じゃよろしく。
でも何かあったら連絡しろよ。」
言うだけ言ってあんのやろー!!
滝沢優斗27歳。最短で医者になり、研修医も2年で終わった。
まぁ、学業は得意なほうだし、手先も器用。
容姿はまぁ上な方か。身長も178センチ、女にモテなくはたぶんない。
今は募集中(医者の忙しさをわかってくれる子なら)
今まですべてYESマンでやってきたから、俺の精神的ストレスは半端ない。
今も仕事を押し付けられて、早く帰りたいのにこのざま。
働き方改革って言われてんのになんでこんな残業ばかりで。
確かに患者の命関わってるから仕方がないものわかってる。
一般企業に例えるなら、顧客がいるなら時間外でもしょうがないところはあるよな。
でもさ、医者って、病院って当直医いるじゃん?
しかも、病院の規模によっては緊急オペ出来ないところもあるじゃん!
頑張って患者治療の前に俺が倒れるっつーの。
俺だって帰ってゲームしたいし、テレビ見たいし人並に生活したいし、
彼女欲しいし、かわいい子といろいろシタイんだよー!!
医者って勝ち組じゃないの?
そう思って頑張ったのに・・・
「はい。佐藤さん検査はこれで終了です。明日また主治医の川上先生が来てくれると思います。
病棟の看護師にこの後の指示はしてありますので、また痛みが強くなる時は知らせてください。」
心の声は見せずさわやかな笑顔で患者を検査室から送り出し、医局へ戻り急いでカルテ記入する。
もちろん検査が問題なく終わったことを川上医師にも携帯で連絡。
病院を出る時間は23時になっていた。
病院からすぐの自宅マンションへ歩いて帰っていたら、何かの鳴き声が聞こえてきた。
「みゅう・・・。」
あたりを見回しても一度の鳴き声ではよくわからない。
「空耳か?」
そのままコンビニへ行こうと横断歩道わたっていたら、二つの光るものが見えた。
飛び出てきたのは真っ白な金の目をした猫。
「えっ・・!!」
自分の胸に飛び込んで来る猫を抱きかかえるのと、車の急ブレーキの音が同時にやってきた。
ドンッ!!!
とはねられたのも一瞬で、そのままシャットアウトした。
ふにふに
俺の頬に何か触れる感触がする。
「んんっ・・」
手を何かが触れる。
もふもふ・・この感触は動物か・・?
「えっ・・!!」
優斗は驚いて飛び起きる。
「みゅっ」
身体からコロンと一緒に何かが転がる。
周りを見渡す限りあたり一面草原。
小屋ひとつ何もないっ!!
「ええっ!!!」
その大声に答えるかのように
「みゅ」
そこには手乗りサイズの子猫が。
真っ白で目の色は金色。
「あの時の、猫?」
「みゅ」
猫が返事した。
そういえば俺、車に跳ねられてそのまま・・
身体は大丈夫。けがもしてない。
「そうだ携帯!」
携帯はもちろん圏外。
「そりゃそうだよな。これって転生じゃね?」
あっさり受け入れられた。
あれだけ漫画、アニメ、小説になっていれば自分に置き換えてすぐに納得。
でもさ、転生するときって大体一人じゃん。
なに?俺、子猫同伴なの。
大丈夫か?
そういえば俺のスキルはなんだろ。
転生と言えばスキルだろ!!
チート、チートを求む!!!
が、そりゃそうだ。今は何もない。
しかも、自分がどんなところに飛ばされたのか分からない。
勇者か魔導士か。どちらも捨てがたい。
最悪この世界で医者になればいい。
「とりあえず歩くか。」立とうとすると、
「みゅ」と鳴き声が聞こえた。
「そうだよな。お前も一緒だよな。お前が話せればいいのにな。」
子猫を抱き上げ話かけるが返事は鳴き声だけ。
そうだよな。現世から来たんだし話せるわけないか。
このまま置いていけないし、これは一緒に連れてくしかないよな。
「お前の名前決めないとな。そーいやオス?メス?」
子猫の尻尾を捲ると
「みゅうう」
クッソかわいい抗議の声。
メスかぁ。変身したらすっごくかわいい子だったのにな。
まぁ一応過程では転生してるんだよな。
こいつが俺を助けてくれるかなぁ。
少しの願掛けをこめて猫を両手で掲げ、顔の近くまで寄せた俺は
「お前の名前はマリア」そう言った。
するとマリアは「みゅう」鳴きながら尻尾を大きく振った。
その瞬間、召喚のような紋章が広がりそのまま俺の中に俺とマリアに吸収された。
「何だったんだ、今の・・」
特に自分に変わったこともなく、マリアも猫のままである。
「とりあえず行くか。」
そうして俺と猫の旅は始まった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この話は始まったばかりでこれから転生の旅が始まっていきます。
子猫も成長していきます。
頑張っていきますので応援よろしくお願いします。