表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

タラレバ

作者: タイチ
掲載日:2026/04/21


「開廷します。被告人は前へ」

どうしてこうなってしまったのだろう。

数年前

俺の名前は橋場光輝。今年から社会人だ。念願かなって、漫画の編集者として働いている。元々漫画が好きで、漫画家になるのが夢だったが、絵が絶望的に下手であったため諦めた。しかしどうしても漫画にかかわる仕事がしたかったので、はれて編集者として働けることができてとても幸せだ。

「本日付で週刊少年○○に配属になった橋場光輝くんだ。

さぁ挨拶して。」「今日からお世話になる橋場光輝です。初めはご迷惑をおかけするかもしれませんが、精いっぱい頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。」

パチパチパチパチ(拍手)

「君の指導係の三池若葉さんだ。三池さん、後はよろしく。」「三池です。わからないことがあったら何でも聞いてね。」「はい。よろしくお願いします。」三池さんはとても優しく、それに美人なため、職場でも人気があった。僕は、一目ぼれした。公私ともに仲良くなれればと、そんなことを考えながら、編集者としての道を歩み始めた。

それから、編集者として三池さんの補佐として、色々な業務に携わりながら、日々成長を感じていたある日、三池さんの担当作家さんの一人を僕が引き継ぐことになった。なんでも三池さんは、三本もの担当を任されてるほどの優秀な編集者だった。しかし、三本の担当はかなりハードで、さすがに厳しいとゆうことになったので、一本を自分が引き継ぐことになった。

「佐伯君。今日から私に代わって橋場君があなたの担当になるから。まぁ、ずっと補佐としていてくれたから、そこまで説明はいらないわよね。」

「はい、大丈夫です。これからよろしくな橋場。」

「はい、よろしくお願いします。」

佐伯雅也。うちの売れっ子漫画家だ。大事な作家さんではあるが、正直苦手である。なぜなら、三池さんの前と僕一人の時では、まるで態度が違うからだ。まぁおそらく、この人も三池さんに好意があるのだろう。そんな性格のためか、三池さんが担当するまでは、コロコロ担当が変わっていたらしい。

無理もない。しかし、入社二年目にしてこんなチャンスはめったにない。何としても成功させて、会社と三池さんの評価を上げようと思った。だが、そううまくもいくわけもなく、佐伯さんとの打ち合わせは、終始言い合いの毎日だった。

「だから、俺はこうしたほうがいいんじゃないかっていってるんです!」

「なに、俺に命令してんの?」

「提案です!作品は作家と編集者二人で作るものでしょう!」

「はぁ?何言ってんだよ。なんでたかが編集者のお前が、俺の作品に関与できると思ってんだよ。俺は二千万部の売り上げを誇る大物作家出だぜ。お前に提案されなくても、面白い作品ぐらい作れるっつうの。わかったら黙って俺の言うことだけ聞いてりゃいいんだよ!」

毎日こんなやり取りの繰り返しだ。本当にストレスでどうにかなりそうだった。イライラしながら帰っていたそんな時だった。

ピコン

メッセージが届いた。相手は三池さんだった。

「お疲れ様。打ち合わせ終わった?もし終わったのならこの後飲みに行かない?話したいこともあるし」

「お疲れ様です!はい、もちろんです!」

三池さんとは、もう二人で飲みに行けるほど仲が良くなっていた。この人だけが俺の心の支えだ。それに、話って何だろう。まさか三池さんも俺のことが好きで、こ、告白⁉

「え、結婚?」

「えぇ。橋場君にはいろいろお世話になったし、先に話しておこうと思って。」

終わった。何もかも。

その後の三池さんの言葉もはってこないほど、僕の頭は真っ白になっていた。

それから数日後。三池さんとはそれ以来会ってない。寿退社されたからだ。相変わらず俺も、全く仕事に身が入らなかった。支えを失った絶望、嫌いな作家との毎日のやり取りで俺は、精神的に追い詰められていた。

そんなある日のことだった。

「あれ、携帯がない。」

佐伯さんとの打ち合わせも全く身が入ってなかったせいか、俺は打ち合わせをしていた佐伯さんの家に、携帯を忘れてきてしまったのだ。急いで取りに佐伯さんの家に行くと、ドアの前に見覚えのある人物がいた。三池さんだった。彼女は、僕には見せたことのない女性の顔をしていた。彼女は部屋にはいった。すべてを悟った俺は、ギリギリだった理性がプツンと切れた。

ピーンポーン

「はい?」

「橋場です。申し訳ありません。先ほどの打ち合わせで携帯を部屋に忘れてしまって。」

「たく、しっかりしろよな。最近たるんでるんじゃない?」

ガチャ

部屋が空いたと同時に、俺は部屋に押し入りそのままキッチンに向かった。

「おいてめぇ、どういうつもりう」

キッチンにあったナイフで俺はまず佐伯のお腹に一刺しした。そして

グサッグサッグサッ

今までのうっ憤を晴らすかのように、俺は佐伯を何度も何度も刺し続けた。静かになった部屋で、あることに気づく。三池さんがいない。その時、奥のお風呂場から、シャーという音が聞こえてきた。三池さんは、シャワーを浴びていたのでこの騒動に気づかなかった。僕はお風呂場に向かい、お風呂場の扉を開けた。

「どうしたの?もしかして、一緒に入りたい?」

「どうして」

「え、その声橋場君⁉ちょ、何してるのってキャー‼」

ナイフを持った俺を見て、三池さんは腰を抜かした。

「どうして、どうしてあんな奴と‼」

「落ち着いて橋場君。話せばわかるわ。」

「わかりませんよ‼よりによってあんな奴と。三池さんを手に入れるのは俺のはずだったのに。俺が、俺が‼」

「やめて、やめてー‼」

グサッ

「被告人、あなたの犯行は、非常に身勝手で、残忍な犯行であるため、情状酌量の余地もありません。よって被告人を死刑に処する。」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ