表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/86

47 闇の教団

眷属達に俺の出した結論を説明するのは骨が折れた。


結局全部は理解して貰ってないがある程度は伝わったと思う。


兎に角、時間が無い。情報収集に3日も掛けてしまった。


勇者イアが転生するまで約30日だから今からあと27日、誤差を考慮して20日後には世界に闇を浸透させたいところだ。


ここで重要になってくるのはマハルダだ。


マハルダは闇の信徒を量産するのが得意だった。


いつもは闇の信徒を配下にしてダークウォーカーに変異させていたが、今後は人間のままにしておいて信徒の数を増やさなくてはならない。


すぐにマハルダには動いて貰いたいがその前にやることがある。


「プロモーションの撮影をするぞ」


俺は眷属達にそう言うと、ダンジョンコアのホログラムを操作する。


この1か月でさらに増えまくったDPを消費してコアルームの奥に撮影セットを製作した。


コアルームの奥を見ると長い黒茶色のテーブル上にマースと呼ばれるこの世界を平らにした精巧なジオラマが置かれてある。


ジオラマの周囲に立てられた黒い支柱の上には格子状の天井板が取り付けられており数か所に照明と思わしき宝石を嵌めた杖先が設置されていた。


そして奥には青い空と雲が描かれたバックスクリーン用のスタンド式壁板がある。


撮影場所はここだけじゃない。


左奥の端側には王座を思わせる飾られた豪華な椅子が置かれ、周囲に金銀財宝の山が積まれているスペースがある。


右奥には饅頭を半分に切断したような半球の片側みたいなドームがあった。


中は空洞で手前のスタンドに設置されてるホロタからプロジェクトマッピングが映し出されドーム内の上下隅々までキラキラとした銀河と宇宙空間が映し出され星々がゆっくり奥へと動いていた。


これから更に撮影セットを作るかもしれないけど今はこの3か所だけで良い。


俺は早速眷属達を連れて右奥の半ドーム型撮影セットへと向かった。


「マハルダ、お前のホロタで撮影してくれ」


「承知致しました」


「後で俺が設立したチャンネルに共同制作者として参加申請しといてくれ。許可されたら今から撮影する動像をアップロードしてくれ」


「お任せを。我が神の神々しいお姿バッチリ撮影致しますぞ」


マハルダが撮影用スタンドを調整してホロタをセットした。


俺は半ドーム型撮影セットの中に入りマハルダのホロタへ身体を向ける。


「準備OKだ」


「では3カウントで撮影モードを開始しますぞ、3、2、1…」


本当懐かしいな。


そう思いながらホロタに向かって俺は話始めた。


「ハッピーダークデイ!俺の名はイリ。闇の存在だ。見た目で恐れる必要はない、闇に触れればきっと気に入るだろう。闇は全てに勝る!闇を手にした者は全てから解放され幸福になれる。約束しよう、素晴らしい未来と満たされる人生を!さあ今すぐ闇の教団から始めるのだ」


俺がマハルダに顔を向けると察したマハルダが興奮した様子でホロタの撮影モードを停止し保存した。


「流石は我が神!引き込まれるような素晴らしいスピーチに感動致しましたっ」


「だろ」


まあプロモーション用だからな。


「闇の教団の教主はマハルダがやれ。今からこの闇のダンジョンの地上部を大幅リフォームして教会を建設するからそこで闇の教団のプロモーション動像を撮影してくれ」


闇の教団は元からマハルダが勝手に創った組織だしな。


俺としては信者が増えればそれで良い。


「なんと有難き幸せ!このマハルダが闇の教団を主導する教主に任命されたからには世界中の子羊達を闇の信徒にしてご覧に入れましょう!」


歓喜するマハルダには構わず俺はすぐにダンジョンコアまで行きホログラムを操作して地上のリフォームに取り掛かった。


改めて地上部のマップを見ると酷い有様だ。


そこら中が瓦礫だらけで激しい戦闘が繰り広げられたことを物語っていた。


ダンジョンリフォーム画面からアイテム設置 / 変更をタップするとオブジェクトの削除という項目があった。


操作してみるとDPを支払うことでマップで選択したオブジェクトを削除することが出来た。


俺はDPを消費して地上にある全ての瓦礫や半壊した建物等の不要なオブジェクトを削除した。


マップを見ると所々戦闘でクレーターが出来ている石畳の道や剥き出しの土の地面だけになっていた。


綺麗になったな。


とはいえ闇の靄みたいなのが空中に漂ってるから見晴らしは良くなっていない。


闇の靄はオブジェクト扱いじゃないらしく削除出来なかった。まあそのまま放置で大丈夫だ。


お次はダンジョンリフォーム画面で施設設置 / 変更をタップする。


設置可能な施設のリストが大量に表示された。


「リストの表示を教会で絞り込んでくれ」


「畏まりました」


ダンジョンコアの球に指示を出すと教会だけが表示された。


なんかどれもパッとしないな。


闇の教団の本拠地にしてはショボい気がする。


もう教会じゃなくても良いか。


「絞り込みを解除して今度は城で絞り込んでくれ」


教会のリストが消えて城のリストが表示された。


おお、良いね。


良さそうなのがいっぱいある。


小塔が沢山生えてる山みたいな城に眼が留まった。


高額DPが必要だがこの闇のダンジョンには豊富なDPがあるから問題無い。


タップして城を購入するとマップで設置場所を選択した。


コアルームから地上に出て北側へ少し進んだ先に城を建てた。


真上に建てる案もあったが眷属と配下の出入りとか緊急事態で戦闘になった時に面倒だからやめておいた。


「教会にする予定が城になってしまったが、マハルダは今すぐ北の城で撮影して終わったらアップロードしろ。それと闇の教団の雰囲気に合うようリフォームしてくれ。足りないアイテムとかあれば言ってくれたらDPで買うぞ」


「我が神よ、承知致しました。最高の動像を撮影してご覧に入れましょうぞ!」


張り切ってマハルダは出て行った。


事前にアイテムを要求しなかったがマハルダは従えてる配下の数が眷属の中で断トツに多く雑務で使える配下も多い。


ダークウォーカーから進化したダークメイジが更に多岐に進化してダークプリーストやダークセージ等が側近になっている。


マハルダに必要な事は側近たちがサポートしてくれるはずだ。


俺はホロタを起動させた。


通知が来てる。


立ち上げたばかりの"闇の教団チャンネル"に早速マハルダが共同制作の参加申請をしてくれていた。


申請を許可するとホロタから眼を離し残された眷属達に視線を移す。


これからホロタでランキング1位を目指すなら闇の信徒に加えて強力なコンテンツが必要だ。


え~っと、ドニシャに脱いで貰ってだな……ダメか。


ホロタの運営に各国が絡んでいるから過激な映像は削除される。


俺がバッチリ映ったプロモーション動像も危険だ。


公開したら削除されかねないがまだ暫くは大丈夫だと思ってる。


闇の魔王と闇の教団が繋がってると思ってもこれだけ俺達が暴れたわけだから刺激するのを恐れて迂闊に削除できないさ。


もはや俺に対抗出来る人類は勇者イアだけだからな。


まずはチャンネルの意図を探ってから判断せざるを得ない。


それまでの猶予期間中に闇の教団を人類に浸透させるんだ。


短期間で一気に人気を集めるとなると、インフルエンサーを利用するのが近道と思う。


インフルエンサーとコラボしてコンテンツ制作したら更に人気を稼げる。


「お前達はインフルエンサーを闇堕ちさせろ、ランキング上位の連中は全員だ」


眷属達にも一応闇堕ちさせる能力はある。俺みたいに完全な闇堕ちだとか配下にしたりは出来ないが闇に染めることなら可能だ。


俺の発言が予想外だったのか3体の眷属達は一瞬間が空いたが、良い反応を示す。


「面白いじゃん」


「畏まりました」


「わかった」


「とはいえ、そう簡単に傲慢なインフルエンサー達が闇堕ちするわけない。だから先にお前等がライブ配信しながらそれぞれ生き残りの魔王を殺せ。終わったらアーカイブを残して闇の教団チャンネルにアップしろ」


ドニシャ、クルク、カズヤの眷属達はホロタで目ぼしいインフルエンサーを探しながら側近達手下を引き連れてコアルームを出たのだった。

ブックマーク・評価・リアクションありがとうございます、励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ