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60 魔女

ムルに小人バトルの概要を説明した。


両国の代表者1名を小人にして戦わせるということ。


小人を人形みたいに手で動かす操者を1名選出するということ。


ホロタで撮影して配信するということ。


闇の教団が代表戦の立会人となるということ。


あとは決闘の場所や範囲等々の詳細な取決めだった。


まあ正直茶番だよな。決闘するにしても何で小人バトルなんだよって疑問に思うはず。


でも両国はこの提案を受けるしかないさ、だって実質俺達闇の教団が支配してるようなものなのだから。


それに国には歴史があり隣接する国同士には因縁がある。


どうしても晴らしたい恨みでもあるんだろうさ。


俺は羽ばたき闇の教団カレルザトヤ支部の拠点から出るとヒリリを探しに行った。


北へと戻りカラフルな砂漠からヒリリを探す。


結構な数の鼠ライダーが砂漠を散らばって捜索しているのが見えた。


焦りながらヒリリを探す。


ムルの交渉が終わるまでは連れ去られるわけにはいかない。


軍にとって主力だという小人の女が連れ去られると脅したって何も聞かずに戦争に行くだろう。


暫く探してやっと西の緑の砂エリアでヒリリを見つけたのだが、オッパイと戦闘をしていた。


オッパイは紫のエナジーで創りだした三叉槍を両手で持ち突きのスキルを使いながら魔法で地面を這う紫の波動を繰り出している。


ヒリリが避けて砂の中に潜り距離を詰めて砂の中から顔と白い手袋を装着した両手を出してオッパイの下半身を掴んだ。


「くっ、マナ阻害用の手袋!?」


三叉槍が消えてオッパイの身動きが取れなくなったタイミングで俺は2人の前の砂に降りた。


「2人共何してるんだ?」


俺を見てヒリリは顔が緩んだが、オッパイ魔女は青ざめた。


前はオッパイが気絶してたから俺を見るのは初めてなんだよな。


「オッパイが攻撃して来たの」


そう言いながらヒリリが砂から完全に出て片手で砂を払った。


「人を変なあだ名で呼ばないで!それにあなたが私を小さくして攫ったからでしょう!」


オッパイがヒリリを睨むがヒリリは全く気にしていない様子だ。


「だっておっぱいで遊びたかったんだもん」


「人の身体で遊ぼうとしないでよ!」


オッパイ魔女が熱くなる。


この辺で一旦熱を冷まさないとな。


「まあ待てよ、軍が魔女を探しにそこまで来てる。こんなところで言い争いしてる場合じゃ無い」


「急いで離れなきゃ!ほら、私動けないんだからあなたが走りなさいよ!」


意外にも魔女は軍を嫌がりヒリリを急かした。


ヒリリがオッパイ魔女を掴んだまま西へと歩き出し俺はヒリリの肩に乗った。


「魔女は元々軍に所属してたんだろ、何で迎えに来た軍を嫌がるんだ?」


魔女は俺を見て怯えた表情に変わった。


「あ、あなたは闇の魔王の手下よね?」


「まあ闇の存在ではあるな」


パニックになりそうだからまだ俺が闇の魔王だとは言わない。


「私をどうするつもりなの?」


「闇の教団の信徒じゃない奴なんて俺はどうでも良いが、少しの間だけ軍に捕まらないで貰いたい」


「そ、それだけ?」


「そうだ、それで魔女はなぜ軍を避けるんだ?」


魔女は怯えた顔で俺を見たままだ。


言うか迷っているように感じた。


そらそうだ、俺達は他人でましてやヒリリは拉致した上に身体を小さくしたんだから特別な事情を喋ってやる必要なんかない。


しかし俺が闇の存在だということをどうも気にしているみたいで不本意だと言わんばかりの嫌そうな雰囲気を醸し出し、沈黙の後で観念したのかボソっと答えた。


「……虐げられていたから」


訳アリだな。


でも共感して寄り添うなんてことは出来ない、だって俺は闇の魔王だからな。


「魔女は軍の主力だと聞いたぞ、お前の方が強いんじゃないのか?」


「軍の兵士と比べたらね、だけど強さは関係ない」


「じゃあなんで?」


「…あなた達って本当に何も知らないんだね」


まあな。


鳥の姿のクセに巷で話題の噂も知らないのかと言いたいんだろうけどさ。


俺は偶々抜き打ち視察で立ち寄ってるだけだしヒリリもおっぱいに惹かれて拉致しただけだからな。


「逆に魔女はそんなに有名なのか?」


「魔女じゃない、私の名前はチャノ。みんなが私を魔女と呼ぶのはデーモンの魔王と契約して力を手に入れたから」


ほう、契約なんて人間臭いことをするモンスターが居たとはな。


モンスターと契約することが珍しいなら周囲から浮くのは当然だ。


散々嫌がらせでも受けて生きてたんだろ。


「何でモンスターと契約なんかしたんだ?」


「復讐」


既にプチ闇堕ちしてたってわけか。


「もうやり遂げたのか?」


「おかげで捕まって軍に入隊させられた、これが国の奴隷の烙印」


チャノがヒリリの指をどけて首のマークを指差した。


6本足の鼠と眼が描かれたマークだった。


暗い顔をするチャノをヒリリが抱きしめる。


「大丈夫だよ、オッパイはヒリリが遊んであげるから!」


「オッパイじゃないし!私で遊ぶなっ!」


ヒリリに捕まってるという目の前の問題をチャノは思い出し、また揉めようとしていた。


「そんなことより、チャノお前死にたいか?」


暴れようとしていたチャノが止った。


「ど、どういうこと?」


「いや、死にたくないなら鍛えた方が良いと思ってな」


「どうしてかしら?」


「隣国ザザランと代表戦で決闘やるんだよ、どうせ主力のお前がカレルザトヤの代表に選ばれる」


「えっ、…だとしたら尚更私は軍に戻らない」


「それが小人バトルなんだよ、だから小人魔法を使えるヒリリが決闘の協力者になるし、一緒にチャノも軍に戻ることになる」


「なんですって…」


まあわけわからんよな。


俺も言ってて分からん。


「やだ!オッパイは誰にも渡さないもん!」


「じゃあヒリリが操者になれば良いじゃないか」


「操者って?」


「チャノを手で持って操る人のことだ」


「やるやる!」


「ま、待って私は絶対嫌っ…」


「死ぬと決まったわけじゃない、勝てば良いんだ」


「いいえ、まだ国外に逃亡したら…」


「残念だが代表戦には闇の教団が立ち合いを務めることになってる。世界中何処に逃げても闇の教団の信徒が近くに居るだろうさ」


「そ、そんな…」


「オッパイ元気だす」


ヒリリがチャノの爆乳を指でツンツンする。


チャノは絶望しながら乳をブルンブルン揺らしていたのだった。


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