表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

第二話 家を作ろう!

早速の評価及びブックマーク、大変嬉しいです!

ありがとうございました!


今後も増える事を祈り、投稿していきたいと思います!



 エルフのマナをゲットしたのは良いが、村を作る開拓なんか出来るのかな?


 とりあえず聞いてみるとしよう。


「マナ、召喚したばかりで申し訳ないが、相談したい事が有るんだけど良いかな?」


 申し訳なさそうに頭を掻きながらお願いする俺に、マナは優しく微笑みながら答える。


「主様が謝る事などございませんよ? 気兼ねなくご用件を申し付け下さい」


 マナは良い子だな、優しい生徒会長タイプ。


「ありがとね、マナ。それで相談なんだけど──


 マナの優しい笑みに安堵した俺は、この星に来た経緯から現状の困り事を全て話すと、マナの反応を伺う為びくびくしながら覗きこんだ。

 

 そんな情けない俺に対してもマナは、呆れるでも悲しむでもなくその優しい笑顔をたやさずに返答してくれる。


 ──お話し頂きありがとうございます。主様の事が少しでも知れて嬉しいかぎりです。それでは、家作りを早々に取り掛かれば宜しいでしょうか?」


「あ、うん。そうなんだけど、ノコギリとかオノも無くて・・・・・・」


「それは家を作る道具か何かですか?」と、聞くマナに、俺は情けなくて、シュンとしながら首を縦に振り暫定を示した。


「それでしたら、私が行う建築作業に道具は必要有りませんのでご安心下さい」


「えっ?あ、うん・・・・・・・」


「でも、道具がいらないならどうやって作るの?」


 マナは少し考えた素振りで空を見上げると、閃いたとばかりに俺の質問に答える。


「実際に見て頂ければ分かると思いますので、彼方の森へご同行願えますか?」と、マナは指で方向を指し示す。


「ああ、それは構わないけどアッチに森が有るなんて良く分かったね、こっからじゃ全然見えないけど・・・・・・」


「ええ、匂いがしますので」

「匂い?」


「彼方の方向から森の匂いが漂ってきています」


 森の匂いって何だ?

 ・・・・・・良く分からんが流石、森の賢者エルフだな。


 俺は、一抹の不安を抱きなからも、マナと共に森へと向かう為、歩き出した。


──数分歩いた所で閃いた事が有ったので、ふとして歩みを止め、その場に立ち止まると、しゃがみこんで自身の背中に乗る様にマナに言葉をかける。


「森まで歩いたら結構かかると思うんだ、だから背中に乗って全力で走れば直ぐに着くから遠慮せずに乗って!」


 爽やかな笑顔で提案するが、マナは困惑しながら「そんな、主様の背中に乗るなど、いや、でも、光栄?」などと、しどろもどろになりながら呟いておろおろしていた。


 ん? マナはどうしたんだろう? ・・・・・・あっ! そうか、俺が75のじいさんだから体の心配してくれてるんだな! ほんに、優しい子じゃな~。


 そういう事なら安心させてあげないとな。


「体力なら心配ご無用! 心はじいさんだけど、凄く丈夫な体を貰ったからね! ほら、遠慮しないで乗りなさい」


 もの凄く検討違いな事を言っていたと、後から聞かされ赤っ恥をかいたが、違うなら違うと言ってくれれば良かったのに・・・・・・


 まあ、なんとかマナを背中に乗せて出発したが、それにしても・・・・・。


 ・・・・・・なんて良い匂いなんだ!

 それに、背中に柔らかい物が当たっている! 

 しかも、俺はマナのお尻をしっかり掴んでしまっているじゃないか! ダメだダメだ! 

 

 孫みたいな女の子に興奮するなんてけしからんぞ! 治まれ! 息子よ! くそ!これが若い体の代償か! 恐るべし、星の管理者め!


 自身の邪念をはらうべく、走る速度を最高速度まで上げて全力で走ったが、そのスピードにマナは着いていけず意識を飛ばしてしまったのはご愛嬌。



 ──さあ、着いたよマナ!・・・・・・あれ?・・・・・・マナ? 寝てるのかー?」 


「・・・・・・ありがとうございました」


 どうやら本当に寝ていたようだ。

 まるで子供みたいじゃないか、可愛いの。


「気持ち良く寝ていたね」


「ハハ・・・・・・(気を失ってたなんて言えない・・・・・・)」


「それで、森に着いたけどこれからどうするの?」


 俺の問いに、フウッーと息を整えてマナは答える。


「それでは、目の前に有るこちらの木を使ってお見せ致します」


 そう言うと、マナはブツブツと何かを唱えながら両手を空に掲げた、すると何処からともなく風が俺の頬を掠め、一本の木に向かって吹き始める。


 そこからはあっという間の出来事だった、風の刃により木が切り刻まれバラバラに解体されていく。


「凄いなこりゃ・・・・・・」


 バラバラに解体され積み重なった丸太を見てつい、そう呟く。


「この様にして材料にしますので道具はいりません。それで、主様はどのような邸宅をお望みで?」


 そうだな・・・・・・和風の平屋辺りが落ち着くのだがネックは畳だ、畳の作り方など流石にマナも知らないだろうし、ここは洋風な平屋辺りが無難だろう。


 広さは・・・・・・居間と寝室で三部屋辺りだろうか? トイレや風呂は技術的に出来るか分からないがとりあえず伝えてみるか。


 俺が要望を伝えるとマナは「分かりました」とだけ言い、家の材料を揃えるべく木々を切り刻む作業に戻っていく。


 その作業を見つめていたわけだが、家作りを頼んだ手前、自分だけ何もしない訳にもいかず、積み重なっていく丸太を拠点となる小川へと運ぶ事にした。


 しかし、持てるかな?

 おっ、案外軽いな、これも強靭な肉体のおかげか。


「マナ! 俺はこの丸太を小川まで運ぶからそっちは宜しくな」そう、マナに一声かけ丸太を両肩に担ぎ、小川へと走り出し全力で駆ける。


 マナが丸太にして俺が運ぶ作業を繰り返す。


 何回か小川と森を往復して、そろそろ終わりかなと思った俺は進捗状況を確認する事にした。


「マナー! まだかかりそうか?」


「そうですね、そろそろ日も傾いてきましたので次は家の建築へ移りたいと思います」


「分かった!じゃあ、小川に向かおうか」


 家の建築作業へ移る為、小川へと向かう、勿論マナを背中に乗せたオンブスタイル。

 

 小川まで道半ばまで来た時『何かくる』とマナが呟く。


 今度はマナも寝ずに乗っているようだ、立ち止まり『どうした』と、マナに声をかけていると、それはやって来た。


 ゴゴゴゴゴォーゴゴゴゴゴォー。


「・・・・・・何だ?この地響きは?・・・・・・んっ!? 向こうから何か来る?!」

  

 白煙をあげながら徐々に近づいてくる何かに黙って様子を見ていたマナは突然口をひらく。


「主様!あれはマッチョシープと言う魔物です!危険ですので拠点までお逃げ下さい!」


 魔物!? てっ、この星にはなにもいない筈では?


 ・・・・・・いやっ! 星の管理者は人がいないとは言っていたが、人以外の生物がいないとは言って無かったか!


クソ!・・・・・・て、事は人がいない替わりに魔物とやらが住んでる星だったのか!


 まんまと嵌められた!こんな事なら断っていたのに!

 と、兎に角、危険ならマナを連れて逃げないと!


「マナ!! 一緒に逃げよう! 全力で走れば逃げられない速度じゃない!」


「いえ、私はあいつらを倒さなければいけませので、主様お一人でお逃げ下さい」


「な、なんでだよ!?」


「あいつは、良い材料になりますので」


 ・・・・・・ざ、ざ、材料!?


「なんだか良く分からんが戦うなら俺もやるぞ! 俺は不老不死の体だから、危なくなったらマナの盾になろう!」


「そ、そんな! 主様にそんな事させられません! それにマッチョシープごとき瞬殺ですのでご安心下さい。兎も角、ここで御観戦されるのであれば万が一も有りますので、私の後ろで直ぐに逃げられる様にしていて下さい!」


「分かった! その時は、マナも担いで逃げるからな!」


 やり取りを終え、俺とマナは、地響きを上げながら大群でやって来るマッチョシープを迎え撃つ為、臨戦態勢に入る。


「この距離なら一網打尽に出来る!」


 マッチョシープが100mまで距離を詰めてくると、マナはブツブツとブツブツと呪文を唱え始めた。


 メェ゛ー!メェ゛ー!


 うわっ! めちゃくちゃ怒ってるよ。

 本当に大丈夫なのか!? マッチョシープとか言う奴直ぐそこまで来てるぞ!


 マナは呪文を唱え終わると、その名を紡ぎ出す。


「ウィンドカッター!!」


 マナがそう叫ぶと同時に竜巻が突然舞い上がり、マッチョシープの大群を巻き込んでスッポリと覆っていく。


 マッチョシープ達は竜巻による風の刃で胴体と首を一気に切り離され、体に纏ったフサフサの体毛は竜巻により刈り取られ次々に竜巻の上部へと舞い上がっていく。


 マッチョシープ軍団の殲滅まで僅か10秒の出来事だ。

  

 竜巻が止み、マッチョシープ軍団の無惨な屍と大量に盛り上がったフサフサの体毛を見て、俺は絶句してしまうが、そんな俺を尻目にマナは凄いでしょ! と、言わんばかりの笑顔を向けてくるのでひきつった笑顔で『ヨクヤッタ」と、褒め称えるしかなかった。


「・・・・・・所でマナ、材料ってこの体毛?」


「そうです。マッチョシープの体毛は良い糸になりますので! ついでにお肉も食べられますから今後、人を増やす上で必要な栄養源かと思います」


「成る程、でもお肉がこんなに有っても食べる前に腐ってしまうよ?」


「大丈夫です、凍らせますから」


「あ、そうなんだ・・・・・・」


 もう何でも有だなと納得し、深く考えるのを止めた。


 その後、マナによって大量のマッチョシープの屍を食べられる様に不思議な力で解体すると、先ほどの竜巻によって肉と体毛は拠点へと運ばれる。


「なあマナ、あの竜巻で丸太も運べたんじゃないか?」


「そうですね。でも、主様が楽しそうに運んでいたので口を挟むのは憚られると思いまして」


「そうか、なら良いんだ」


 気をつかってくれたんだな・・・・・・何て優しい子なんじゃ~。



 脳内お花畑とマナは小川の側の拠点へと到着すると、早速家作りに取り掛かる。


 考えた間取りに従いマナが形にしていくと、家の外装が出来ていく様は注文をつけている俺も驚きを隠せなかった。



 ──日も落ち、夜の帳が下がる中、俺とマナはパチパチと鳴る焚き火を囲み、マナが森から取ってきた果実を頬張りながら談笑する。


「いやー、本当にマナが来てくれて助かったよ!マナは俺の女神様だね!」


「お褒めに預り光栄でございます主様」


 ・・・・・・主様って止めてくんないかな。

 聞いてて、かなりむず痒い。


「ちょっと良いかなマナ?」


「な、なんでございますか!?」


「その主様って止めない? 凄く距離を感じて少し寂しい・・・・・・」


「し、しかし、それ以外に何とお呼びすれば?!」


「気安く一郎って呼んでよ」


「そ、それは余りに恐れおおく・・・・・・一郎様ではダメですか?」


「ダメ!せめて一郎さんだね」


「わっ、分かりました!・・・・・・一郎さん」

 

「はい、なんでしょう?」


「これで宜しいでしょうか?」


「呼び方は良いけど、話し方ももっと砕けてくれると嬉しい」


「・・・・・・一郎さん。これで良い?」


「完璧!」


「なんだか恥ずかしいです一郎さん・・・・・・」そう、呟くとマナは顔を真っ赤にして俯いてしまう。


 俺はそんなマナを、孫娘を見る様な慈愛に満ちた表情で微笑んだ。


「ハハッ、慣れるまではゆっくりで良いよ」

 

 コイツら爆発しねえかな! とか思わないでくれよ?

 俺だって少し恥ずかしいんだ。


 その後、俺達は食事を食べ終わると、完成した家へと向かって歩きだし。


 家の前に到着したので、ゆっくりと引き戸を開け、家の中に入っていく。


「やっぱり、夜は真っ暗だね」


「今、明かりを照らしますね・・・・・・光よ輝きたまえ」


 マナが呪文を呟くと光の玉が何処からともなく飛びだし、家の中を明るく照らしだした。


「ありがとう。それにしても少し広く作り過ぎたかな?」


 だってこれ、20畳位あるよ・・・・・・・。


「そんな事はないですよ。これから家具や調理等も増設していきますので広くて悪い事はないと思います」


 それもそうかと思った俺は、暫定を表し頷くとリビングとなる空間を通りすぎ、奥へと進んでいく。


 それでは紹介しよう・・・・・・リビングの右奥は確かトイレとお風呂を置くスペースを作ったんだったな。


 先ずはトイレだけど、洋式に作って貰った。

 水は引いてこれなかったから流せないんだけど、便座を開けると真っ暗な空間が広がっていて、そこにオシッコすると暗闇の中に消えていく構造らしい。勿論、人や物が入れない様になっているらしく何とも不思議だ。


 次はお風呂だけど、木しか材料が無いから檜風呂風に作って貰った、広さは風呂だけで三畳ほど有る。

 どうせなら広い風呂に入りたいじゃん?


 因みに全て防水加工済らしい。

 お湯もマナが水を張って温める事が出来るみたいだから早速、明日楽しませてもらおう。


 最後に、廊下を挟んだ反対側に寝室を二部屋作って貰った。

 俺とマナの部屋だ、こちらはあんまり広いと落ち着かないので六畳程にしてもらった。


 寝室を開けると殺風景だが一つ置いている物が有る!

 そう、それは・・・ハンモックだ!


 なんと、マッチョシープの体毛を糸にして作ってくれたのだ!

 硬い床で寝る事を覚悟していたので嬉しい計らいだった。

 とまあ、新築の紹介はこんな感じか、まだ家具類を作ってないから今後まだまだこの家は進化するだろう。


 それにしても、マナよ。なんて万能な子なんだ!    

 流石、森の賢者なだけある。


 本当にマナを初日に引き当てる事が出来てラッキーだったな。

 

 考え深げに浸っているとマナが「どうかしましたか?」と、声をかけてくる。


「いや、本当にマナが来てくれて良かったなと思ってね。こんな立派な家も作ってくれて感謝してるよ」


「私も一郎さんに召喚して貰って良かったと思ってます・・・・・・ありがとうございます」


 そう言って俺達は見つめ合うと、どちらかとともなくクスクスと笑いあった。


「フフッ、それはそうと、もう日が落ちて結構たったし今日はもう休もうか」


「分かりました。では、明日の朝起こしに行くので一郎さんはゆっくり休んで下さい」


「分かった。ありがとう・・・・・・お休み」


「お休みなさい」


 俺達は、お休みの挨拶をかわすと寝室へと入っていく。


 一俺はハンモックにドサッと体を預けるとハンモックから伝わる自然な揺れに瞼が重くなっていくのを感じていた。


 しかし、今日は目まぐるしかったな・・・・・・。


 いきなり自分が死んだと聞かされたと思ったら、星の管理者だと言う奴に変な事頼まれるわ、星に着いて民ガチャでマナが出てきたと思ったら1日で家建てちゃうし。

 

 それに極めつけはあの魔物とかいう奴だよ!

 たくっ、あんなのがいるなら最初に言ってくれれば良かったのに! 絶対わざと言わなかったんだぞアイツ!


 ・・・・・・まあ、こんな日も悪くないか。

 地球ではがむしゃらに働いてた割には楽な生活じゃなかったし、こんなビックリする様な出来事もなかったしな~。


 今日の出来事を思いはせていると、マナの優しい笑顔が浮かんできて今後の生活に少し光明が見えた気がした。


 ・・・・・・やってやりますか! 星の管理!


 そう締め括り、重くなった瞼を閉じて眠りについたのだった。

一話使って家建てただけw


大変申し訳ありませんが暫くはこんな感じでゆっくり生活基盤を作っていく感じになると思いますが、暖かい目で見て頂けると助かります。


又、これから民ガチャで登場させて欲しい種族や職業が有りましたら感想等で教えて下さい!

良いなと思ったら登場するかも?




ここまで読んでくださり感謝です。

面白い、続きが読みたいと思いましたらブックマーク、評価のほど宜しくお願いします!






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ