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50 頭飛剤

違わないんだけど違うんだよな。


怪しいながらも世間向けに闇の教団の良い所をアピールするプロモーションをイメージしていた。


しかしマハルダが製作した動像は尺の大半を使っていかに俺が凄いかを熱弁していた。


俺が指示した伝えて欲しいポイントはちゃんと言及されてはいる。


反女神の考えと闇の教団による人類の救済、闇の教団への勧誘などがそうだ。


でも闇の教団に入りたいと思う要素が少ない。


作り直して欲しいところだが、生憎今は時間が無い。


時間の余裕がある時に修正して貰えばいい。


俺はホロタを操作しマハルダと通話する。


ホログラムにマハルダが映し出されるとすぐに指示を出した。


「プロモーションを確認したよ、今からマハルダ達は世界各地に散って闇の教団の勧誘を開始してくれ。聖王国と周辺国家には重点的に布教活動を実施しろ」


「畏まりました、我が神よ、もし宜しければ我らが製作した宣伝動像のご感想を…」


「後でな。それと各地に闇の教団支部を作ってクレーム対応や施しの贈呈なんかをやれ」


「…承知しました」


感想が聞けなくて不満そうだったが俺からホロタの通話を切った。


これで配下達は闇の教団の為にフル稼働してる状態だ。


俺はホロタの企画とオリジナルグッズの開発に専念しよう。


地下1階から3階を行ったり来たりして材料を集め新たな闇の教団の話題作り用商品の開発に(いそ)しんだ。


幾つかの試作がアイテム練成に成功し量産出来た。


ダークスライムチョコ、ブラックバブルビール、球鴉(たまがらす)バーガー等のフード系は闇の影響を受けた素材を使用した特別な味に仕上がっている。


アイテム収納袋に入れて運搬するか闇の教団支部で召喚スキルや魔法で取り寄せたら新鮮な状態で提供出来る。


飲食以外では、すぐに肉体的にも精神的にも疲労がリフレッシュするブラックフェイスパック、行動不能系デバフを完全無効化する黒い宝石を用いたアクセサリーなんかがある。


「警告、侵入者を検知しました」


おっと、没頭してしまったようだ。


ダンジョンマップを見るとマハルダの側近のダークセージとダンが一緒に映し出されていた。


流石マハルダの側近だけあって仕事が早いな。


よく見るとダンがオシャレじゃ無くなってた。


前は派手な服装だったのに今では黒いローブを着てフードを被っている。


一見すると誰だか分からないが、フードの隙間から見えるエルフ特有の耳と赤い髪でダンだとわかった。


魔法の粉に使えそうな素材を上の階で集めていると、ダン達が入って来た。


黒いマントに紫のシャツと黒いズボンを着たダークセージが毒々しい紫と緑の杖を地面に突き立てながら片膝を付き跪いた。


このダークセージは他の同種に比べてやや明るい灰色の肌をしていてサラサラした黒髪を長く伸ばしていた。


特徴があっても名前は覚えてないんだよな。


眷属達の側近って結構沢山居るから全部覚えてられない。


このダークセージも今までほんの数回しか会った事が無いし、その時もマハルダの後ろで控えてただけだからな。


俺の姿を見てダンは眼を見開き滝の様な汗を流して突っ立ったまま硬直していたが、ダークセージに杖で足を小突かれて我に返ると慌てて跪いた。


「ダンを連れて参りました」


「ご苦労さん、よくこんな短時間で連れてこれたな?」


「転移の魔法を使用致しました」


そりゃ早いわけだ。


確か転移の魔法は設置した魔法陣に瞬間移動出来るという魔法だったはず。


前にカレルザトヤに立ち寄ってたとしたら移動時間は無いに等しい。


「なるほど良い魔法を持ってるな、…さてダンよ」


名前を呼ばれてダンがビクリと肩を震わせる。


「闇の教団に入信したか?」


「は、はいっ、闇の魔王さ…闇神様!の素晴らしさに感銘を受け私も一席に加えさせて頂きました」


随分と怯えてるな。


俺の事は喋る小鳥だと思ってたんだから驚くのも無理ない。


まあシンプルに闇の魔王を恐れてるのかもしれないけどな。


「そうか、入信おめでとう。実は闇の教団は歴史が浅くてねダンには宣伝活動を頼みたいんだ」


「や、闇の教団の宣伝ですか?」


「そうだ。ダンは確かインフルエンサーだったよな」


「い、一応インフルエンサーではございますがフォロワー数40万人程の弱小インフルエンサーにございます」


まあダンがやってることは国によって違法行為なるからトップクラスに有名になると都合が悪い。


ダンにとっては丁度良い数字だ。


「それで十分だとも。ダンの粉商品を俺が改良して新作を作るから上手くホロタで宣伝してくれ」


「う、上手くですかっ…お、恐れながら私めが宣伝しても大衆から満足のいく反応が得られるとは…」


「怖がる必要は無い、ダンは全力で取り組んでくれたらそれで良い」


「は、はいっ」


「新作を受け取ったら俺が立ち上げた闇の教団チャンネルに共同制作の参加申請をして撮影した動像をアップしてくれ」


「闇神様の仰せのままにっ」


「俺が作る間はその辺で休憩しててくれ」


ダークセージから魔法の粉の小瓶が大量に入った袋を貰った。


ダークセージがダンを連れて別室に移動する。


俺はコアルームに移動し調合を試みた。


闇に潜らせた香草を粉末状にしたもの、地上に発生している闇の靄とダークゴブリンのジェイズから少量貰った黒い血、侵入者の遺品にあったマナが多く込められた杖を砕いて集めた木屑。


これらを全部大き目の瓶に詰め込み3体居る世話係のうちダークエルフに指示して火魔法で瓶を熱した。


数分後に瓶の中身をこしきに通して粉末だけ抽出する。


黒い粉が出来た。


この黒い粉とダンが寄付してくれた魔法の粉をアイテム練成の素材に選択し練成する。


「完成だな」


黒緑色の粉になった。


ダンジョンコアのアイテム購入リストには頭飛剤と表示されていた。


これで量産出来る。


試しにアイテム購入で買ってみると小瓶に詰め込まれた状態で入手出来た。


俺は頭飛剤を150本購入すると100本と50本で分けて別の袋に入れた。


地下2階へと持って行きダンに100本入った袋を渡す。


「100本ある。ダンが値段設定して良いし闇の教団へのロイヤリティは不要だ、撮影後なるべく知名度のある人物に売り捌いてくれ」


「闇神様の仰せのままに」


ダークセージには頭飛剤が50本入った袋を渡した。


「これから設立される闇の教団支部に配って販売してくれ、教団に加入すると大幅割引が可能だと宣伝するんだ」


「畏まりました」


ダンとダークセージが地上へと出て行った。


こうして長い1日が終わったのだった。

タイトルちょっと変えました。ブックマーク・評価・リアクションありがとうございます、励みになります。

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