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70 ホロタチェック9日目

俺はシェイソウの火山帯を抜けて西に向かうことにした。


シェイソウから北に行けばクルクと出会ったエへシーンがあり、北西に行けばドニシャと出会ったナチュド王国があるが、西隣には俺の闇のダンジョンがある。


帰るつもりは無かったが、マハルダ達の様子を見ておこうと思った。


長居はせず少し寄る程度に考えている。


山々を越えて草原を通過していると、上空まで闇の靄で覆われた領域が見えた。


闇のダンジョンに戻って来た。


もう朝だ。昨日ホロタチェックをし忘れているから今日は必ず確認しておきたい。


闇の靄の中に突っ込み暗い視界を進むと大量のDPを消費して建設した闇の教団本拠地が見えた。


暗い灰色の城みたいな教会だ。


幾つもの小塔がニョキニョキ生えており、至る所にデフォルメされた俺のマークが描かれていた。


丁度ダークメイジが正面の大きな扉から出て来たので、俺はその隙に中に入った。


広いエントランスホールにはダークウォーカーが掃除をしていた。


奥に行くとズラリと並ぶ長椅子の列があり、その先には3つの祭壇があった。


今まで見たどの祭壇よりも巨大だ。


ダークメイジやダークウォーリアー等の10体程の配下達がせわしなく行動している。


マハルダが居ないな。


俺は黒い花の植物達の手入れをしてるダークメイジに聞いてみた。


「マハルダはどこだ?」


ダークメイジは急に話しかけられて驚き勢い良く振り向いた。


「おぉ闇神様!教主様は右側の3階にございます自室にいらっしゃいます」


「そうか、邪魔したな」


俺はエントランスホールまで戻って右の倉庫部屋手前にある階段から3階まで上った。


部屋が閉まっていたのでクチバシでノックする。


少し間が空いてからドアが開いた。


「おお我が神よ!ようこそ御越し頂きました!ささ、こちらへ」


そう言いながらマハルダと対面した。


手にはホロタを持っており、映し出されているホログラムを見ると闇の教団の各国支部長達が映し出されていることから専用のグループ通話をしているみたいだった。


俺は広い部屋のテーブルの上に留まりマハルダが椅子に座ってから話始めた。


「悪いな急に来てしまって」


「滅相もございません、我が神を差し置いて優先する事などこの世には無いのですから!」


「偶々近くを通ったから寄って来たんだ。どうだ、信徒集めは上手くいってるか」


「着実に数を増やしております、ついたった今聞いた報告によりますと、全人類の35%は闇の教団に入信しております」


今日でAI勇者を殺してから9日目だ、次の転生まで3分の1の日が過ぎた。


そう考えるとギリギリの進捗だな。


まあその内最初の3日は情報収集をしていただけで布教活動はしていないから実際は5日で35%増えたわけで問題無い。


でも何かトラブルがあってちょっとでも進捗が遅れると間に合わない可能性もある。


理想的な増加数ではない。


「素晴らしい進捗率だ、しかしもっと必要だ」


「心得ております」


「今までのやり方を繰り返すだけでは同じ増え方にしかならない、何か手を考えてくれ。当然俺もより多くの信徒を増やす方法を常に考えて行動している」


「今まさに新たな信徒を呼び込む為の行事を支部長達と話し合っておりました、現在進行中の闇の感謝祭の他に幾つか妙案が出ましたので今後更に入信の勢いは増すと確信しております」


「期待しているぞ」


頭を下げるマハルダに背を向けて俺は部屋を出た。


マハルダは上手くやってくれてると思う。


世界各地の支部長を全て管理してくれているからな。


各地の問題なんかも解決出来なければ最終的にマハルダが対処しなくてはならない。


あまり邪魔してはいけない。


俺は闇の教団本拠地の教会を出るとダンジョン地下へと向かった。


地下3階の黒い砂の地面と黒い霧が漂うコアルームに帰還した。


ダークゴブリンのジェイズが直に俺に気付き頭を下げる。


「お帰りなさいませイリ様」


「よおジェイズ、只今戻ったぞ」


俺は鳥籠に入り、憑依を解除して本体と合流した。


球状の闇の塊だった本体に人の上半身の形をした闇が生え、元の姿に戻った。


あーやっぱり元の姿が一番しっくり来る。


憑依状態だとなんか少し感覚が薄くて違和感があるんだよな。


ジェイズからホロタを受け取ると、AI勇者を殺してから9日目のホロタチェックを開始する。


闇の教団チャンネルで各数字を確認した。



・闇の教団チャンネル登録者数  255万人

・チャンネル登録者数ランキング 6位

・投稿動像本数         41本


・チャンネル内動像再生回数ランキング

 1位 778万回再生『カレルザトヤVSザザラン 国同士の代表戦!小人バトルの決闘 編集版』

 2位 629万回再生『闇の感謝祭1日目 シェイソウ』

 3位 415万回再生『生まれ変わった私を見てください』


「凄っ!上がり過ぎだろ」


数字が爆上がりしている。


チャンネル登録者数が一昨日と比べて200万人も増え、ランキングでTOP10に入ってる。


これは業界2位のアイドルグループ"虹月"メンバー全員が闇の教団に入ったというニュースが知れ渡ったからだと思う。


全人類の35%が入信しているのに登録者数が少なすぎる気もするが、それは恐らくホロタの普及率の問題だ。


これからはホロタの普及にも力を入れるべきなのかもしれないな。


チャンネル内での再生回数トップは配信の見所を繋いで編集したコンパクトな動像だ。


今回の数字を見て分かったことは、インフルエンサーが生配信すると一番数字に繋がるということだ。


リアルタイムで話題を共有するということがこの異世界では非常に好まれている。


配信をアーカイブで残した動像なんかも長居配信で見逃した人や話題に釣られた人が多く見る事になる。


それを見所だけ抽出して編集した動像はより多くの再生回数を稼ぐ。


これはホロタを制す時も近いなと上機嫌で日間動像ランキングを見て驚愕した。


「は?どゆこと?」


1位はレジスタンス動像だった。


2位から5位は闇の教団チャンネルの動像が独占しているが、そんなことはもうどうでも良い。


なぜ昨日配信バトルで負けたレジスタンスが1位なんだ。


サムネを見ると『新・銀星の光』と書かれており、業界1位のアイドルグループ"銀星の光"メンバー全員がスワトと一緒に写っている画像が使用されていて、再生回数は脅威の922万回だった。


やられた。


俺達が一番やりたかったことを先に取られてしまった。


眷属達にはインフルエンサーを闇に堕とすよう命令していたが、充実した人生を送るトップアイドルが闇堕ちに繋がる問題を抱えているわけがない。


ハードルの高い事だと分かっているが、"銀星の光"は俺達が獲得したかった。


獲得出来ないならせめて他の組織に流れないように脅しておくべきだった。


でも眷属達には堕とせないと判断出来なかったんだろうな、何とか頑張ろうとするからさ。


粘ろうとしているうちにレジスタンスに横取りされたってわけだ。


畜生。


なんてこった。


まだ全人類の65%が闇の教団の信徒になっていないというのに、この早い段階で全インフルエンサー中フォロワー数トップ5を全てレジスタンスに取られたのは非常に不味い。


さらに不味いことにレジスタンスに入った"銀星の光"メンバー全員の頭上に光輪が浮かんでおり、寄り目になっていた。


女神の力まで与えている。


一番人気のインフルエンサー達が力を得て闇の魔王に抵抗する、人類にはさぞ希望に感じるだろうな。


あろうことか、もしかして闇の魔王に勝てるんじゃないのかとさえ思ってるのかもしれない。


俺達が人類を虐殺しなくなった今の状況だと、闇の魔王がレジスタンスを恐れていると勘違いされても可笑しくない。


一刻も早くレジスタンスの居場所を特定し消さなくてはならない。


俺はダンジョンコアを操作して追加の物販アイテムを量産すると、また水色の鳥に憑依してコアルームを出たのだった。




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