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なりわい  作者: とら
32/61

VS I店(上) 人海戦術 後⑬

Since2008



覇権争いより、約半年が過ぎた頃


私は2人での稼働になり、より良い環境のホールを求めて放浪していきました。


覇権争いに敗れた心の傷はだいぶ癒え、私の心に闘争心が戻り、気力・体力とも充分漲り、また激戦の地に戻る決意をします。


これまでのアイムジャグラー&パチンコは争いを避けてゆっくりやれるホールを選択していたので、どちらかというと‘潜んでいた’という感じです。




この先、私は群雄割拠の激戦区に戻り、また熱い勝負をしていきます。






激戦区に戻り最初にしたことは、各プロ達の戦術をもう一度深く考察していきました。




それにより


まず、最初に思ったことは



《自分の思い違いを反省すること》



でした。




これは、あるスロプロ集団を


《ナメていた》


という認識のモノです。



彼達は社長は1人でバイトの打ち子が5人~10人ほどいる若い世代のチーム。


要するに、打ち子をたくさん引き連れてイベント回りするチームです。


私はこのような形態のチームを‘長い期間やっていけるはずはない’と、全く認めていませんでした。




彼等と初めて遭遇したのは4号機の南国育ちがホールデビューした頃です。


その頃の彼等は、主にオール6確定の1回交換イベントを、徹夜で並びシマ占拠していました。


私の住んでいた県で、当時流行っていたイベントです。


もちろん、そのような輩が現れたのではホール側もたまったものではありません。


しかも、同じ形態のチームがワラワラと出てきた時期でした。


オール系1回交換のイベントがどれほど続いたかは定かではありませんが、長く続くはずはありません。


私はオール系のイベントは諦めていたので、ほぼ参加したことはありませんでした。


台確保には必ず徹夜などとは‘馬鹿らしい’と思っていたのです。


選ばれる機種もペイがそれほど高くない機種が多かったのも興味を持たなかった理由の一つ。


したがって、並ぶことしかできない彼等のような形態の連中はすぐ消えるモノだと思い込んでいました。





その後、流行ったイベントが


《シックスローテーション》


なるイベント。


このイベントは大概、1週間単位で行い、この間にスロット全台に必ず設定6投入という激アツイベント。


入場方法は抽選だったので、私達も参加しました。


もちろん、週の後半が勝負になっていきます。


後半戦になると彼等のような形態のチーム人数は20人ぐらい集まり、手のつけようがないぐらいの時もありました。




私は、そのような彼等を見て


《烏合の衆》


にしか見えませんでした。



スロットに対しての理解も浅く、‘並べば勝てる’というような立ち回りを否定していたのです。





あれから3~4年…



驚くことに彼等はまだ健在していた…



私は久しぶりに来たこの地区で彼等の姿をみて驚きました。


《意気揚々とホールに立っているではありませんか!》



やがて、このホールI店は激戦のホールになっていくのですが、彼達はスロットに対する理解もそれなりになり、なにより人海戦術に長けていたのです。


私は成長した彼等の戦闘力をみて、今回は脅威に感じていました。



まだ20代中盤の彼等の順応性を目の当たりにし、いろいろ考えさせられたのです。


私は彼等を認め、自分なりに分析し、この人海戦術を自分のモノにして、より良くしようと思い直します。


それしか、このI店で私が彼達と対等に闘う方法はない!


彼達を‘ナメて’かかっていたのでは絶対に勝てません。


私も人海戦術という未知の分野への取り組みを行うのでした。



このような経緯により、またも猛反省し、少しづつではありますが時代の流れに乗ってホール攻略・新機種攻略の糸口としていきました。



彼等はスロットへの理解は前よりあったのですが、私からすれば


《まだまだ!》


です。



人海戦術を上手く取り入れれば、自分としても大きな収入のチャンス!


そこに私の勝機があると感じていました。


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