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なりわい  作者: とら
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とら外伝 ~回想~ いつかの少年



これは、私が初心を思い出す瞬間の話。



このような瞬間などは所々あるのですが…



これはほんの一例。






私がまだD店(22話)に通いたてだった頃の話。



私は元来からのAタイプ打ちです。



その昔、高い目押し力が必須の技術介入機が蔓延っていた頃、自分の(つたな)い目押し力で必死に活路を見出していた自分自身がいました。



もちろん、今現在のようにたいした情報も無く、乏しい環境、言わば自分流に創意工夫していかないと勝てないアナログな時代。



何が正しくて、何が正しくないのかは、誰に(ゆだ)ねることなく自分で決断しなければいけなかった時代。



今のように、携帯一つで簡単に答えを導き出せるようなことはありません。



一言でいうなら



《不便》



今の時代しかわからない若者にはそう思えるでしょう。




しかし近年(2017)の



《机上の理論》



を語る連中は、携帯の情報オンリーでモノをいい、行動に移しています。



別段、これが悪いというわけではありません。



しかし私は



《携帯の答えをみて簡単に答えを得ることしかしない輩は永く続くことはない》



と、思っています。





これは、現実的にそうなっているので間違いない理論でしょう。




なぜなら



机上の理論とリアルな現実では、明らかな違いが生じるので当然のことです。



リアルな世界では、簡単に得た机上の理論という上っ面だけの理論で勝っていけるほど、甘くはありません。



私も自分自身が上っ面だけにならないように‘初心’をたびたび思い出しています。




永くやらなければダメということはありませんが



《何か一つモノに出来ないようでは、何をしても中途半端で、何もモノになることはない》



という信念から、中途半端にはなりたくないという思いでいっぱいでした。



私はこれまで、そういう輩をたくさん見てきました。



私もそうなったのでは、何をしても最終的には勝ち目はないでしょう。



そういう思いで、初心を必ず思い出しているのです。










D店でA+RTタイプの



《南国娘》



を打っていた時のこと。



かなりマイルドな台であるが、設定6でもペイアウトは109%弱で一日中、出たり入ったりの繰り返しが多く、一般的に考えれば精神的に決して楽ではありませんでした。



私はこの小説でも書いていますが、Aタイプ打ちと書いたように、歴戦のAタイプ打ちです。



したがって、このような台は比較的簡単に打ちこなせました。


*この後、打つことになるアイムジャグラーの方が格段にキツかった



そこへ、Aタイプなどとは無縁の少年が南国娘に挑戦してきました。



私は



《展開が悪ければ我慢できず簡単にヤメるだろう》



大抵の予想は当たることが多いのですが…



この少年は南国娘の設定6を看破し、サッパリと当たらないこの台をキチンと打ち切るのである。


*当時、設定告知・確認あり



今(2017)となれば、このようなことは当たり前だろう。



しかし、この当時は南国娘などは皆、眼中にないほど他にペイアウトの高い台があった時代。



そんな時代背景の中、少年はどんなにキツイ展開でも必死に打ち切ろうとするのである。



もちろん、彼より前に私がそれなりにこの台で結果を出していた事実は、彼にとって大きいことだったのは間違いないだろうが、それを実践してみせたのは立派な姿だったと言えます。



その姿を見て



私はその昔‘シオサイ’を打っていた自分の姿を思い出しました。



彼のようにサッパリとあたらないシオサイを閉店間際までコインサンドに金を入れ続けていた自分自身を。



その頃の私を見ているようでした。



当時、技術介入機が蔓延り、目押し技術のない私はペイの高くないシオサイの設定5をほぼ毎日打った日々。



誰も私の必死な努力と創意工夫などは見えもしない時代。



そんな時代を思い出します。




そんな時、必ず今の自分に問いただす。



《まわりがみえているか?》


《何か抜けていることはないか?》



《今の自分には慢心がないか?》



と常に自分自身に問うのです。



慢心という‘ほころび’の恐ろしさを知っている私はなによりも恐れているのだから。




そして、自分自身に何度も問いかけるのです。



《勝つために1番チャンスのあるところはどこか?》



今尚、問いかけ続けています。





この先も何度も何度でも…



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