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48 市場調査

ホロタの闇の教団チャンネルを表示すると俺のスピーチがアップされていた。


サムネには『心して見よ!これは神の啓示である!』とある。


マハルダは再生回数なんて考えてなかったか。


というか俺が考えておくべきだった。


反省しつつ再生回数を見ると3回視聴と表示されていた。


「少なっ」


思わず声が漏れてしまった。まあでも最初はそんなもんだろ。


まだ俺のスピーチ動像だけでマハルダの闇の教団勧誘動像は無い。


張り切り過ぎて凝ってしまってるな。


仕方ない、クオリティも大事だからな。


アップされるのを待つ間に市場調査をしよう。


時間があった時に見た事があるが流行はすぐ変化するからこまめにチェックしておきたい。


ホロタのトップに戻りランキングを見る。


ユーザーのフォロワー数、チャンネル登録数、動像の再生数それぞれにランキングが設けられていた。


動像の再生数をタップすると、ズラリと動像が表示された。


トップがどんな動像なのかチェックする。


1位は2年前に投稿された『マースから君へ』というサムネの音楽だった。


楽団をバックに緑髪のヒューマンの男が格好つけながら踊り熱唱している動像で、男は冒険者の恰好しているが様々な装備の部位を組み合わせており統一感が無かった。


嫌でも歌っている男に目が行く。全て高級そうな素材を使用した装備だったからだ。


チェストにはドラゴンの鱗が使用されていたし、ガントレットにはブルーメタル色のピカピカした素材が使用されている。


音楽の動像だからこんな恰好をしているのか、本当にこんな冒険者なのかは分からない。


コメントを見ると『ルジが最高にカッコイイ!』『強くてイケメンで歌上手いの反則だろ』『はぁルジと結婚したい』等、1人の人物に対する賛辞のコメントばかりだった。


このセンターで歌ってる緑髪の男がコメントでもてはやされているルジだと分かった。


もはやアイドルだな。


よく見るとショート寄りの緑髪はバッチリとスタイリングされて束感があったし、白い肌もしっかりと手入れされおりきめ細やかで綺麗だった。


そして顔はコメントの通り美男子だった。


キリっとしているが刺々しさの無い独特な包容感があり、長いまつ毛と涙袋が甘いマスクを際立たせている。


曲もそんなに悪く無い。


そんな『マースから君へ』は再生回数3012万回の堂々第1位だ。


「現在の世界の総人口を教えてくれ」


ちょっとダンジョンコアの球に聞いてみた。


「約1億人です」


丁度日本の人口と似てる。ホロタの普及率とモンスターが蔓延るこの異世界事情を考えれば3000万回の再生は凄いことだと分かる。


チャンネル名を見ると『ルジのミュージックステージ』と表示されていた。


チャンネル登録者数もホロタにはちゃんとあって、116万もの人が登録していた。


チャンネルのアイコンをタップすると共同制作のクリエイターとして参加している全てのユーザーが表示される。


ルジをタップするとフォロワー数を確認出来た。


「351万人か…」


多いな。


他のチャンネル参加者を見るとフォロワー数は1万人程度だった。


これは正攻法でフォロワー数を稼ごうとすると相当難しいんだろうな。


明らかに個人の力を超えて数字を稼いでる。


やはり既存のインフルエンサーを利用する手は欠かせないのかもしれない。


そう思いつつ再生数ランキングに戻り再生数2位を見た。


1年前に投稿された『ダンジョンの花』というサムネのまた音楽動像だった。


後ろに楽団が演奏してセンターの1人が歌っているのはさっきと同じだったが、こっちは歌手が赤茶色の髪をした女性の冒険者だった。


高級そうな光沢ある赤い装備を纏い、華麗に踊りながら上手に歌っている。


曲は地球には無い独特なテンポとリズムだが耳に残るような良いメロディだった。


コメントを見ると前と同じく歌手のことばかりが書かれている。


名前はチュウナ。これも俺は聞いたことが無かったがコメントではアイドルみたいな反応だった。


そんな『ダンジョンの花』の再生回数は1783万回。


1位の『マースから君へ』よりワンランク下がってる。


1位になるには内容だけじゃなくて時事的あるいは特別な理由が絡み合わないとそこまで再生数を稼げない可能性もある。


チャンネル名は『チュウナの音部屋』で登録者数97万人だった。


そいえばルジの動像では大舞台で撮影されていたけどチュウナは少し大きいだけの部屋で撮影されていたな。


他と差別化する為にあえて部屋で統一してるのかもしれない。


例えば自宅だとか、有名人のお宅を訪問して一曲撮影するとかだと話題に繋がって再生数も上乗せされるだろう。


コメントを下までスクロールして見ていくとそれらしきコメントがあった。


やり手のチュウナはどれだけフォロワーがいるのか確認してみると、309万人もフォロワーが居た。


俺が今まで憑依体で回った各地ではルジもチュウナも日常会話で登場し無かった。


社会現象クラスの人気を得るには最低でも300万人以上のフォロワーは必要なのかもしれない。


次に再生数ランキング3位の動像を確認する。


サムネには『英雄』とだけ書かれているがバッチリとメイクされた高級装備の冒険者達が集合していた。


タップして再生してみる。


「これも音楽か」


また楽団をバックにアイドル冒険者が歌う動像だったが、歌手が5人居てグループになっていた。


見覚えのある奴が居ると思ったら、ルジとチュウナが歌っていた。しかもルジはセンターだ。


もはや完全にアイドルグループだ。


曲はそんなに良く無い。


人気者が大集結したから再生された感じがする。


再生回数は1407万回。チャンネル名は『銀星の光』だった。


コメントでよく出て来た名前だったからグループ名だと思う。


チャンネル登録者数は520万人もあった。


個人よりグループでの人気の方が高いんだな。


俺達もグループとかユニットを結成した方が良いのかもしれない。


ルックスの良いディープダークエルフの連中を調教してアイドルを育成してみるのも有りだな。


それか既存インフルエンサーとユニットを組むとか。


案がいくつか浮かぶが一旦置いて、『銀星の光』のクリエイター参加ユーザーを見た。


グループメンバーの名前が並び楽団員や裏方の名前があった。


フォロワーの数はルジとチュウナが頭一つ抜けていた。


他のメンバーはフォロワー100万人前後だったからな。


はい次。


再生回数ランキングの一覧に戻り4位以降をサラッと見る。


4位はなんとドラゴンの魔王を倒す長尺の動像だった。


「ほう」


今までのアイドル冒険者とは違い、装備や能力も本格的なソロ冒険者だった。


シュンという名前で右の頬に小さい手の模様をした痣みたいなのがあった。


再生回数は1033万回だ。


長尺なのでスキップしながら見てるが再生数も頷ける程の死闘が繰り広げられておりギリギリでドラゴンの魔王にソロで勝利していた。


まあ人類からしたら感動するんだろうな。


コメントを見ると不遇な状態で緊急に挑んだらしく、挑戦には社会的に大きな意味があったみたいだ。


それは再生数にも影響しただろうな。


5位から8位はまたアイドル冒険者の音楽で、9位はアイドル冒険者達が低位のダンジョンでダンスを踊ってアカペラ風に歌いながら魔王を倒すという舐め腐った動像だった。


攻撃前に人間跳び箱でピョンピョン跳んだり、スペースを見つける度にやたらとバク転を披露したりと無駄な動きの連発でコメディかと勘違いしそうな内容だった。


美男美女だからって好き放題やってるなぁ。


これが平面の画面映像だったらウケなかったかもしれないが、ホログラムで全て立体映像化されているので派手な動きは見ていて面白のは分かる。


俺達も派手なコンテンツにしないとな。


10位はシュンがオーガの魔王をソロで倒す動像だった。


これも激闘で満身創痍になりながらも最後は剣から槍に武器チェンジして一点集中のチャージスキルで倒した。


オーガの魔王は剣による斬撃の範囲攻撃が来ると思ったんだろうな。槍の手札をずっと温存していたシュンが一枚上手だった。


これは盛り上がるだろう。


再生回数ランキングを一通り見終わった後、フォロワー数ランキングとチャンネル登録者数ランキングもチェックしたが大体同じようなメンツだった。


アイドル冒険者グループが一番人気で次に討伐専門の冒険者、歌手、王族貴族等の有名人絡みという感じだ。


「やっぱどの世界でもアイドルが強いよな」


そう口に出しながら再生回数ランキングのページ上部に切り替え出来るタブがある事に気が付いた。


日間から年間までの各集計を見れる。


俺は月間での再生回数ランキングを見た。


1位だったのは意外にも俺達が聖王国を襲撃した時の動像だった。

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