デビュー前のとら① 無能なる‘とら’と天才ドラゴン先生
Since1997~
この話は前章の約2年前の話になります。
私こと‘とら’は全くの無能です。
無能がゆえ、パチンコ&パチスロではさっぱり稼げませんでした。
しかし、私の弟がパチンコを理解し勝ち方を見いだし始めていた頃(彼はこの頃プロデビュー)
私に4号機の‘クランキーコンテスト’なる機種の設定判別法(5•6がわかる)を勧めてきました。
これは‘勝てる’……と
内容は前章の減算値による設定判別法です。
私は‘そんなのやらねー!’と申し出をいったんは断りました。
弟に教わるのがイヤだったのです。
自分のつまらないプライドにより、いったんは断ったのですが…
やっぱりスロットでどうしても勝ちたかったので、もう一度素直に聞いてみることにしました。
聞いてみると教え方も横柄でこれまでの弟とは人が違っているようでした。
それでも私は教えてもらっている身分なので我慢して簡単にだけ教えてもらいました。
しかし、仕組みも理解することなく、上っ面の形だけで設定判別するのは至難の業です。
そんなこととはつゆ知らず、私はホールでクランキーコンテストの実践に胸躍らせるのでした。
【捕らぬ狸の皮算用】
ホールで打ってみると案の定、設定判別に大苦戦。
それよりなにより、この台はビックボーナス中のリプレイハズシ&小役の獲得がとても難しい台だったのです。
《ビックボーナス中が出来ないと話にならない……》
*4号機当時のAタイプのビックボーナスは30ゲームのボーナスゲーム(小役獲得ゲーム)と3回のジャックゲーム(レギュラーボーナス)で構成されています。
要は30ゲーム中に3回のジャックゲーム(RB)を早く入れるとボーナスゲームが終わってしまうので、小役獲得できるチャンスが丸損なのです。
そのため、変則押し+目押しでジャックインを回避するのがリプレイハズシ。
*ボーナスゲーム中はリプレイがジャックインフラグ
また判別するために 、わざと小役をハズしたり、ビック中の小役獲得にすら2コマ目押しあり、リプレイハズシのビタ押しありと目押し初心者レベルの私にすぐに出来るはずがありません。
私はこのとき既にスロ歴は8年以上ありましたが、いわゆる‘直視’(回転中の絵柄がハッキリ見える)ではありませんでした。
目押し力は777を揃えられる程度です。
このクランキーコンテストを打ちこなすタメには直視が必要でした。
主に直視とは回転中のリールに目がついていくかどうかで(目が上下に高速で動く)見える原理なのですが、大まかに言うと二極化してます。
【ただスロットを打ってるだけで直視になる人】
【何年やってもならない人】
もちろん、私は後者の方。
私独自の練習法で後に克服するのですが、一朝一夕ではどうにもなりません。
私の弟はというとやはり後者の方。
しかし、私よりは器用に目押しをソコソコこなしています。
《どうしたら直視になれるのか?》
この時の私には全くわからず、ただただ強烈な虚無感と劣等感、悔しさのみがあるのでした。
当時、直視の意味もわからなかったので無理もありません。
そもそもクランキーコンテストのコンセプトはメーカーからの挑戦状なるものです。
ようするに
《やれるものならやってみろ!》
ということ。
とりあえず、目押しに自信がないとこの台を打ちこなすことは出来ない……
勝つためにはこの台を打ち倒し、目押しも設定判別法もキッチリ覚えるしかない!
決意も固くやるだけやってみることにしたのでした。
その数日後のある日、私がコンテストを打ちにいった日のことです。
ビックを当てクレジットを切り、設定判別の手順をこなす最中に初歩的ミスをしてフリーズしていたときのこと…
隣の隣にいたホスト風の男に
【設定判別?どうしたの?】
と声をかけられました。
私は
《いや、大丈夫!》
と、全く大丈夫ではなくパニクってたのですが
《おまえなんかに言われんでもわかっとるわ!》
と、強がってまたビックボーナスを引こうと打っていました。
……私はホンモノを見てしまった……
そのホスト風の男の流れるようなリプレイハズシ&設定判別法
抜群に上手く完璧にこなすその鮮やかさに感動したのを覚えています。
弟とは全く比べものになりません。
このホスト風の男こそ無敵の
【ドラゴン先生】
でした。
すぐ後に弟とコンテストでかち合い話すキッカケができ、一緒に立ち回るようになっていきました。
弟の説明は常に
《上からの物言い》
で、いちいち腹が立ちさっぱり理解できません。
しかし、ドラゴン先生の説明はすんなり入ってきます。
しかもこの時期に
【兄(私の呼び名)、目立たず判別するべきだよ!】
ドラゴン先生はボーナス後のクレジットも切ることなく、メダルの手持ち枚数もかぞえません。
*クレジットを切るとジャラジャラとコインが払い出されるので目立つのです
*設定判別法では手持ち枚数に決まりがあるために枚数管理は頭の中でしている
*どちらも設定判別を知ってる人が見れば一目瞭然
彼は人知れず判別を粛々としていたのです。
さらに
【目押し技術は盗めないけど、判別技術は盗まれるよ!】
私には何を言っているのかよくわかりませんでした。
この時期にこのように先読みしていた人は、私の周りに誰もいません。
私と弟はどちらかというと大っぴらに‘オレやってます!’的な感じだったから…
もっとも、私はそれ以前に問題外で、二人の話している内容(スロット知識論)さえ何をいっているのかチンプンカンプン。
《俺はなんて無能なんだろう…》
話にさえついていけない。
これから私は劇的に変わっていきました。
自ら判別法の全貌を洗い直し、わからない言葉は徹底的に調べ、ドラゴン先生がクレジットを切らなくても判別できる意味を知りました。
徐々に理解を深める設定判別法。
しかし、目押し力だけはすぐにはどうにもなりません。
その場しのぎの色、形押しでした。
それでも設定判別法はだいたいマスターすることができました。
仕事をしていた私にはそれでも十分な収入をもたらすのです。
しかし、ビック中の目押しは悲惨なものでした。
クランキーコンテストのpayout(機械割)は設定6でも
完全適当打ち→約100%
完全攻略→約111%
目押しが出来ないほどpayoutが落ちていきます。
同じビックボーナス&レギュラーボーナス確率でも最後に残るメダル枚数には大きく違いが生じるのです。
私はこの無力感を経て自分の無能さを実感しました。
《俺が一生懸命 やってもこんなものか…》
泣けてきました。
それに比べてドラゴン先生は抜群の目押し力&スロットに対する知識力
これは雲泥の差
《月とすっぽん》
俺には天才的な所は何もない
まさしく無能
無能がゆえ努力するしかないだろう
こういった経緯により‘努力の天才’となる決意をするのでした。
この時、後に‘俺は直視が出来なくて本当によかった’と思うときがくるとは思いもしませんでした。
当時のクランキーコンテストは設定6がゴロゴロしていました。
通常時の小役狙い+リプレイハズシをする人出来る人がほとんどいなかったのです。
出来る人は皆、クランキーコンドルを打ちにいく時代。
しかし、
コンテストを打ち始めて3ヶ月が経つ頃、私にとって忘れられないスロットがホールデビューするのでした。




