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なりわい  作者: とら
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とら外伝 ~回想~ 没落

since2005



今回の話は、とある1日の話。





私はこの頃、イベントによって様々な機種を打っていました。




これまで、この小説で書いたように



《我々に選ぶ権利はない》



という、ことを念頭に置き勝てると思う機種なら好き嫌いなく、どんなモノでも打ちました。




当時、世では北斗の拳(初代)が大流行し、ホールを席巻していた頃。



私はこの頃になっても、イベント限定ですが、島娘30を打つことがあり、さらに遠方へと遠征をしています。



当時、それだけの価値(ペイアウト)が島娘にはあったのです。



このホール→Kの情報は、とある友人→(あらた)からのモノということもあり、K店で島娘を打つときには、必ず新と折半で打っていました。



K店へ通う頻度は週1~2ぐらいで、打つ機種は島娘オンリーです。



K店へは家から、高速に乗り約1時間15分程かかりました。



距離的にもかなり遠い場所。


高速がなかったら、2時間以上は軽くかかります。




島娘の設定6を求めてK店まで通った、とある1日の話。




私はどのホールにいってもそうですが、必ずそのホールの特徴を捉えるために、常日頃から情報をデータ化して集めていきます。



K店を教えてくれた新への恩返しも込めて、このホールを攻略していこうと思っていました。




島娘の設定6を使う日は、ほぼ決まっていたのでその日に合わせてデータを取り、ホール攻略の糸口としていました。





これまでも、新とは何度も折半で打ったことがありますが、私の厳しさに彼は何度も嘆いていたことがありました。



私は、‘当たり前のこと’を言ったに過ぎなかったのですが、新には厳しく感じる理論で理解することが出来なかったのでしょう。



それもそのはず、その当時私の方法論に賛同していた人は極僅かだったのだから、仕方のないことだったのかもしれません。



私の方法論に関しては、新もイマイチの反応でしたが、これまで私と折半で打ったホールでは抜群に結果を出してきたので、文句も言えなかったのだと思います。




そんな彼とのタッグマッチでK店を攻略していった日々のとある1日。



その日は、いつもよりアツめのイベントで島娘にも必ず設定6が入る日でした。



K店の台データは携帯では見れないため、ホールに行って見なければわかりません。



私達は前日、共にフル稼働だったために、夜ホールにデータ収集を行けずにいました。



しかし、新はこのイベント2日前の夜に見に行っていたとのこと。




このK店は私達からすれば、比較的狙いやすいホールです。



しかし、ここまで煮詰めるまでには、時間と労力、それ相応の金がかかっています。



K店はただの‘上げ狙い’が通用するようなホールではなかった為、特徴を捉えるまでに四苦八苦しました。




イベントとなれば、百を超える人が集まるため、私達は12台ある島娘のシマで設定6を1発ツモしなければならない状況。



島娘を狙ってくる人はそれほど多くはありませんでしたが、ホール開店時には満席の状態です。



1発ツモするのには、ホールの特徴を把握し、狙いを付けて座らねば、難しいところ。



私は、昨日のデータは抜けてはいますが、平日の島娘の稼働は悪く、そんなに大きく稼働は無いだろうと予想していました。





しかし




新に、二日前の島娘のデータの話をすると…



《覚えてない》




………。




いったい何しに見に行ったのだろう。



私は腹立たしくてなりませんでした。



確かに、前日下見にいく予定はあったものの、前々日行ったのだから、ある程度の狙いを付けてくるのは当たり前。



ましてや、携帯などでは見ることが出来ないのだから、尚更だ。



何より許せなかったのが、反省する気など全くなかったことだ!




新は



《前日見ようと思ってたから仕方ない!》



このような見解。



彼の言い分もわからないでもないが、反省しなければ次も必ず同じ事をやるだろう。



私は折半で打っているのに、情けなくなりました。



今まで色々な議論を交わしてきましたが、やはり肝心な所はイマイチ伝わらなかったのでしょう。



そもそも、このK店を攻略出来ずにいた新は、私からすれば何の努力もしなかったように思えたのだから。



私にK店の島娘のことを声かけたのは‘好意’もあったのだろうけど、自分でK店を攻略出来なかったからだろう。



攻略したいのなら、一生懸命にやるのは当たり前のこと。



それ以外にも、やらねばならぬことなどいくらでもあるのだ!



しかし、これ以上朝一で口論しても仕方ないので私は‘ぐっ’と言いたい言葉を飲み込みました。



これ以上論争して、新が機能しなくなっては困るのです。



私と新は、この3日前にK店で島娘を掴み(2人で1台)打ったので、その時に私が見て目を付けていた台をピックアップしました。



私は必ず閉店間際まで打つと、データをチェックし、めぼしい台をピックアップしています。



この仕事はどこへいっても必須で、あたりまえのこと。




そのため、私は余計に腹立たしい気持ちでいっぱいでした。



《基本的なことを怠るとは仕事をナメているとしか思えない…》



こみ上げる怒りを‘ぐっ’と堪え、抽選をして開店を待ちます。



開店し、私と新は共に狙い台をゲット!



予想どうり、前日、前々日共に稼働も少なく、私の狙い台となっていました。





打ってみると



通常、12台中設定6は1台なのですが、今日のイベントはいつもより推していたせいか、2台ありました。


私達は2台とも1発ツモに成功!




しかし



私は、心の中で怒り狂っていました。



そんな中



2人とも当たりまくる島娘30の設定6。



しかし、素直に喜べるはずはありません。



この台を選ぶのは一昨日見に来た新の仕事だったのだから。



それを反省せず、喜んで打っている彼を見て私は‘殺意’さえ覚えました。



《今怒っては機能しなくなってしまう、帰りに話をしよう!》



そう思いながら殺気を押し殺して打っていると、閉店時には2万枚近くのメダルが出ました。



これにはびっくりです。



各地で何度も島娘の設定6を打ちましたが、こんなに出たのは初めて。



新も9千枚ほど出た所で閉店。



2人で3万枚近くのメダルを流しました。



しかしながら、私は全く嬉しくなどありませんでした。




《あれほど、論議を交わしてこのザマはないだろう!》




私は、ニコニコしている新を見て余計にそう思っていました。



帰りの車内で私は新に怒声を浴びせました。



内容はやはり、今日のお粗末な内容と方法論についてです。



私の話を聞いて新は



《兄さんは勝っても反省しかしないんですね》



と、一言。



私は今日の内容で勝ったことに不服しかありません。



新はイマイチ納得出来ない感じでしたが、それ以上の反論はしませんでした。



私は彼がK店で、島娘を掴めなかった理由がよくわかりました。



こんなではこの厳しい生き残り戦争に勝てるはずはありません。



私は新の心にもっと‘真剣さ’を問いただしたかったのです。




《勝てば官軍負ければ賊軍》




このような論理は‘クソ’にも満たないと本気で思っていたから。



自己管理をキチンとして自分自身を構成して欲しかったのです。





新は私の弟とも友好関係を築いていました。




どちらかというと、弟信者だったのでしょう。



私はこの小説に何度も書いたように、弟の論理で成功などはあり得ないと思っていました。



《自分に甘い》



この新に対しても、考えを改めて、自分への甘さが命取りになることを理解してもらいたかったのです。




この数年後には、新は私の論理とはかけ離れていきます。






彼が今、どこで何をしているのか私には分かりません。



あの日のことを思い返しても、今でも私の論理は何も変わることはありません。





きっと彼も今なら分かるはず……



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