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第二話

私と母が父の居る王座に向かうと、そこには兄やその他、国の重役達がすで集まっていた。父はというと、将軍と何やら話こんでおり、私と母が近くに行くとそれに気が付いたようだった。その顔は、いつもと違いとても真剣なものだった。


「母さん、アリシア…他の者もよく聞いてくれ‼ この度、土の国グランスオードが水の国アクアガーデンに宣戦布告した。」



周りから、息を飲む音がした。皆顔から血の気が引いている。


「水の国……」


私がそうつぶやいのは誰にも聞こえていないだろう。


私が生まれる5年ほど前、大きな戦争があった。それは、非常に大規模なものだった。決着がつかないまま時間が過ぎて行くなかで、火の国、土の国、雷の国などここら辺の国では、それぞれの王が集まって停戦協定を結んだ。それから、一回も戦争は起こらなかったのに…


そして、父はこう続けた。


「沈まれ!! 動揺するのも無理はない。だが、しかし我々火の国は、我々に被害が出るまでは、手は出さん。」



「そんなっ!! 何とかしてよ!!」


気付いたら、私は大声でそう叫んでいた。


「アリシア…お前は戦争を知らない。お前の好き勝手で人が死ぬんだぞ。お前は戦争に行く人間が死んだら、どうする?償えるのか?


お前は2日前、死に近づいた。そんなお前なら分かるだろう。今、ここでどちらかの味方をすれば、事が余計に大きなものになる。俺にとって、自国の民が第一だ。分かってくれ。」


その後も父は、詳しい状況を説明していたが、私は、自分の浅はかさと、何も出来ない悔しさとで、ただ、下を向いて黙っていることしか出来なかった。



夜、会議が終わって部屋に戻ると、すぐにベッドに飛び込み、枕に顔をうずめる。


戦争だなんて…そんなのもう結果が見えてじゃないか。それぞれの国は、皆国の名前が示す一種の魔法しか使えない。私たち火の国は、火の魔法しか使えないように。その中でも土の国の土属性の魔法は強力だ。だって、土は何処にでもあるのだから。私たち達が、自分達の魔力を火に変えるのと違い、彼らは、そこにすでにあるものをつかえばいいだけだ。


まだ、うちの国なら何とかなっただろう。だが、今回は水の国だ。水の国の水魔法は、主に治療に使われることが多く、戦闘向きではない。そのせいか攻撃魔法があまり進んでいない。だから、水の国の攻撃魔法は水が無いと行えない。しかも、水があっても、たいしたことが出来ないのだ。


土の国と水の国…


こんなの相性以前に勝負にならない…

せっかく、私の命の恩人に会えるかもしれなかったのに。




一週間後、誰もが予想した通り戦争は早く終わった。だが、結果は、予想外だったのだ。


勝利したのは、水の国だった。しかも、状況は圧倒的だったという。どうして、不利な状態にいた、水の国が勝ったか皆が不思議がっていたが、その後火の国に入ってきた情報を聞いたら、皆、目が飛び出さんばかりに驚いていた。


その情報によると、土の国を倒したのは、水の国の王子、一人のみであったとか…



これは、問題になった。一国を落とすほどの人間が、存在するのである。


すぐに、各国の王が集まり、どの国も戦争は本意では無いと確認し、再び停戦協定がされた。


また、そこで各国の王を驚かせたのは、その王子が王になっていたことである。


これで、王達は水の国を恐れた。何か、下手な真似をすれば、自分の達が危ない、と。


私も、母に言われて気が付いたが、その王子は私の13歳の誕生日に来ていたという。ビックリだ。見た覚えはないんだけど…


その王子と私の恩人の姿が重なる。まだ、王子が私の恩人とは決まったわけではないが、これでも、あては出来たと思う。まずは、王子にあたって、違ったら、他の人をあたればいいのだ。


そして、すぐに会いに行こうと思ったが私の願いは叶わなった。3年後までは…


停戦協定のあと、水の国は自国の領土に結界をはり、ほとんど周りとの関係と断ってしまったのだ。水の国の今の力を考えると、王女の私さえどうすることも出来なかった。



だが、それから3年後、急に水の国から各国へ手紙が届いたのだ。何でも、水の国の王の伴侶を募集したいとのことだった。


各国はもちろん、これに応じた。強い力をもつ水の国とコネクションが出来れば、それだけで都合がいいのだ。


火の国にその知らせが来た時、私が行く、絶対行く、と父に言った。水の国に行く機会なんてもう無いかもしれないと、諦め掛けていた時のことだったから、なおさらである。父は泣きながら反対したが、母が説得してくれたおかげで、私は水の国の王様のお嫁さん候補という隠れ蓑を使って、水の国に行くことにしただった。


そして、現在、私は水の国に入ろうといていた。

外側から、はっきりと見て分かる水の結界が間近に迫ってきたのをみて、私は絶対にあの人を見つけだして見せる、と意気込むのだった。









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