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49 準備

少し遠い位置からで見えづらいが俺達と聖女達との戦が一般人によって撮影されていた。


カズヤが聖騎士団長マモルを爆散させて聖騎士ジャスリーをマハルダの黒炎が焼き消しナミダが黒い液体を放水して聖女を抉り消していた。


この動像が104万回再生されおり月間再生回数ランキング1位となっている。


人類にとって俺達は恐怖と敵意しか無い状態ってことだ。


これからホロタで闇を浸透させるのは難しいだろうな。


コメントを見ても絶望する人々の声ばかりだった。


それだけ聖女と聖騎士団長マモルが人類に信頼され期待されていたんだ。


聖王国が人類の心の支えになってた。


何かあっても女神が関与している聖王国が守ってくれる。そう信じてたんだろうな。


そしてその希望は俺達が粉砕した。


人類は他に何かすがる対象を求めている。


俺はそう感じたな。


俺達にとって難しいこの状況だけど、逆に利用したら人類に新たな提案が出来そうだ。


マハルダがプロモーション動像を作る前に伝えておかないとな。


ホロタの通話機能でマハルダに連絡を取った。


「プロモーションの撮影は順調か?」


「申し訳ございません我が神よ、順調ではございますが大変重要な啓示であるが為、少々お時間を頂いております」


「なら良かった、実は闇の教団のプロモーションに含めて欲しいことがあるんだ」


「何なりと御申し付けください」


「ホロタでリサーチしたんだけど俺達が聖女と聖騎士殺しちゃったからさ人類が闇を怖がってるんだよね、だから反女神の思想と闇の教団が新たな人類の支柱になるってプロモーションに入れといてくれ」


「畏まりました」


マハルダとの通話を切り俺はコンテンツ制作の案を考える。


今からアイドルを育成して売り出すってのもなぁ。あと27日程しかないってのに。


どうしたら注目を集めることが出来るんだ。


人類を殺さずに闇を浸透させる方法なんてあるのか…。


まだ名案は思いつかないが、ジャブ程度に物販で攻めてみるか。


闇が恐ろしくとも手を出したくなるような中毒性のある物。


魔法の粉だな。


闇の教団オリジナルの魔法の粉を開発したら良い。


前に買った分はカズヤの一件後には全て消えてしまってもう無い。


ダンジョンコアで買えるようになったっけな。


確か魔法の粉を手に入れる前にダンジョンコアの球に聞いたら扱ってないと言われたっけ。


でもあれから実際に魔法の粉を手に入れてダンジョンに持ち帰り服用したわけだし、ダンジョンレベルも数段上がってる。


「気持ち良くなる粉みたいなのDPで買える?」


「そのような商品はございません」


なんだダメなのかよ。


となるとまたダンから買うしかないか。


他にも魔法の粉を売ってる売人は居るとは思うが探してる時間が無い。


ホロタを操作し過去にやり取りしたダンとのグループチャットを見つけるとメッセージを送った。


『また買いたい、まだ商売をしているか?』


思い返してみるとダンって確かインフルエンサーだったよな。


同じインフルエンサーだったエミに絡んで来てたし。


この際だ、闇の教団に加入させてみるか。


少し待つと返信が帰って来た。


『久しぶりだな、エへシーンが闇の魔王のせいで壊滅状態になったからカレルザトヤの北部に店を移動させたよ』


『また闇市でダンの名前を出せば良いんだな?』


『いやカレルザトヤでは合法だから条件付きで薬屋としてやってるよ、その代わり客足が遠のいたけどな』


『わかった、今すぐに使いの者を送る』


『待ってるぜ小鳥の旦那』


グループチャットから抜けてまたマハルダに通話をする。


「取り込み中悪いが今から手下を向かわせて欲しい、カレルザトヤ北部の薬屋でダンという売人を闇の教団に加入させてくれ。手段は問わない」


「我が神よ、承知致しました」


「あとダンが信徒になったらコアルームまで連れてきてくれ」


そう伝えてホロタの通話を切った。


マハルダは大量に手下を従えてるから少し抜けても全く問題無い。


待ってる間にもう一つ物販を用意したい。


「人をダメにするアイテムみたいなのって無いか?」


ダンジョンコアに聞くとすぐに回答が帰って来た。


「快適を追求した超フィット型ソファがございます」


何か地球時代に聞いたことあったようなソファだな。


改造したら使えそうだ。


「それをDPを消費して購入してくれ」


「畏まりました」


空中に青黒い渦が発生し、渦からベージュ色のシングルソファが出て地面に落下した。


伸縮性のある素材で押すと吸い込まれる。


指先で裂いて中を見ると、くり抜いたトウモロコシの粒みたいなのがギッシリ入っていた。


改造して特殊な効能が得られるようにしたい。


量産して売れば闇の教団の宣伝になる。


地下2階で配下達が飼ってる植物でも入れてみるか。


俺は上の階へと上り配下達が利用している部屋を見て回った。


ダークエルフ達の趣味だったのか結構色んな植物が植木鉢に植えられている。


「おっ、これ良さそうだな」


黒い綿花みたいな植物を発見した。


花が大きく綿飴みたいなボリュームだった。


俺は綿をちぎって持ち出しコアルームまで運んだ。


小さなサイズにちぎった綿をソファの中に全部詰め込んだ。


ダンジョンコアからDPを消費して裁縫セットを購入する。


「ジェイズ、これで縫ってくれ」


「畏まりました」


世話係のダークゴブリンが裁縫セットを受け取ってソファを縫い合わせた。


ゴブリン種なのに髪が長く服装も拘るからジャ〇ーズっぽくてジェイズと呼んでる。暗殺が得意なだけあって器用な奴だ。


僅かな時間で仕上げてくれた。


「もう終わったのか、流石はジェイズだ」


「この程度お安い御用です」


「じゃあ縫ってくれたソファに寝てみてくれ」


「…はい」


命令が意外だったらしく、少し間が空いたがジェイズがベージュ色のシングルソファに座り仰向けに寝た。


「寝心地はどうだ?」


「凄いフィット感ですねぇ、それとソファから漂う禍々しい植物の香りが心地良いです…」


匂いか。アロマ的な効果が他のソファには無いセールスポイントになりそうだな。


これでいくか。


さてどうやって量産したらいいかな。


ソファを見るとジェイズが目を閉じて爆睡している。


「おい涎出てるぞ、起きろジェイズ!」


身体をゆすっても起きないので強引にソファから突き落とした。


「ふぁ?イリ様…?」


寝ぼけてるジェイズを余所に俺はダンジョンコアに質問する。


「自作したアイテムを量産することって出来るか?」


「はい、アイテム練成で製作したアイテムはダンジョンコアに記録されアイテム購入のリストに表示されるようになります」


そうか、アイテム練成があったのか。


俺はまた上の階に上って黒い綿を摘み取りコアルームに戻るとDPを消費してシングルソファを購入しアイテム練成の画面を開いた。


素材選択の画面が表示された。


素材候補に表示された黒綿とシングルソファを選択して練成をタップする。


DPが消費されると俺の脇に置かれた黒綿とシングルソファがダンジョンコアに吸収され、黒いシングルソファを出現させた。


これがアイテム練成か。便利だな。


なんかソファが前と雰囲気違う気がするが。


随分とモコモコしてるし、微細な黒い粒子が表面から薄っすら出てる。


まあいいか。


アイテム購入リストを見ると闇の(まゆ)というソファが表示されていた。


ソファの量産体制が整ったな。


ホロタを操作して闇の教団チャンネルを開くとマハルダのプロモーション動像がアップロードされていた。


サムネを見ると『全ての者に幸福の道は開かれた!同志達よ「闇の教団」に集え!』というテロップが書かれており装飾された禍々しい城を背景にマハルダが涙を流し両手を広げて待ち構えていた。


ちょっと怪しい匂いがするな。


「はぁ…」


俺は動像を見終わると溜息が出たのだった。


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