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えぴろーぐ
すっかり暗くなった部屋で、妻がいつの間にか取り出したワインを片手に呟いた。
「あなた、まだその子の事好きなの?」
「そうだな……好きだよ……」
「幸せな子ね……その子も」
「あぁ……」
俺は読み終えたアルバムを閉じる。
懐かしい気分だ。
春は今頃誰を見ているのだろうか……?
どこでも追いかけると言ったんだ……
でも、もう少しだけ待っててくれ……
君に言われた事を守らないと……
妻と子供達を春の分まで愛すという約束を……
「春……ちゃんとお前との約束……守れてるか……?」
きっとこれは幻聴で俺の妄想だ。
けれど確かに聞こえた。
『守れてるよっ!』




